第11話 積み重ねた記憶
大変長らくお待たせ致しました。もう二度とこのように3ヶ月以上放置されるようなことは起こしませんので、今後ともよろしくお願いします。
目を疑う。夢だと思う。頬をつねって確かめようなどと悠長なことを考えるが、右腕の治りかけた傷が強風にさらされるひりひりとした痛みで、我に帰る。
急に吹き出した強風、男女の区別のつかぬ甲高い奇妙な声。黒いローブを着、フードを深く被っている姿。そして、僕らがさっき戦ったガイコツを生み出した者。
それの元がこの魔術師ということか?
聞きたいことは山ほどある。なぜ帝国の魔術師がここにいるのか。なぜこの村を襲ったのか。
なぜ────。
「なぜそんな高いところにいるのかしら? 戦う気があるなら降りて来なさい!」
頭のなかを巡る数々の疑問と吹き荒れる風を切り裂く声で、メイがそう言った。
すると魔術師は、一度笑ったように口を歪めてから言う。
「フン、腹立たしい娘ですねぇ......。殺すに違いありませんが、貴様らは一方的に蹂躙されるのみです!」
魔術師が右手に持つ杖を掲げる。サー姉が持っている物とは比べようのないほど禍々しい杖だ。
杖の先端に薄い緑色の玉が生成されている。その玉は半透明で、中には無数の斬撃の軌跡が動きまわっている。
その玉は攻撃魔術だと直感で悟った。
あの魔術で、殺されるのか?
そう考えると、なぜか下を向いてしまう。
「あの魔術から目を反らさないで」
隣からの声を聞き、目を向ける。
「よく見て動けば、きっと避けられるわ」
その言葉で、少し顔を上げる。
魔術師はまだ風の玉を作っている途中だ。
やるしかない。村に来る前に決めたじゃないか。みんなの居場所を、この村を守るって。
「......わかった。やってやるさ!」
確かな気合いと共に魔術師を睨み付ける。
魔術師も準備が整ったようで、さっきより強い気配を感じた。
「せめてイイ断末魔を上げて下さいねぇ!」
声を張り、掲げた杖の先端を僕らに向けるようにして振り下げた。
杖を元に出される斬撃の束。
それが一直線に飛んできたことを確認するより早く、後ろに大きく跳び退いた。
......避けた!と、思う前に下から強い風と鋭い斬撃が身体を襲う。
そう、下からであった。着地体勢が取れなかった僕は背中から倒れ込む。
確かに、自分へ向かって飛んでくる斬撃を避けた。しかし、地面に当たって広がった風の斬撃を避けることは出来なかったのだ。
両足に不快な感覚を覚え、手を背中の横につきながら何とか身体を起こす。
目に写ったのは、切り裂かれたズボンと切り口から滲む血。
足に力が入らなかった。似たような傷は過去に負ったことがある。今より幼い頃、山で石に足を取られ転んだ時だ。
あの時でさえ、すぐに立ち上がれた。なのになぜ、今は立てない?
