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你好異世界  作者: 曽我二十六
帝都奪還編
3/12

3. 東都洛陽

~前回までのあらすじ~

幼馴染に告白しようと思ってたら封禅の儀で異世界召喚される。

このせいで間違えて告白した皇帝と結婚し、その現場に幼馴染が登場。

状況説明の後に下山しようとしたら、今度は皇帝暗殺未遂。

帝都への旅が今、始まる!

 帝都長安への道のりも気付けば半分が過ぎ、洛陽に到着した。

 洛陽は西の長安と対比して東都とも呼ばれる帝国第2の都市であり、人口は20万を超える。

 帝都の人口が40万だというから、その巨大さが分かるだろう。


 雒陽城。


 「字が違う……」


 どうやら、皇帝にも予想外の事態らしい。


 「私は旅の行商なのですが、ここは洛陽で合ってますか?」


 市民に訊いてみると、驚きの言葉が発せられた。


 「合ってるよ。宰相様がいきなり、雒陽に改称すると言い出したんだ」


 一体、何故。

 こう思いながらも、今夜は久々の宿屋泊まり。野宿にもいい加減飽きた所だ。


 「宿屋の代金はあるかの」


 「3人分はないですね……」


 「じゃあお主、働け」


 (今日1日間、1人で働いても足りないんだよなぁ)

 (雪子、ちょっと協力してくれるか)

 (分かったわ)


 「陛下、働くって楽しいですよ」


 「レッツ・エンジョイ・ワーク・トゥゲザーですよ、うめちゃん」


 「お雪が何を言っとるか分からんが…」

 「とにかく、お主らはわらわに働けと申すのかっ!」


 「左様にございます、なにぶん、お金がない故」


 3人でそれぞれ飲食店の呼び込みを出来高制でやらせてもらい、何とか給金を得た。



 就寝時。

 「この大帝国の皇帝を働かせるなど前代未聞じゃろ」


 「でも一番お客さん集めてチヤホヤされてたの陛下じゃないですか」


 「うめちゃん、満更でもないんじゃ……」


 「そんな事はないのじゃ、わらわはもう寝る! お主らも早く寝るのじゃ!」

 「お雪まで寄ってたかって……」



 「んじゃ、私たちも寝ようかしら?」


 雪子がそう言うので寝床へ向かう。


 あれ?


 寝台が2人分しかない事に気付く。

 その寝台の1つは、陛下の寝相の悪さで占領されている。

 というか一緒に寝ようものなら、翌日あたり酷い目に遭いそうである。


 「……どうする? 一緒に、寝る?」


 「床で寝るから……」


 「寒いから、一緒に寝ちゃ……駄目?」


 お風呂上がりの雪子の顔が破壊的すぎる。


 「勿論、いいよ」


 間近で見ると余計に可愛い。この笑顔を守っていかねば。


 ん? 何やら物音がする。

 誰かに見られているのかもしれない。


 そう思って戸を少し開けると、武装した者共がこの宿屋を襲いに来ていた事に気付く。


 「まずい、盗賊だ!」


 すぐさま陛下を叩き起こし、部屋の隅に2人を抱き寄せる。

 一体、どうすれば。


 戸が開かれる。

 いよいよこの旅も終わってしまうのか。


 「盗賊だ、金品を出さねば殺す」


 無い袖は振れない。

 こうなれば現状を話すしかない。


 「あのっ」


 恐怖で声が跳ね上がる。盗賊の一味はそれを見て笑う。


 「僕たちは、追われている身でしてっ」


 「追われている? 宰相様の大赦があった筈だが」


 「えっと……その……」

 まさか大赦があったとは。これでは身分を明かしたようなものだ。

 盗賊らの中には首を突き出して報奨金を得ようという者もあるだろう。


 終わった。



 「どけ、我が夫よ。ここはわらわに任せよ」


 は? 今話しても殺されるだけですって。どうにか逃げましょうよ。


 「そこに居るのは洛陽太守の李林児か!」


 「!?」


 そこにいた全員が驚いた。


 「そうでございます、今は太守の任を解かれ、このように盗賊をやっております」


 「太守をクビにされたというのはどういう事なのじゃ?」


 「宰相様が『陛下の勅令により』と仰せになったと聞いておりますが」


 「そんな勅令、わらわは出しておらん!」

 「わらわは封禅の直後に殺されかけたのじゃぞ!」


 「宰相様が偽勅を出した……?」


 「そういう事じゃ」

 「お主ら、盗賊なぞやっておらんと、元の任務に戻れ」


 「しかし、偽勅だとは知らず……今や宰相の手の新たな太守が……」


 「ならば、わらわの帝都奪還に付いて参れ」


 「聞いたか、陛下の護衛任務だ!」


 「わらわの帝都奪還の暁には、主らに褒美を取らせよう!」


 「皇帝陛下、万歳!」

 「打倒宰相、奪還帝都!」


 こうして盗賊団を引き入れた我々は、帝都に向けて出発した。


 「そんな、陛下自ら働くなど……私がいれば……」

 「良いのじゃよ。それなりに楽しかったし」



 洛陽を出発した我々は、函谷関に到達した。

 総勢百余人。軍勢として隠すには無理のある人数。


 帝都長安を守る国門・函谷関をどのように突破するか。

 作戦として、数隊に分かれて商人に扮する事とした。


 先発隊として李林児率いる30人が、次に中間隊として我々3人を含む40人が、最後に殿隊として残りの30人がそれぞれ函谷関を通り抜ける作戦だ。

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