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16.

それから、旅人は、闇王を探し続けました。

国の跡地を歩き回り、闇王の残り香を探しました。

見つかりましたが、続く先は此処から離れた聖剣のある国の近くでした。

旅人は走り続けたそうです。歩けば1ヶ月の道を三日三晩休まず走り続け、目の前まできました。

門の前には聖剣が刺さっていたそうです。

旅人は、もう一度剣を抜き、周りを見渡します。

段々と人は集まり、旅人に言いました。

『あぁ、勇者様、世界を救ってください』

旅人は、二本の剣を握り、天の闇によって覆い包まれた城へ目指しました。

雷と氷を纏う白い剣と白い火を纏う黄色の剣を持った勇者は神そのものでないかと言われました。


城へ着いた頃には闇が城を変化させ、黒く禍々しくなっていました。

それから旅人は王の座へ向かうと、闇を操るこの国の王がいました。

ええ、この国の王が闇王だったのです。

闇王を白い剣で切れば、切った場所が凍り、黄色い剣で切れば切った場所に光が集まり、切り続けて行く内に様々な光が部屋を包み込みました。

光が収まった頃には闇王に2つの剣が腹に突き刺さり、後ろへ倒れていきました。

そして、世界に光が戻りました。



おしまい…か。

なんだろうか、本の裏の中に挟んであるこの紙はなんでしょうか。


『私の名前はユタル・ブレイブ。周りには英雄と呼ばれているが、ただの平民で、旅を続けていただけの人間だ。

英雄なんて幻想なんだと思う。私は英雄とは、祭り上げる為の言葉だと思う。私はこれがつまらない。なので、もう一度黒き太刀を持って旅をしようと思う。

私の見ていない世界は広い、この世界の未来も永遠である。

私は新たな命に生き続ける


これを見た者へ。この本に力を残しておく、私は唯の名も知らぬ人を守る力此処へ』




「出来たぞ…その紙どうした?」

「本の裏に入ってた…ここ」

「ちょっと紙読ませてくれ」

「元からあなたの本です、どうぞ」


「…そうか、この本は魔導書だったらしい」

「魔導書?」

「そうだ、魔導書でも、此奴は先に魔法を籠めておいて、それを呼び出す奴だな…しかし、英雄の力か…そうだ、刀だったな…これでどうだ?流石に打ち直しをするのは難しいが、次来た時に新しく作るぞ」

「ありがとう、軽い、試し斬りいい?」

「あぁ、こっちだ」


連れてこられたのはこの家の裏庭。一本の木と切株があるだけの。


刀を打った人は「ちょっと待ってろ」と言い、部屋へ戻っていった。


鞘から、刀を取り出す。ムラのない打ち方となっており、とても綺麗に作られていた。

剣を打っているからと言っても、物が変われば打ち方も変わる。

刀をしっかり握り、焼き付けられた記憶通りに構え、現在の肉体との差を修正して行き、終わったところで刀を鞘に納める。

其処までしたところで藁を持って戻って来た。


藁を巻き、切株の上に取り付ける。


「切ってみろ」


居合の構えをし、藁を斬りつける。

真っ二つになった藁を見る。


「いいみたいだな、よし、そのまま持って行っていいぞ」

「ありがとう」


部屋を通って外へ出ようとする前に言い忘れた事を告げる。

「忘れてた、僕の名前はラビ。です」

「そう、俺の名前はゼダ、よろしくな」

「ではさようなら」


扉をあけて外へ出る。

薄暗くなった空を見て、僕は南東の門へ歩き始めた。



門が見えて来たところで、メニューを開き、刀を仕舞って門を通り過ぎる。


道の続いた先に又新たな門があり、其処が使徒の町らしい。

多分、国で問題起こされると面倒だから隔離とかそんな物かな。


僕は沢山の人で溢れかえった町の中を見て町の中に入りたくなくなった。

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