僕の少し前には同じように倒れているメイがいる。
メイだって足に傷を負っていた。しかし彼女は、気にもしてない様子で立ち上がった。
右手だけで持った剣の先を空中の魔術師に向け、左手は腰の後ろで強く握っている。
背を向けていて顔は見えないが、多分、鋭く睨んでいるのだろう。
「チッ......。直撃はまぬがれましたか。しかし、次もそうはいきますかねぇ!?」
魔術師はそう言い放ち、再び杖をふり上げる。
足はまだ動く気配がない。少しでも移動しようと、腕で身体を後退させるよう動かすが、やがてその腕をも崩れ落ちてしまう。
動いてくれ────。
「次は絶対に避けられるわ」
必死に念じている僕の神経が、その言葉によって断ち切られた。
「ハッ、何を言っているのでしょう? あなたはボロボロ、後ろの彼に至っては、もはや立つことすら出来ない!」
その通りだ。どれだけ力を入れようとしても、動かない。
なのに、
「そんなはずないわ。私は、カルムを信じてる」
そう言って、首を少しだけ後ろへ、僕の方を見るようにして曲げた。
その時に垣間見られた口元は、微かに笑っているように見えた。
次の瞬間、強く握られていたメイの左手が、赤く光り出した。
「......なんです? その様な魔力を、一体どこから出していると言うのですか!?」
驚き、焦った様子で三度杖を振り上げた魔術師。
先端がさっきと同じような緑の光に包まれる。それをさらに振りかぶり、魔法を......。
「────はッ!!」
放つ直前に、メイが手の赤い光を投げつけた。その光は、真っ直ぐ魔術師の元へ飛んでいき......。
大きな音を立てて爆発した。
上空に浮かび上がる黒い煙から、ゆらゆらと人影が落ちていく。
メイが何をしたのか、見当もつかなかった。彼女は振り返り、こちらへ歩いてくる。
手のひらを僕に向け、再び回復をしてくれる。先ほどの光景が未だに嘘のようにしか思えない、という気から、たまらず聞いた。
「今のは......何をしたの?」
「大したことじゃないわ。ただ、家にあった火炎石を勝手に持ち出しただけよ」
あの爆発は火炎石によるものなのか?そう聞こうとしたが、メイの次の言葉によって遮られる。
「今はあの爆発について説明する時間なんてない。今、大事なのはあなたを立ち上がらせること」
「......っ」
そうだ。今の僕はただの足手まとい。でも、そんな自分の意に反して身体は動かない。
「あなたはなぜ立てないの?」
「......わからない。なんで動けないのか、わからないんだ」
本当のことを言った。彼女は失望するだろうか。
しかし、メイはそんな負の感情など一切ないような声で告げる。
「そんなの、簡単なことよ。少し、ほんの少しだけ、恐れてしまっただけ。でもそれぐらい、あなたの固めた決意の前では大したことないわ」
「僕の......決意......」
「えぇ。この村を守る。みんなの拠り所、築いてきた記憶の地。そんな大切な場所を守ること」
「みんなの......バライスおじさんやサー姉、ユーリスおじさん、それから......」
「僕たちの、大切な場所」
2人の声が重なる。もう迷う必要はない。
「やっぱり、わかっているじゃない。なら、もう大丈夫よ。
あなたはきっと、立ち上がれる」
そう言い、メイは手をさし伸ばす。
みんなの場所、そしてなにより、自分が生きてきた村。どれを取っても簡単に捨てられるものは1つとてない。
覚悟を決めるなら今だ。
僕は腕を伸ばし、メイの手をしっかりと握った。
「うわっ!」
「......!」
その時だった。いつかの日に感じた衝撃が、再び手に走った。
僕がメイと初めて会ったあの大樹の下で、彼女の手を引こうとした時に走った衝撃と同じだ。今でもあの感覚は覚えている。
でも、それは明らかにあの時よりも大きくなっていた。
大きく、強く、暖かく────?
握られた手は、前のようにすぐに離れず、メイに引っ張られて立ち上がっていた。
「今のって......」
たまらず聞いた。しかしメイは目を見開いて固まっていた。
「......メイ?」
肩に手をかけて声をかけると、メイは、はっ、という吐息と共に我に帰った。
頭を横に振って正気に戻したらしいメイは、依然、疑問を抱えているような顔をしていた。
「......大丈夫よ。そんなことより────」
メイが何かを言おうとした時、不意に後ろから物音が聞こえた。
「よくも......よくもよくもよくもよくも! やってくれたなガキめぇ!」
振り向くと、そこには杖を支えにして立ち上がり、奇声を発する魔術師。
しかしその姿に、さっきまでの余裕な態度は見られない。
「意外と早い復帰ね。倒すまでいかないことは分かっていたわ。でも、あなたのような三流の魔術師程度の魔防なら、起き上がるのはまだ先だと思っていたのだけれど」
「「なっ......!?」」
メイのその言葉に、魔術師だけでなく、僕までもが驚いてしまった。
「そうでしょう? 本当に私たちを殺そうとしていたのならば、風の斬撃に毒を混ぜることだって出来たはずよ。なのにあなたはしなかった。いえ、出来なかったのよね?」
魔術師は、僕らの位置からでも見えるくらいに震えている。
怒りで激昂しているのか。
それとも本当に────?
