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第37話 王宮の自室(?)でのお話

 ビリーの謁見は、慣例通りあっという間に終わったらしい。

 まぁそれはそうだ、準男爵位を賜るとはいえ平民だ。

 型通りの挨拶に、型通りの授与。


 王宮内(ここ)では、ビリーがストリートキッズだった事も、ましてやトム・エフィンジャーの使い走りをしていた事実は無かった事になっている。

 例え、子ども達を守るためにしていた事だとしても、大罪だから。


 エドもビリーを帰す算段をした後すぐに仕事に戻ると言っていた。

 なんて事は無いエドも他の指揮官同様、王宮内に個室を貰っているのだわ。

 騎士団があるところだけど……。




「サロンで使う茶器と……食器はどういたしましょう?」

「そうね。茶器はともかく、食器の方は銀と陶器の両方を用意しましょう」

 私は、自分の部屋に戻ってから、ケイシーとエイダも呼んで、お屋敷の内装を決める準備をしている。

 ある程度は形が決まっているので、流行を追うより定番の物を選んだ。

 流行に合わせると、しょっちゅう改装をしないといけないし、そんな無駄遣いはしたく無い。

 何より定番の物を選ぶと、ケイシーやエイダのようなベテランの侍女や使用人に内装の選定を任せられるから楽……げほんごほん。


 食器。食器よね。

 銀食器は、仕方ないの。お互いの安心安全の為。毒によっては銀は黒ずみ変色するので、分かりやすいというのだけれど、それを知っていてそのような毒を入れる人なんているのかしら?

 どちらかというと……、いえいえ、今はそんな事を考えている暇は無いわ。


「エイダ。王都の商人には詳しい? だいたいの方針が決まったら、お屋敷の方に呼んで欲しいのだけど」

 私がそう言うと、エイダはきょとんとしている。

王宮(こちら)に呼びつければ良いと思いますが」

「え? でも、それはあまりにも」

「どうせ、王族御用達の商人しか使えません。英雄様方のお屋敷に関わる事は全てそうなっております」


 そんなものなの?

「そこまで用心しないといけないものなの?」

 思わず驚いて訊いてしまった。ケイシーも固まっている。

「足りないくらいですわ。全てを王族御用達にしてもブラッドロー閣下の時は……。あっ、いえ」

 エイダは、コホンと咳払いをした。

 おしゃべりが過ぎたという感じなのかしら。

「何にしても、用心をしすぎるなんて事は無いのです」

 真剣な顔をしてエイダは言っている。


 本当にそうなのかもしれない。

 普段、貴族の中に入っていないから私には分からないけど。

「わかったわ。商人は全てこちらに呼んでちょうだい」

「かしこまりました」

 エイダは、優雅にお辞儀をして「さて、次ですが……」と気持ちを切り替えるように訪ねてきているけど…………。

 

 いつになったら、終わるのかしら? 

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