2.
そろそろ昼でしょうか、そういえば朝ご飯食べてませんね…まぁ1日くらいいいでしょう。
置いてあった書類を読んだ限り、学校の説明と寮の説明がありました。箪笥を漁った所、必要物は組織が準備して置いたらしいです。
何故か制服は男用二枚づつ、女用二枚づつありましたが何を求めているのでしょうか。
研究所に居た時は偶に女物の服を着せられ、似合うなんて言われましたけど、鏡なんてありませんでしたからさっぱりなんですけどね。
さて、食事を取りに行きましょうか。
寮の食堂は部屋より広めに作られて、大体20個の席がありました。
メニューは基本日替わり、アレルギーがあればその人用に別メニューを出すと書類には書いてありました。
僕にアレルギーはないです。
あと、専用のカードがあってそれを使って受け取ってください、とも書いてありましたね。
っと、既に3人、並んでる人がいて、並んだ先でメニューを受け取ってるみたいです。
僕も並びましょうか。
それにしてもみんな背が高いですね。
さて、僕の番が来ました、カードを取り出して机に置きます。
「おねがいします」
「量はどうするかい?」
どうしましょう、朝ご飯も食べてないのでとりあえず普通を選んでみましょうか。
「普通でおねがいします」
「ちょっとまってね………はい、これね」
カードと器の乗ったお盆を受け取る。
空いてる席は…ありました。
彼処で食べましょう。
それにしても随分賑やかですね。僕と話してくれる人はできるのでしょうか?
今から心配になって居ても仕方がありませんね、明日頑張りましょう。
ご馳走様でした。
少しだけ味がする濃く感じましたがいままでが薄かったのかもしれませんね。
片付けましょうか、受け取る時に並んで居た場所と別のカウンターに向かってそこでお盆を渡ししています。
椅子から立ち上がり、カウンターへお盆を置きに行く。
「こんにちは」
「あ、はいこんにちは」
突然話しかけられてびっくりしましたけど、なんとか挨拶を返せました。
「見ない顔ですね」
「そうですね、今日から寮に入ることになりました、羽咲 白兎です」
「私は、伊崎 真矢…真矢って気軽に呼んでね」
「わかりました、真矢さん」
「うーん…なんか硬いな?」
「癖なので気にしないでください」
「そっか、まぁわかった。私は用事があるから。じゃあね」
「はい、さようなら」
あ、お盆を片付けに行かないと行けませんね。
鍵は閉めましたし、ゲームしましょう。
部屋の端に置いてある黒い箱を使うことになりますけど…改めて見ると、凄く存在感がありますね。
聞いた話だと高性能なもの程カラーバリエーションが少なくて、黒いものが多いと言ってましたね…高性能で埋め尽くしたら部屋中真っ黒になるのでしょうか?
刺さっているカードキーを確認して、挿し直してから、まずは起動します。
扉を開け、中に入り、カードキーや、起動ボタンへ制限をかけます。
次に扉を閉めて、頭へ機材を装着します。
これで準備は完了しました。
「起動します」
聞こえる音が無くなり、見える光も無くなる。
[カードキーからのデータ読み取り…完了]
[データベースへアクセスします…成功しました]
[ログインを試し見ます…成功しました]
[データチェック中…問題はありませんでした]
[サーバーへ接続します]
[接続が完了しました、リンクを開始します]
とメッセージログが表示され、真っ暗な状態から仮想世界の風景が目へ入ってきた。
この世界での僕の名前はラビ、電子世界…Aliveに生きているもう1つの僕の人生。
僕は今までこの世界でだけ自由に生きる事が出来ていた。