「なんで、そう思ったんだい?」
正直、分からなかった。一度は追い詰められたその魔術師は、到底、弱いと評価できるものではなかった。
「そんなの簡単よ。だって」
「許さぬ......許さぬぞッ!」
メイの言葉を遮り、黙り切っていた魔術師が、唐突に声を発した。
と、同時に再度杖から、斬撃の魔法を放つ!
......まずい。このままでは直撃する。
「下がって、カルム!」
そう言われるより早く、身体が後ろに引っ張られた。
危うく体勢を崩しそうになるも、2、3歩、足を動かしてバランスを取る。
まさか、身を呈してかばう気か!?
そう思ったのも束の間、メイは、今までに聞いたことがない言葉を叫んでいた。
「魔法障壁・水!」
いや、違う。
その発音は確かに、前に家でみた魔法の教本を読んだ時と同じものだった。
障壁を作る魔法の呪文────。
その言葉に反応したかのように、突き伸ばされた彼女の左手から円形に、魔法の障壁が作り上げられる。
斬撃の魔法はその障壁にぶつかり、完全に消滅した。
「そんな......私の魔法が......」
「わかったかしら? あなたの魔法は、私程度で止められてしまうものなのよ」
......すごい。魔術師を相手に、ここまで対等に魔法を打ち合えるなんて。
僕は、また見ているだけになりかけていた。さっき戦うと決めたばかりだ。自分から動かないと......!
「メイ......。僕に指示をしてくれ。あいつにやられっぱなしなんて嫌だ!」
するとメイは、やはり微笑んで、
「えぇ、わかった。そう言うと思っていたわ」
と言った。
「私の合図に合わせてあいつの元に走り出して。タイミングは次の攻撃の時よ」
「わかったよ。でも、君は......」
「私は途中で、あなたが攻撃を避けられる力を与えるわ。不安かもしれないけれど、私を、そして何よりも、自分を信じて」
僕はうなずく。もちろん、僕がメイを疑うなんてことはない。
「いい気になるな......ガキ風情が! お前たちなんか......お前たちなんか!!」
魔術師は上擦った声で叫ぶ。
メイはこれを、次の攻撃の予兆と感じ取り、右手に持っていた剣を木の鞘にしまった。
「今から私は完全に守りに徹する。だから、攻撃は任せたわね」
相手の攻撃を受けきるのは、メイにしか出来ない役目だ。ならば僕の役目は、その守りによって塞がれているうちに間合いを詰めることだ。
「あぁ。やってやるさ!」
「消えろ......消えろ消えろ消えろッ!」
魔術師の杖からは、今までよりも強い魔力を感じた。僕でさえ魔力の濃度がわかるほど、その場の空気は張り詰めていた。
────なぜだろう。魔術師はこんなにも怒り狂っていて、おそらく次に放たれる魔法は今までの魔法の威力よりはるかに強いはずだ。
それなのに、自分でも驚くほど落ち着いている。
心臓の鼓動はいつしかいつも通りになっていて、怖いと思う気持ちも消えた。
そして、今まで使える気がしなかった身体中の魔力も、今なら使える気もした。
もしかしたらメイが、優しく声をかけてくれたから。希望を見い出してくれたから。ここまで平静を取り戻せているのかもしれない。
ならば。心を正し、息を整え、剣を構え直して、そっと案じる。
『やれ、自分。ここがお前の正念場だ』
ふと頭によぎったその言葉は、過去に聞いた気がした。物語で読んだものかもしれないが、今はどうでもいい。
前を見る。メイの背中越しに見える、殺気立った魔術師の姿を目に写す。
あいつを、斬る。
それだけでよかった。この村にしたことの報いを、奴に。
「消ええぇぇぇええい!」
奇声をあげて魔法を放った魔術師。風の斬撃より先に、突風が走る。
「魔法障壁・水!」
その風すべてを阻むようにして作られた障壁は、やがて斬撃と衝突する。
「今よ! カルム!!」
その言葉を聞くより早く、足は地面を蹴っていた。
障壁の横を抜け、強風に押し返されないように一歩一歩を着実に、しかし素早く踏み込んでいく。
「ひっ......!?」
横からの反撃が想定外だったらしい魔術師は、少し遅れて僕を認識した。
杖先をこちらに向けようとしている。当然、狙いは僕だ。
魔術師を正面にとらえ、全速力で近づく。やがて、魔法が放出される。
メイを、そして自分を、信じる。
あの攻撃を、避ける!
