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プロローグ

これは始まる前の物語。

それは今でもまだ、続いてるのかもしれない。

あるいは全てが終わった後の物語。

それは既に終わっているのかもしれない。

これは全てが違う物語ーー






「あああ……、マジでキッツイなぁ……。もう何時だよ……ったく」

体を真っ黒になるまで働いていた男が誰に聞かれるまでもなく毒突く。

彼が座っているのは平らな石の上。何度も何度も座っているうちにちょうど尻がぴったり収まるようになっていた。周りには誰もいない。

当たり前だ。

彼は残業してこんな夜中まで働いていたのだから。 座りながらついさっきまで自分がせっせと積んでいた鉄の棒の山を見上げる。

一体、何に使うってんだよ。 恐らく溶かして加工ってもんをするらしいんだが、そっからどうすんだよ。LOVEホでも作んのか?

ーーッザケンな。何でおれがリア充どものために汗水垂らして、身を粉にして、苦しんで疲れて痛い思いしなくちゃいけねえんだよ。

それが奴隷って奴なんだけどよ。どうにもあれだな、これがリア充破壊兵器になるんだったら俺たちのモチベーションも少しーーかなり上がってたのかな。

まあ、それは自分が知る由もない。俺は言われた通りこの鉄を運べばいいんだ。

男は立ち上がり、即席で建てられた建物の中に入る。そこから自分のロッカーを開けて着替えをとる。中は錆びがいっぱいついていて遠目からだと茶色のロッカーと勘違いするほどだ。

だからといってこれは奴隷の中でも結構いい部類なんだよな。普通ロッカーなんて一人一人に分けられてねえし、全裸で働かせてるところあるらしいからな。そう考えると俺のところっていい風に見えるだろ。

………………………。

見えなくて当然。錆びの上に服なんて置きたきゃない。それに俺が今の今まで残業してるってことは相当やべえぜ、全く。

作業服を脱いだところで泥臭い匂いが鼻をつつく。

「その前にシャワー浴びねえとな」 言って建物の奥にあるシャワー室の扉を開いて電気をつける。

「いや、その前に……」

男はロッカーまで戻り一枚の写真を手に取りまたシャワー室に行く。 部屋に入ると鍵を閉める。 誰もいない筈の部屋を再三確認し、手元にある写真を見つめる。

と、すると。

「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼っ!」

イッた。 一日中働いて、我慢し続け、欲が満ち足りてなかったのだろう。 見ただけでイきおった。 しかし彼はまだその写真を手から離さない。まだイくというのだろうか!?

一日、たかが一日だぞ!? 昨日もイってるんだぞ!? なのにまだ!? ハードワークは体によくない。 だがその禁忌を犯してまで彼はイきたい理由があった。

彼が手に持つその写真。 それには銀髪の9歳ぐらいの女の子が写っていた。 彼は今日ロリに目覚めたのだーー

これはある魔人の物語。


後に最古参の魔人、魔神とも崇められる存在。


彼はいかにして魔界を生き抜き、ロリコンの称号を得たのか。


とても愉快な人間と出会う何千年、何億年も前の物語。


ーー遊戯戦/魔界始双譚。

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