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赤ずきんちゃんとおおかみさん   作者: 美少女護り隊メリア
3/5

3日目ーリンゴー

今回はいつもより長くなっております。今回は赤ずきんちゃんとおおかみさんの友情が暖かな気持ちにさせてくれるお話だと思いますので、心温まっていってください!

────森が騒ぐ。赤ずきんちゃんはおばあちゃんから何回もその話を聞かされた。森はね。生きているの。そして、森に暮らす全てを見守って下さっているのよ。そして、森に何らかの脅威が迫ったり、あるいは森に暮らす誰かが死んでしまうとき。森は騒ぎだすんだよ────



その日赤ずきんちゃんはいつもより早く目覚めた。(なんだろう…この感じ…森が…いつもと違う感じがする…)「あら、今日は早いわね。」お母さんも起きてきました。「お母さん!今日ね!なんか…森がね。おかしい気がする…」赤ずきんちゃんはお母さんに相談しました。「……あなたも感じたのね。」「…え?」「おばあちゃんがいつも言っていたでしょう。森が騒ぐって。今日は森が騒ぎ出してる。お母さんと一緒におばあちゃんのお家いきましょ。」「…うん」



「…」森が騒いでいる。おおかみもまた、森が騒いでいることに気付いていました。「そろそろ雨が降るな…ちっ、こんな日に雨かよ。憂鬱だな。……アイツ…大丈夫かな…」おおかみは赤ずきんちゃんを心配していました。「行ってみるか」

おおかみは赤ずきんちゃんの家に行ってみることにしました。赤ずきんちゃんの家に着いたおおかみは赤ずきんちゃんの家を覗きました、が赤ずきんちゃんもお母さんもいませんでした。「ばーさんの家か。」次は赤ずきんちゃんのおばあちゃんの家に向かいます。

「着いたか。」おおかみが赤ずきんちゃんのおばあちゃんの家を覗くと、おおかみは目を見開きました────



赤ずきんちゃんとお母さんはおばあちゃんの家に向かいます。「お母さん…おばあちゃん大丈夫かな…?」赤ずきんちゃんは朝から嫌な予感がしてなりませんでした。「安心しなさい。おばあちゃんは森にとびきり詳しいもの。きっと大丈夫よ。」「そう…だよね。大丈夫だよね。」そうこうしいる内に赤ずきんちゃんとお母さんはおばあちゃんの家に着きました。コンコン。「おばあちゃーん。入りますよー」おばあちゃんの返事はありません。「おばあちゃーん?」………「え?」「おばあちゃん!!」



おおかみは赤ずきんちゃんのおばあちゃんの家を覗いて目を見開きました。赤ずきんちゃんのおばあちゃんと言えば森に住んでいる者の中でも森に詳しい人でした。「………」おばあちゃんはベッドで横たわったまま動きません。「おばあちゃーーん!!!死んじゃやだーー!!!!!」おばあちゃんのすぐ隣で赤ずきんちゃんが泣き叫んでいました。それをすぐ横でお母さんがなだめていました。「…あのばーさんが…死んだのか」おおかみはおばあちゃんと関わったことはありませんが、森の者なら誰でも知っている人だったので虚しくなりました。今日の森は雨が降り注いでいます。まるで、森の悲しみを具現したかのように「…」「おばあちゃぁぁん…!!」「…!」おおかみは急に走り去っていきました。



コンコン。「あら?誰かしら?」おばあちゃんの家にいたお母さんと赤ずきんちゃん。おばあちゃんの家の扉に誰かがノックしました。お母さんが扉を開け「はーい」と応えましたが、そこには誰もいませんでした。「あら?誰もいな…ん?」扉の先には誰もいませんでしたが、1つ、1つのリンゴが置かれていました。「リンゴ…?一体誰が…」「おかぁさん…どうしたの……」「あ、あのね。誰か来たかと思ったら誰もいなくてね。このリンゴが置いてあったのよ。」「リンゴ…?………お母さん…そのリンゴ食べても大丈夫かな…?」「多分大丈夫だと思うわ。待っててね。今皮を剥いてあげる。」「うん」誰かが置いていった1つリンゴ。赤ずきんちゃんにはそのリンゴから優しい想いがこもっているように思いました。「シャクッ………美味しい…」少しだけ、雨が弱くなった気がしました。



翌日

赤ずきんちゃんはおおかみに会いにいきました。「おおかみさーん!」赤ずきんちゃんが大声で呼ぶと「おう来たか」おおかみが出てきました。おおかみは少しぐったりしていました。赤ずきんちゃんはおおかみの隣に座り「おおかみさん。なんか疲れてるね。何かあったの?」「少し木登りしただけさ。きにすんな。」おおかみは応えました。「ふーん…」………しばらく沈黙の時間か続きました。「あの…ね。おおかみさん。」「なんだ。」「昨日ね。おばあちゃんが死んじゃったの。私すごい泣いちゃった。」「…」「それでね。コンコンって扉にノックする音が聞こえてね。お母さんが扉を開けたらね。誰もいなかったの」「…なんだそりゃ」「ほんとになんなんだろーねー。でもね。そこにはリンゴが置いてあったの。それもとびきり大きいやつ!」「…」「……私がおおかみさんに初めて出会ったときにあげたリンゴ。あれと同じリンゴだったんだよ。」「…そんなん…忘れちまった。」「ふふっ。……おおかみさん。」「なんだ」「リンゴ!一緒に食べよ!」「…ふん」

赤ずきんちゃんとおおかみさん。普通は友達になんかなれません。しかし、ここの1人と1匹は違いました。今日の森には柔らかな陽の明かりが降り注いでいました。

赤ずきんちゃんとおおかみさんの普通では考えられない友情。しかし、強い気持ちというのはいつも悲劇を呼び込んでしまいます。次回あたりでこのお話は終幕となりそうです。次回も長くなるとは思いますがお読みいただけると嬉しいです。

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