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第4話 次の日の朝(R15……あれ?)

 暖かい。

 まだお外は、暗いのかな。

 誰かに抱っこされているみたい。


 私は、暖かいものにすり寄って、また寝ようとしていた。

「マリー。まだ起きないのか? 体がきついならゆっくりしていても良いが」

 へ? エド様の声? 体? 昨日は、領地での婚礼と……。


 なんか()()()()思い出して来た。

 じゃあ、私が今(すが)っているのって……。

 目を開けると、エド様の胸のあたりが……良かった、お互い寝間着を着てるわ。

「お……おはようございます。エド様」

「おはよう。マリー」

 エド様は、そう言って私の額にキスしてくれた。

「そろそろお昼になるが、マリーはそのまま寝てるか?」

 頬や口にもキスしてくれているけど。

「あ……いえ。わたくしも起きますわ」

 

 ああ、そうか。エド様に抱っこされていて掛布を頭からかぶっていたから暗かったんだわ。

 寝間着は、エド様が着せて下さったのかしら。

 私は起き上がって……。

 いや、何? 今の。ちょっと、下半身に違和感っていうか、液体があらぬところから出てきたような……。


「マリー。大丈夫か? 無理せず寝ていても良いんだぞ」 

 なんだかエド様が焦っているわ。

 私の体に手を添えて支えてくれている。

「あ……いえ。大丈夫です」

 ロマンス小説の様に体が辛くて動けない……なんて事は無いのだけど。

 非常に説明がしにくいわ。

「え……っと、エド様。わたくし、お腹がすきましたわ」

 話題を変えよう。私はにこやかにエド様に言った。

「あ? ああ。もうお昼だしな」

 なんだか、エド様にも伝わったみたい。私が言い出しにくい、体の状態に。


「湯あみの用意をさせるから、入ってから降りてくるがいい」

 エド様は、ベッドから降りて着替えをしている。

 こっちのクローゼットにも、服を入れているのだわ。衣裳部屋まで行かなくても良いように。

 エド様は、着替え終わり出て行こうとして、振り返り

「ああ。マリー。今日から公の場以外で、様付は禁止だ。夫婦なんだからな」

 まだ、起き上がっただけでベッドの中にいた私に、エド様はそう言い残して行ってしまった。


 ふ……夫婦になるって、乗り越えないといけない事がたくさんあるのね。



 エド様……エド……旦那様で良いや……。

 旦那様と入れ替わりに、ケイシーたちが入ってきた。

 なんだか恥ずかしいわ。

「マリー様。いいえ、奥様。湯あみの用意はもう出来てますわ。こちらへ」

 ケイシーが、私を先導して湯あみが出来るお部屋へ連れて行ってくれる。

 ふと、後ろを振り返ると、ベッキーたちがシーツをベッドからはがしていた。

 赤いシミが付いていたのは…………、いや本当に、恥ずかしい。


 私は見なかったことにして……じゃないともう皆の顔をまともに見れない……部屋を後にしたのだった。

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