そう念じた時、メイの声が届く。
「小鳥の羽!」
その言葉をかけられた瞬間、身体が軽くなる。
飛んでくる無数の斬撃が、全て見えている感覚だった。
軽くなった身体で道を左右に飛び交いながら魔法を避ける。
この魔法は、完全に見切った。
魔術師が攻撃をあてる事ができないのを察して、魔法を中断した時には、もう遅い。
すでに接近しきっていた。
「......はッ!」
下段に構えた剣を思い切り振り上げる。
「ひいいっ!」
慌ただしく後ろへと逃げようとする魔術師。しかし、狙いは......!
ガキン、と鋭い音が響く。僕の剣が魔術師の杖を切り上げた音だ。
すぐさま連撃を加える構えに入る。
2擊目の振り下ろし。わずかに掠った音と手応えを感じた。魔術師は甲高い声を上げながら体勢を崩す。
3擊目の刺突。倒れかけている相手を仕留めるには十分な攻撃だった。
しかし魔術師はあろうことかそのまま地面に飛び込むかのようにして、回避をした。そのまま先程弾き飛ばした杖を拾い上げる。
刺突から連撃は繋がらない。
もう一度、剣を構え直すが、魔術師はその間に再び上空へと逃げてしまう。
「フン! しょせんはただの子ども。貴様は私の足元にも及ばぬのだ!」
「......くっ」
攻撃を受けているにも関わらず、挑発をかけてくる。
その挑発には睨みで返す。
打つ手は他にもあるはずだ。まだ諦めていない。
そうして魔術師との対峙を続けていると、後ろから大声が響く。
「カルム! 左手を!」
その声が聞こえ、言葉を理解するより早く左手が前に伸ばされる。
メイはその僕の手を、右手で、指の1本1本をしっかりと捕まえるように握った。そして背中会わせみたいな状態になる。
「火炎魔法の呪文、覚えているかしら?」
覚えている。その呪文が載っている魔法書を読んだのは結構前だったが、今、確かに頭の中に浮かんだ。
僕は首を縦に振る。それを見たメイは、今一度、魔術師を強く見上げる。
再び僕も、魔術師を睨む。
メイはそれ以上、口を開かなかった。それは多分、僕がメイの意図を完全に汲み取ったから。
「本当に腹の立つ......私の前から消え伏せなさい!!」
魔術師が、もう何度目かわからない激昂の言葉と共に、魔法を放とうとする。
......ここだ。
何かに対して、このタイミングだということを察した。
それは......。
「カルム! 今よ!」 「あぁ! わかってる!」
「「燃え盛る炎」」
反撃の炎の合図。
魔術師の放った風の斬撃と、僕とメイの光輝く炎が衝突する。
手先からは炎が出続けている。ここで気を抜けば、押し返される。
そう思い、横目でメイの方向を見る。メイもこちらの視線に気付く。
そして、意思が通じ会って、うなずく。
今の僕らの間には、普通ではない程に意志疎通が上手くいっていた。でも今は、この謎の力に頼る。僕たちの息が合わさらなければ、この状況は覆せない。
「「はあああぁぁぁぁっ!!」」
2人で同時に込める魔力を強め、放たれる風をも取り込んで────。
「ひぃぃぃぃぃぁぁぁあああ!!!」
魔術師を、飲み込んだ。
炎はやがて勢いを失っていき、後に残ったのは煤まみれの魔術師の姿。
