『憂燦々』
結局寝れずに更新ですよ!更新!
みんなは焦らずみてね♪
先ほどの騒がしさから男1人の帰路となるとあまりにも寂しげを感じる。
『明日から忙しくなるなぁ〜』
寂しさを紛らわせるように独り言を呟く。
返事は返ってこないが、少し気は紛れた。
今日起きたことを思い出す。
かなり濃い1日だった。
追いかけ、泣き、泣かれ、奪い、奪われ。
いや、うばってはないな…
映画のタイトルみたいにカッコよくまとめたいからといって、無理やり嘘をつくことはよくない。
逆行して一日も経ってないが、30年生きてきた以上の出来事が起きてる。
歩きながら今日のことを整理し、今後のことを考えているといつの間にか家の前に着いた。
とりあえず、これからの事は家の中でゆっくり考えることとした。
鍵をカバンから取り出しロックを解除する。
『ただいまー』
誰もいない室内に自分の声だけがこだまする。
両親は仕事で、早くても19時までは家に居ない。
姉も部活があるし同じ時間までは帰ってこない。
犬たちは両親の会社で一緒にいるから同様である。
自分の部屋に荷物を置くため階段を上がる。
2階には僕の部屋と隣り合わせに姉の部屋がある。
もちろん姉の部屋には目的がないので気にも止めず自分の部屋に向かう。
部屋に入り荷物を置くと
どっと疲れが襲ってきた。
『アドレナリン切れかな〜…』
際限なく襲いかかる睡魔に勝てるわけもなく、僕はベットに吸い込まれていった。
「真城ーー!!ご飯よー起きなさいー!」
その声と同時に意識が覚醒した。
どうやら寝てしまっていたようだ。
ベットに備え付けている目覚まし時計を確認すると、
20時と表記されていた。
重い体を起こし一階のリビングまで向う。
「やっと起きてきた。やっぱり今日は疲れた?」
『遅くなってごめんね。うん。色々あってね。』
母の発言を聞くに何度も呼びかけてくれたのだろう。
謝罪とともに当たり感触のない会話をした。
『今日はシチュー?美味しそうだね。』
「入学祝い!うちはお祝いはシチューって決まってるからね♪さぁ、冷めないうちに食べちゃいなさい。」
『うん。それじゃ、いただきます!!』
久々に食べた母のシチューは、美味しさはもちろんのこと懐かしみを感じた。
そういえばこんな味だったなぁ…
1人感傷にふける。
そんな様子を両親が不思議そうに見ていたが僕は特に気にせず食べ続けた。
食事中に姉や母親から今日のことについて色々質問攻めにあったがうまくぼやかしながら返答した。
少し驚いたのが父親が「何かあったか?」と聞いてきたことだ。
基本父は仕事中以外ではあまり喋らない。
もしかしたら、僕の微細な変化に気づいたのかもしれない。
さすが経営者の勘というのか、何かしらの変化には敏感なのだろう。
どうせ隠し通せるものでもないので
両親に「明日少しだけ話があると」伝えておいた。
父は「そうか」とだけ、母は「告白?」と見当違いのことを言った。
よくこのバランスで夫婦が続けられるな…と感じたが胸の内に留めた。
両親にそのことを伝えると、姉からはしつこく「恋落ちた?私も聞きたい!」などと壊れたラジオかのように言い続けられた。
発想は母さん似なのに直感は父さん似なので1番手を焼く。
仕方なく明日両親と共に姉さんも立ち会うように伝えた。
非常にめんどくさいことになりそうだ。
少し憂鬱になりながらも食べ終わった食器をシンクに置いて、自分の部屋に足早に戻った。
部屋に戻ると何か嫌な予感が頭を遮った。
生物が今から起きる恐怖を感じとるかのような…これから起きる惨劇を予知するかのようなそんな感覚だった。
原因はすぐに判明した。
ブーブーブーブーと、バイブレーションの音がこだまする。危険物はベットの上にあった。
現実逃避をするため『可愛い豚さんでも隠れてるのかな?』と呟くが誰からも返答はない。
ただ虚しいだけだった。
とらなくてもわかる。きっと僕の携帯はずっと悲鳴をあげていたんだろ。
それはいつから?もし帰ってからだったら少なからず4時間は経過している。
取りたくない…そんなことを考えているとバイブレーションが止んだ。
ほっと胸を撫で下ろす。
時間は21時。彼女も疲れているだろうし、もしかしたらもう寝て…ブーブー…
僕の願いは叶わずバイブレーションの音が再度こだまする。
バイブレーションの音が恐怖を増長させる。
どうせもう逃げられない…
これ以上放置をして相手の怒りを溜めるより
早くでて説明したほうがいいだろう。
覚悟を決めて携帯を取る。
もしかしたらと一抹の希望を抱いて画面を見る。
しかし現実はそんなに甘くはなかった。
画面には黒蜜 灯と表記されている。
わかっていた…わかっていたのに…
スライドする手が震える…
心拍数があがる。動悸が早くなる。
しかし体は脳のシグナルとは裏腹に
画面をスライドしていた。
『…もしも…「なにしてた???」ひっ!?』
ゴトッと音を立ててスマホが地面に落下する。
