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秘密の能力は私だけのお楽しみ

作者: 大樹番正

「さて、どっちとくっつくのかな」


放課後の学校の屋上で下校する生徒達や部活中の生徒達を眺める女子生徒が1人、須田彩芽17歳。


彼女は物心がついた頃から人の前世が見えた、だが幼児に前世等わかるはずもなく、見えたものを周囲の大人達に話し、不思議がられるか「あやちゃんお話し上手ねぇ」と言われるだけ、だが母方の祖父が少しそういうものに敏感であり、彩芽は祖父から自分以外の人間には話さないことを約束させられた。


早い内の祖父からの忠告のお陰か、彩芽は不思議ちゃんがられず普通の女子高生へと成長したのだが、人に話さない代わりにこうやって遠くから人を眺めて前世を覗く事が趣味となってしまった、無害な趣味だが果たして良い趣味と言えるのだろうか。


今彩芽が見ているのは、後少しで付き合いそうな雰囲気を出してる陸上部の男子と女子マネージャー、そして女子マネージャーの事が気になってるであろうテニス部男子だが、最近この三人から彩芽は目が離せないのである。


陸上部男子と女子マネは美男美女である、前世もせう。

テニス部男子はかなり普通すごく普通、前世もそう。

しかも陸上部2人は前世は公爵令嬢と騎士の恋人同士、しかし公爵令嬢の家の事業がうまくいかず没落寸前の所を辺境伯からの援助の代わりに結婚しろと令嬢は親に売られる形で騎士とは結婚できず、女子マネの方は辺境伯領へと嫁ぎ、その辺境伯がテニス部男子ときた。


イヤイヤだった結婚ではあったが辺境伯はかなり優しいので令嬢割と心傾いちゃう、その上にど偉い強く、剣だけじゃなく素手でもかなり強いときたもんで、その姿を見ちゃった公爵令嬢、優しさ強さを合わせ持つ辺境伯に結婚した相手ではあるけど堕ちました、恋に落ちました、元恋人の事は一瞬で忘れました。


元恋人はどうしたか?

実はあわよくば高位貴族に婿入して贅沢三昧しようとしていたクズである、ちなみに女子マネの兄が陸上部のコーチであり、陸上男子は女子マネと付き合えたら自分をレギュラーに推してくれないかなと目論んでいるクズである。

そんななので騎士はまた高位貴族の令嬢を探している。


「さて、どっちとくっつくのかな、下手な恋愛ドラマよりこっちの方が面白いや」







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