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第16話 お仕事のお話と睦言

 いつの間にか、侍女たちも下がりエドも私の髪をもてあそぶようにしている。

 私も……エドに寄り添うように座っているのだけれども……。


「あの。こちらのサマンサは、どういった経緯でこちらにいらしたのでしょう?」

 いつまでももやもやするのは、性に合わないのでハッキリ訊いてみた。

「ああ。簡単な経緯は、前にも言ったと思うが……。当時は、サマンサだけでなく他にも3人の女性を孤児院の運営を任せるつもりで連れて来たんだ。ビリーにしたように、こちらで教育をして孤児院の運営にあたってもらったのだが……」

 女性4人での運営だったのね。

「まぁ、アレだな。婚姻で1人減り2人減りという感じで、今ではサマンサだけが残ってしまったな。いい縁談を……と思って探しても、当の本人にその意思が無いからな」

「無理強いできるものでも無いですわね」

 私はため息交じりにそう言った。

 政略的な婚姻の義務がある上位貴族ならまだしも、下位貴族の……それも、家から捨てられてしまったような女性は、平民と同じだもの。


「こちら側の孤児院が無くなってしまったら……」

 そう、ここからが本題。

 私はチラッとエドを見ながら語尾を濁す。

「本来なら、退職金を出して、帰るところがあるならそちらに送るのが慣例なのだが……、彼女は訳ありでな。しばらくはこの屋敷で侍女として働いてもらう事になるだろうな」

「訳あり?」

「そう。マリーが王都の実家の方に挨拶に来た時にいただろう? 叔母のキャロライン・スウィングラー侯爵夫人。あちらからの紹介なんだ」

 叔母様の……。

「そうでしたの」

「そうだったんだよ。ところで、そろそろ仕事の話はお終いにしないか?」


 エドの腕がスルッと私の体に……。

 抱きしめられてるのよね。お顔が近い。

 なんだか、いつまで経っても慣れる気がしないわ。


 キスされるたびに、ドキドキするのも……その先の事にも……。

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