あの声は人間が出していい声ではない…
落としたスマホを拾うことができずただスピーカーからうっすらと流れる声を受け止め続けるしかなかった。
「ねぇ…なんでずっとでなかったの?どうして返信してくれなかったの?なにをしてたの?もしかして私がいないことをいいことに誰かと会ってたんじゃ…ねぇ!ねぇ!なんで答えないの?答えれないの?あと、スマホ落としてるなら早くとってすぐ返事して!早く!早く!!!!!!!」
うわぁ…うわぁ…(泣)
恐怖で涙が少し出た。
しかも、スマホを落としてることも把握してる。
彼女の声を聞くにもう怒りは通り越していることは把握できた。
人は怒りを通り越すと案外冷静になる生き物なんだろう。スマホの落下を指摘されたことが良い例だ。
僕は冷静にと自分に言い聞かす。
深い深呼吸をしスマホを拾い耳に近づけた。
『ごめんね。びっくりしてスマホ落としちゃった。』
「それはわかってるから。それより答えて、なにしてたの?」
わかってるさ、別に後ろめたい事はない。
正直に冷静に話せばわかってくれる。
恐れる事は何もない。あとは拙者の心のみ。
『寝てました。』
「…………は?………」
沈黙が流れる。
嘘偽りなく答えた。事実を。そのままを
「……えっと…嘘ついてないよね?」
『はい。何一つついておりません。疲れて寝ちゃってました!!!ごめんなさい!!!』
携帯越しに土下座をする。
『ごめんなさい!ごめんなさい!色々ありすぎて家帰ったら充電切れちゃたの!ベットに直行しちゃたの!無視とかそんな事ではないから!絶対そんなことしないから!不安にさせちゃってごめんね!!』
誠心誠意謝った。これしか思いつかなかった。
数秒の間が生じる。
「はーーーー……よかった…よかったよ〜」
彼女から先程とは打って変わって安堵の声が漏れる。
「グス…全然連絡ないから心配になって…もしかしたら無視されてるんじゃないのかなとか、他の子のところにいるんじゃないのかなとか、捨てられちゃうんじゃないかとか色々考えちゃって…本当に良かった…」
すまない。まじですまない。
今後肌身離さず携帯をちゃんと携帯するよ。
心に誓うよ。
『本当にごめんね…今後は、ちゃんと寝る前とか用事ある時しっかり連絡入れるから。今回は許してくれないかな?』
「いや、こっちこそごめんね…勝手に被害妄想して…でも、今後はあまり心配させないでね。」
よかった…許された。
僕は額から出る冷や汗拭った。
「もし今日連絡なかったら朝イチに……あ!…」
ん?朝イチに?なんだ?どうゆうことだ?
「なんでもない!気にしないで!」
『朝イチになに?』
「なんでもないよ!本当に気にしないで!」
そっか…めちゃくちゃ気になるが今はとりあえずこの場を乗り切れたことを喜ぼう。
『あ!で、何か要件はあったの?』
「ううん。特になかったけど…少しだけ声が聞きたかったの…迷惑?」
『そんなことないさ。嬉しいよ、僕も声が聞けて。よかったら少しはなさ「はなす!!」…うん。』
それを皮切りに灯ちゃんとの初携帯での雑談がはじまった。内容は些細なことだけど楽しそうに話す彼女の声を聞くと僕も少し気持ちが明るくなった。
話もそこそこに続き、時計の針が10の数字をそろそろ指しかけたとき、部屋の外から「真城!おふろー!!!」と姉の声が響いた。
丁度、時間的にもいい感じだしそろそろお別れの時間だ。
「お姉さん?」
『そう。そろそろお風呂入ってくるね。』
「じゃあ今日はもうおやすみかな?」
『うん。本当に今日は楽しかった。よければまた気が向いたら電話しようね。』
「何いってるの?」
『え?』
「毎日するんだよ?」
そっか…デイリーミッションか…
彼女からしたら当たり前か…
しかし毎日はさすがに…
「いやなの?」
『いや!光栄だよ!嬉しくて踊り出したいくらいさ!!』
拒否権?そんなものないよ?
あの声色には勝てないわ…絶対断らせないって意志を感じるもん。もし断ったらと考えたら…いや、考えたくもない。
「それならよかった…本当にね…ふふ…」
なにが本当になの…?なにがふふなの?面白いことなかったよね?なにも。
『そ、それじゃあ…おやすみなさい…』
違うからね!怖くなったから早く切りたいわけじゃなくて!お風呂!そう!お風呂が待ってるから!仕方なくだから!勘違いしないでよね!!!
「うん、おやすみ…私の夢みてね。」
無言で切った。
なんだよ私の夢って…
あの声色で言われたら悪夢にしかならないわ!
携帯トラウマになるわ!
もう早く気持ち切り替えてお風呂入ろ……ん?
着信件数に目がとまる。
《不在着信 258件》
そっか…出るまでかけてきたんだな。
しかも結構リアルだな。数字が。
絶対機械のエラーとかではないな。
今日1日でちょっとしたトラウマが増えた。
今回は心理描写少なめです!相手がそこまで登場しないから!許してね!こんな書き方もできるんだぞ。




