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第33話 王都への移動

 私とケイシーが平和を満喫している間に、王都からの捜査官の方がやって来て港側のお屋敷を調べて帰って行った。

 以前、トム・エフィンジャーが関わる事件があった後も散々調べていたので、これと言った収穫も無かったようだ。

 収穫が無いだろう事が分かっていても、何かあった時の為に報告をしなければならないし、報告があれば捜査官は動かなければならない。なんとも面倒くさい事だわ。

 

「そろそろ、ビリーは王都に向かわないといけないのかしら……」

 私は自室でお茶を飲みながら、ケイシーと話している。

「ええ。孤児院も落ち着いてきたことですし、準男爵位を賜って来なければなりませんからね」

 ケイシーは、お茶のお代わりをつぎながら話していた。

 本当に他人事だ。

 王都に向かうのは、エドとビリー。後は護衛とお屋敷の使用人を連れて行くだけ。

 今は社交シーズンでも無いので、私の出番は無い。


 ビリーが居ない間の孤児院は、アンガス・ベリーが運営をするようだ。

 常駐するわけでは無いのだろうけど、実質、子ども達のお世話をしているメリーおばさんもいる事だし、夜、アンガスが泊っていれば大丈夫だろう。


 そう思っていたのに、なぜだろう? 王都行の馬車に私も乗っているわ。


 馬車の中には、エドと私。

 ケイシーは、他の侍女たちと後続の馬車に乗っているし、ビリーは使用人達(男性)の馬車に乗って王都を目指している。


「今回までだからな。マリーが王宮に泊まるのも」

 少し憮然としてエドが言っている。

 なるほど、今回も私は王宮に泊まるのね。

「次の時にはもうお屋敷に住めるようになっていますものね」

 私はついクスクスと笑ってエドに答えた。

 お屋敷自体はもう出来ているけど、これから使用人の選定や家具と調度品選び、色々大変なのよね。

 社交シーズン以外は、利用しない家だし。

 そうそう、次の社交シーズンにはお披露目もしないといけない。

 本当に面倒だわ。


「ビリーが爵位を賜った後、俺たちは少し王都に残る事になるが……」

「はい。サマンサとボブの事ですわね」

 私は仕事の話に入ったと思い、背筋を伸ばした。

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