12.
読み始めてから、20分近く経っていたらしい。
そろそろ、読むのやめて、ゲームをしましょうか。
夜ですがいいでしょう。
…ここは、前回ログアウトした場所…雪国のフローラル。
確か東の森でしたよね。
ここは南なので東へ向かいましょう。
今日は吹雪と言うほど雪は降ってないですね。
よかったです。
入る時とは違い、審査は不要になります。
入る時は厳重に、出るときは指名手配犯でないかの確認だけで済みます。
簡単でいいですね。
門を超えてまっすぐ行った所で、森に差し掛かる。
ここから、暫く歩きますね…走るしか無さそうです。
「【アイスダッシュ】」
木が多くなってきたので当たりそうで結構怖いですね。
段々大きめの石でできたレンガのようなものが混じってきましたね。
あ、石のレンガが積まれて作られた建物ですね、これは…。
確かこの辺りに…ありました。これは…しっかり窪んでますね。情報によればここの中に本が沢山あるそうですが、発見者曰く持ち出せなかったらしいです。
「ここになら氷の精霊が書かれた本は乗ってるのでしょうか…」
窪んでいるレンガに偽装されている蓋を開ける。
中は梯子があり、おりた先に階段が見える。
降りてみましょう。
降りた時に蓋は閉めてきましたが、中は、薄暗いだけで真っ暗にならないようになっていた。
階段を3階分ほど降りた所で階段が終わり、本棚が並び始めた。
…この紋章、フローネスにありましたね。
もらった本を開きましょうか。
ありましたね。詠唱は…「氷を統べる精霊よ、永久の氷へ働きかける力を、ここへ与えよ」
紋章に青色の光が灯り、その光が周りへ伝わっていく。
突然氷が僕の周りを囲み、移動し始める。
…何でしょうか、ベルトコンベアに乗せられた荷物のような気分です。
暫く移動すると氷が無くなり、今来た道を塞がれる。
ここはどこでしょうか、神殿の中心で何かが置かれていたような空間を感じさせます…いいえ、今も何かあるようですね。
ただ、ここにいる何かが、僕をみていますね…数は数百を超えてます。けど、誰一人としてそこにいるように感じていますが誰もいません…これが精霊なのでしょうか…でも動きませんね…何でしょう、見ているだけなのでしょうか?
中心の台座の上には極小の氷…何かしら強い力を感じると言いますか、他の氷との違和感を感じると言いますか…触って大丈夫なのでしょうか?
触ってしまいましょう。
触った瞬間、氷が溶けるような感覚が生まれ、そのまま溶けきってしまった。
でも、周りの見られている感覚は何も変わらない…何故でしょうか?
台座にも紋章が違う紋章と魔法陣が書かれているようですが本に書かれていたもの全てとは違うようです。簡単にですけどメモをしておきましょう。
魔法陣の概念は…外から結晶、温度、結晶、融解、熱でしょうか?残りの3つはわかりませんが、中央にある紋章も分かりませんね…複雑になっていて理解は出来ませんが、この魔法陣があれば発動は出来るはずです。起動しましょう。
…魔法陣に指を当て、体の中にある何かを入れていく。
僕の中にあるその何か…魔力をある程度入れた所で淡い青色をした光が灯り、鎖の様な物が紋章から解けていくのが分かった。
僕の見られていると言う感覚が段々抜けてくる。魔法陣に込めた魔力が抜けていき、輝きが失われるとともに削って魔法陣の書かれていた台座が溶ける様に削れ、丸い球の様な物が台座のあった場所で、転がった。
そこで僕は魔力が無くなるような感覚と共に気を失った。




