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禁戒の首輪〜Forbidden Choker〜  作者: 明鷺 けいすけ
小さき村の少年少女
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13/15

第13話 昏き絶望でかすかに光る

  気が付くと、僕はそこに立っていた。

  黒一色の空間を見たときはまだ寝ているのかと思ったが、下を見れば自分の身体(からだ)を視認できるため目は開いているのだろう。


  ならばここはどこなんだろう?どんな経緯でここにたどり着いたんだろう?

  今に至るまでを必死に思い出そうとする。が、直前の記憶への接続が上手くできない。何度試しても、その度に(もや)がかったようなもどかしい感覚になる。


  確か、バライスおじさんの頼みで、メイとレンの3人で山の(ふもと)まで鉱石を取りに行ったんだ。それの帰り道に……。

  やはり無理だ。続きがあるはずなのに、思い出せない。


  そうして僕が考えていると、唐突に後方から光が漏れ出す。


  身体ごと顔を後ろに向けると、とても(まばゆ)い光に目を閉じてしまった。しかしそんな抵抗も関係ないかのように輝き続ける光。わずかに目を開け、光源を見てみると……。

  かすかに見えたのは人の影。ちょうど光が弱まったのか、その人影が鮮明に見えるようになる。そこにいるのは────。


『メイ!』

  メイが、立っていた。いつもと変わらないその姿で、ただ目を(つむ)ったまま。

  彼女ならなにか分かるかも知れない。そう思って駆け寄ろうとした。


  しかし、その瞬間。いや、メイが目を開けた瞬間か。


  今まで輝いていた光が、瞬く間に全てを飲み込む闇へと変わった。


  突然動く気を無くした僕の身体は、ただ目を見開いた状態のまま固まってしまった。

  僕が動かないのを確認したのか、単に時間が来てしまっただけなのか、メイはゆっくりと(きびす)を返して闇の奥へと進む。


  やがてメイの身体が光り始め、小さな光の粒へと変わっていく。


  待ってくれ、と叫ぼうとした口はわずかに歪むことしかせず、追いかけようとした足はピクリとも動かない。


  霧散したメイだったモノは、その世界に広がった。 全体を照らすには足りなさすぎるほどわずかな光に、唯一、腕だけを前に出すことが出来た。


  ここで取り戻さないと、また大切なものをを失ってしまう。


  また……?


  あぁ、そうか。


  (オレ)はすでに一度、大切な物を失くしていた。


  前はその腕に剣を握っていたか。

  何も持たないその手に、光粒がたった1つ、迷い込んでくる。

  ゆっくり握りながら、そっと願う。


  この光だけでも、守られればいいな────。

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