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第2話 領地での婚礼後とその後

 婚礼の儀なんて、大げさなものじゃない。

 領地の小さな教会で、私達は未来を誓い合った。

 領民の方々が参加出来なくなるので、身内は誰も参加しないと思っていたのだけど、エド様の方もしていないし。

 私の方は、エイベルお兄様が来てくれていた。


「花嫁を花婿に、引き渡す役がいるだろう?」

 いや、引き渡すって……。犯罪者じゃないんだから。

「でも、来て下さって嬉しいですわ」

 気を遣ってくれたのか、言葉通りエド様の所へ連れて行ってくれてから、すぐに帰ってしまったようだけど、本当に嬉しかった。


 宴会はもう、誰が誰だかわかんないくらい色々な人が来てくれていた。

 一応、警備に付いている衛兵と騎士団の人達も、ちょこちょこ料理をつまんでいるみたいで良かった。


 

「ふぅ。さすがに疲れたわ。でも、楽しかった」

 本当に、王都の婚礼の儀は緊張しすぎて何が何だか分からない内に終わったので、こっちが本当の婚礼って感じ。

 湯あみをして、寝間着に着替えて。

 そう言えば王都では結局、婚礼の儀の後も王宮に泊まっていたからエド様と2人っきりになるのって、今日が初めてなんだわ。


 私、寝相悪く無いわよね。だけど、疲れている時は、微妙なのよね。

 エド様をベッドから蹴り落としたらどうしよう。


「ねぇ。ケイシー」

 私は髪の毛を拭いてくれているケイシーに自分の寝相の事を尋ねようとしたら

「マリー様。今日はちゃんと挨拶をするのですよ」

 挨拶? ああ、そうね。

 私の髪の毛を丁寧に拭いた後、ゆるくみつあみにして、タオルや道具を持って退出しようとしていた。

「え? もう退出するの?」

 ケイシーは、私の方に振り返り。

「お休みなさいませ。マリー様。朝、またお伺いいたします」

 そう言って、下がって行った。


 ふと、テーブルを見るとお茶の用意はしてある。

 後はカップに注ぐだけだわ。

 保温が出来るティーポットって、便利な魔道具よね。

 味も香りも変わらないのだもの。


 エド様、まだ宴会場にいるのかしら? 

 ここのところ、お忙しかったみたいで一度もこちらのお部屋にいらして無いのよね。

 今日も、ある程度まで待ったら寝室で眠ってしまっても良いわよね。

 そう思って私はソファーの方に座って、エド様を待つことにした。

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