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時空の編集者

朝のアラームはいっつも鬱陶しい。眼鏡はかけていなくてもスマホは手に取れる位置にある。アラームが止まるとベットから体を起こして眼鏡をかける。着替えを済ませると下の階にお父さんとお母さんの声が聞こえる。


「おはよー」


「おはよ♪」


「おはよう」


私は毎朝家族揃って朝食を取る。お母さんは暖炉から焼けたポテトを3人分食パンに乗せてマヨネーズをかける。私は朝のニュースを見るためにテレビをつけた。


「あっ、【密着ポリスワンディ】今やってるんだ」


「珍しいわね…」


お母さんは呆気に取られた顔をしていた。ちょうど、全国指名手配されている連続強盗犯に刑事さんが職務質問をしている場面だった。しかし、免許証を提示するタイミングで猛ダッシュして逃走した!警視庁は緊急配備をしたけど未だに犯人の確保に至っていないと前代未聞も放送事故が発生した。余りの逃走劇にビビってしまった。


「最近の世間は物騒だな…」


お父さんが顔をしかめた。そのしかめっ面にパンを口に運んだ。私もパンを口に運んだ。お母さんはとても驚いていたけど、しばらくして暖炉の火を消した。朝食を済ませると、お父さんは会社に行った。私も今日はクラブ活動があるため家を出発した。今日みたいな春の季節には半袖、半ズボンでお出かけ日和だった。街を歩いているときに、同じくらいの年齢の男の子が私に声をかけてきた。


「ハコさんですか?」


「はい!」


実は私は、フォロワー50万人の動画クリエイター【ハコ】である。そのため町中で声をかけられたりサインを求められる。


「いつも応援しています!握手して頂けますか?」


「はい、もちろんです!」


私は笑顔で彼の手を握った。


「うわ〜、ありがとうございます!」


彼は嬉しそうに応えた。私が手を離すと、彼は私に手を振ってその場を後にした。朝から承認欲求を満たせて非常にハッピーだった。しばらく歩くと、待ち合わせをしていたファミリーレストランに到着した。店内に入るともう予約をされていたため席を探した。


「箱奈なぁ〜!こっちだよー!」


幼馴染みの1人の卓が呼んでいる。


「今行くよ!」


私は四人席のテーブルに腰をかけた。クラブのみんなは集合していた。


「勘弁してくれよ〜、オールしてきたんだぞ!」


眠そうな声で話したのは空弦。【スポーツ中継46時間】を見ていたのかもしれない。クラブの前日くらいゆっくり休めとツッコミたい。それは置いておこう。


「わ、私も見てた…」


「光まで…」


あの大人しい光までオールしてスポーツを見てたのは意外だった。私以外は、みんな朝食を済ませずにファミレスに来ていて少し申し訳なかった。空弦はピザトースト、光はサンドイッチ、卓はパンケーキを注文した。注文を待っている時間は本当に気まずい…。そんなとき、誰か店に入ってきた。


「お客様、何名様ですか?」


店員さんが、問いかける。その時、銃声らしき音が聞こえ人が倒れる音がした。私は恐る恐る入口を見ると床に血が広がっていた…。


「何…?!」


私はついさっき入店したお客さんの顔を見た。


「うそ…」


お客さんは、今朝警察番組で見た連続強盗犯の顔をしていた。逃走中と聞いていたけどまさかこの町にいたなんて…。私は恐怖の余りその場から動けなかった。息を殺してかがんでいれば見つからないと思った。しかし、暴漢と目を合わせてしまった。暴漢は私の頭やな目掛けて引き金を引いた。弾丸は、私の眼鏡を掠めてレンズにヒビが入った。一瞬血の気が引いた。今度こそ殺される…。そう感じ取った私は、最後の抵抗で頭に手を重ねて丸くなった。銃撃が聞こえない…。死んだのかな…?恐る恐る顔を上げると暴漢が固まっていた。


「私、撃たれたんだった…。」


完全に死んだと思った私は少し店内を歩く事にした。そこには異様な光景が広がっていた。空弦のピザトーストを食べる手は止まっており、時計の針も動かない。


「時間が止まった?」


意味も分からず店内を一周すると、不安になり空弦の肩を叩いた。 


「なんだよ…箱奈じゃねぇか…なんで眼鏡割れてんだ?」


私が触れると空弦はびっくりした様子で声を上げた。私は我慢出来ずに眼鏡を捨てて空弦に泣きついた。


「怖かったよー!」


「おい、どうした?!1から説明しろ!!」


私は事の経緯を説明した。


「時間が止まる?連続強盗犯?バカも休み休み言えよ!」


やっぱり信じてもらえなかった。


「かといって、あいつらや強盗犯をほっとく訳にもいかねぇな」


空弦はどうにかしようと動き出した。


「箱奈、お前いつから時間が止まった事に気付いた?」


「強盗犯に銃で撃たれた時に…」


私は銃で撃たれた時の事を思い出すと頭を手で守った事を思い出した。


「うわぁあ!何だよこれ?!」


空弦が私を指した。


「どうしたの?」


「指!指!」


「指?」


私は聞き手の指を見ると衝撃を受けた!私の指5本には動画の操作ボタンのような刻印が入っていた!


「お前、いつから…」


「知らないよ!なにこれ!」


「なあ、薬指押したら時間戻るんじゃね?」


空弦が変な提案をしてきた。私はそれを信じざる得ない状況だったので薬指を押した。すると人やものがもとに戻っていく!ちょうど暴漢が店内に入ったタイミングまで戻った。


「お客様何名様ですか?」


店員さんが撃たれる直前まで時間が戻ってしまった。


「今だ!」


空弦が暴漢に捨て身タックルして暴漢が抑えられる!

暴漢は抵抗して、銃を店内で乱射した。私はスマートフォンで110番通報した。そして私も空弦に加勢した!近くにあった消化器で頭を殴打した!暴漢は意識を失い床に倒れた…。力加減をするよりもここにいるみんなの安全が最優先だったから力いっぱい殴ってしまった…。しばらくして、刑事さんが来て暴漢は身柄を確保された。光や卓たちは状況を飲み込めなかったようで何が何だかさっぱりだった。私もさっぱりだった…。






新連載です✨SFに挑戦してみました。

乞うご期待です!

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