その黒い影は、ゆらゆらと落下していく。
その様子をぼんやりと眺めていた。
魔法を放つ時の、血が全身を巡って左手に集うあの感覚は初めて味わう感覚だった。
でも、それでも僕が魔法を使って、倒したんだ。
魔力の使いすぎか、今まで戦い続けた疲れか、急に脱力してしまう。
その僕の身体をメイが支えてくれる。いつの間にか繋いでいた手は離れていたようだ。
「大丈夫? カルム?」
肩を借り、倒れそうになる身体をなんとか持ちこたえる。
「あぁ。大丈夫だよ......。それに僕には、まだやることがある」
そう言ってから、再び両足で立ち、1歩づつ前へと進んでいく。
あれほどの炎を浴びせても、多分魔術師はまだ生きている。ならばまだこの戦いは終わっていない。
トドメを、刺さなければ。
そうして近づいていっても、魔術師は動かない。それでも。
剣を振り上げる。
作られたガイコツを倒すためではなく、人を殺すために。
しかし、剣を振ることが出来ない。当たり前だ。人を殺すことに躊躇がないはずがない。
でも、こいつは僕らの村を壊し、あげく僕たちを殺そうとした。ならば、こいつにも殺される覚悟はあるはずだ。
そうして息をつぎ、今一度剣を握り直して、構える。
そして────。
「やぁぁぁぁぁぁっ!」
「......! 待って、カルム!!」
僕の剣は、空を切った。
その代わりに、地面に引き寄せられるような感覚に見回れる。
なんだ、これは......!?
「ハーッハッハッ! やはり私が負けるはずなど無かった! こうして逆転してしまうのですから!!」
魔術師はいつの間に、僕の後方にいた。強い重力に抗いながらも後ろを向くと......。
「く......っ」
魔術師の腕によって首を絞められているメイの姿があった。
「メイ......ッ!」
「無様だ! 本っ当に無様だ! 笑いが止まりませんなぁ!?」
「お前......!」
そんな中で。
「氷の鎖!」
「なにっ!?」
メイが、自分を捕らえる腕を氷づけにした。まさか、このまま......!
そんな......そんなことには......!
全力で後ろに振り返り、1歩踏み出す。
「うっ、もう魔法の効力が持たない! えぇい仕方ない!」
魔術師はそう言い、僕の正面に魔方陣を描いた。そこから喚されたのは、さっき戦ったガイコツ。
しかし、今は、そんなものの相手をしているわけにはいかない。
「ど......けっ!」
懸命に叫ぶも、身体はその意思と裏腹に言うことを聞かず、膝をついて倒れこんでしまう。
「あなただけは............あなただけは、必ず生きてっ!」
その声が耳に届いたときには、もう目を開けている力さえ無かった。
意識が遠のく。
そうして、甲高い何かの音が響いた後に残ったのは、開いた口からわずかに漏れる吐息と、ガイコツが近づいてくる足音。
本能が死ぬことをよしとしないのか、無い力を振り絞り、最期の抵抗にと剣を持った右手をゆっくりと、刀身は横のまま持ち上げる。
しかしその時に、意識は完全に途絶えた。
消え行く意識の中、聞こえた音は、金属が弾かれる音と、何かを切り裂く音だった。




