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Alive…意味は「生きている」その意味の通りこの世界は生きています。
太陽系があって、季節があって、地震、竜巻、土砂などの自然災害もある。この世界は現実同様生きた世界である、という意味だと僕は思ってます。
ここは現実で言う世界標準地図の中央にある国、テルナイトの中央広場です。
確か、テルナイトはtail knight…尻尾の騎士と言う意味だったはずです。その名前の通りこの国は真人間に迫害されやすい獣人族が、多く出入りしています。ただ、真人間もいない訳ではありませんが。
っと真人間は現実にいるような人間の事ですね。獣人は普通の人間に耳と尻尾が生えた種族です。
それと今の僕はうさ耳が生えた獣人になってます。
こちらの世界でも偶に女装をさせられるのはどうしようもないようです。それによく女に間違えられるんですけど、何故でしょうか。少し見た目が女の子に似ているとは思いますけど…。
さて、自由の旅に出ましょうか。
「あ、ラビさんこんにちは」
「こんにちは、この街に貴方がくるなんて珍しいですね」
声を掛けてきたのは真人間のフルーネルです。いつもは北の雪国フローラルに居て、この世界の昔に北の地域で使われて居たと言われているフローネスについて研究して居ました。確か、フローネスについて伝えた時、名前が似てる!と大喜びで向かって行きましたね。
「フローネスの研究が進んだんですよ!、そこで他の国にも似たような物がないか探している最中です」
「おめでとうございます、どうですか、見つかりましたか?。確か南ではマグネティスと言う物が使われて居たと聞いたことがあります。此方は磁力関係で、金属の加工向けだった筈ですよ」
「そうですか!、そういえば、知ってましたか?この国でもビーストと言う物が初め使われて居て、そこから獣人族と真人間に別れたと伝えられてました!」
「研究に没頭し過ぎて他の事を疎かにしないよう気を付けて下さいね」
「大丈夫です!…あと、この本がフローネスの本で、これがフローネスによって作られた溶けない氷です。昔の人って凄いですよね、木材がないから氷を使って家を作って居たんですから…っとそろそろ失礼します、これから南のヒートリングに行ってきます!では!」
騒がしい人だけど研究熱心でいい人です。
あの人がいると知れる事がとても多くて僕は好きですね。
さて、フルーネルさんから貰ったこの本を仕舞っておきましょう。
しかし、この溶けない氷ですけど、雪の結晶の形をして居ますね。
おっと、つい呼び止められてしまいましたが、私もこの国を出て、フローラルに向かいましょう。
「時刻は1時28分ですか…少し急いだ方がいいですね。【アイスダッシュ】」
滑るように移動のできる氷属性の魔法を使い、走り始めます。
出国して大体一刻が過ぎた頃…。
「あ、フルーネルさんに道伝えるの忘れてた」
…もう出発した様ですし自力で頑張ってもらいましょう。
そろそろ【アイスダッシュ】の効果が切れますね、仕方ありません、本を読みながら歩きましょうか。
フルーネルさんに貰った本をパラパラめくり始める。
本は随分読み易くされていて、一回で大まかな流れを理解する事ができた。
氷に宿るマナを氷の魔力で変化させ、マナと魔力の混ざった状態の氷にします。そこへ氷力と言われる物で定着をすることによって状態を固定できると言う物が家を建てた方法で、大気にある氷力を利用する事によって寒さを凌いでいた…と。
あ、捕捉が付いてました。氷力とは北国で使われていた様々な属性のある魔力とは違い、氷と寒さにのみ働く特殊な力だそうです。
色々な力があって扱いが大変ですね。全てを扱う人が現れたらどうなるのでしょうか…?




