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見習い魔女の受難  作者: あろん*
小さな魔女の誕生
2/12

開き直った決意

ちょっと短めです

「落ち着きなさい、まだあなたに話すことがいくつか残ってるわ。それも説明させてそれから本当にギリギリまで待つのか選んで頂戴、確かに待った方が安全性は高いわ、けれど待つ事が必ず正解でも無いの。それとあなたがどんなギフトを選びたくて、そしてそれがなかった時はどうするのかそれも聞かせて頂戴?」


 そうだった、母に言われるまですっかり忘れてたけれどギフトはその人の適応力で選択できる種類が変わる。

 例えば、村で生まれ育って小さい頃から狩りの手伝いをしていたりすれば適応には狩人。

 狩りに弓を用いていると、弓士という冒険者には不人気の適応がついたりする。

 農業をしていれば農夫、酪農をしていれば酪農家。

 稀に羊飼いが適応につく。

 つまり、普段よくしていると適応が上がり選択できる職が増える。


 私は狩人と骨工師、革工師とあたりはつきそうである。

 ニークと良く狩りに一緒に出ては、獲った獲物を処理して捨てるところが出ないように加工していた。

 今首からぶら下がっている牙の首飾りや自信の一品だし、私が罠をかけ弱らせた手柄として1割ほどもらった大熊の毛皮も膝より少し短い腰巻になっている。



 私の狙っている職の、ポーターや治療師はかなり特殊な職で才能で与えられる、そしてその職に就ける人の数はけして多くは無い。

 ポーターなんかは山奥から麓まで毎日荷物を運んでいると適応が上がると言われているが、そんな事を出来る幼子なんて無茶があり実際の詳細は良くわかっていない。

 血統や種族などで適応されるギフトも多々あり、魔力に優れた種族では治癒師や魔導師の適応力がやはり高いそうだ。



 街からたまに訪れる旅人さんに甘い果物を貢いで知りえた情報はこのくらいで、ギフトに関して詳しいことなんて私はほとんど知らなかった。

 村の大人はなぜか誰も教えてくれないのだ、何となく普段からしている仕事で想像はつくけれど詳しくは教えてもらえない。

 色んな事を経験してみるのが良いんだぞ、なんて口をそろえてみんながそう言うのだ。

 ついこの間狩人になったニークだってあんなに仲が良いのに狩人になったって言うことくらいしか教えてくれなかった。


「私は職を選べる立場にはないしそんなに珍しい適正があるとは思えないから、生きていけるだけの職がもらえたらそれでいい。ポーターや治癒師になれればそれが一番だと思うけれどもそんなの高望みでしかないってわかってる。最低限すぐに旅に出られる剣士なんかの戦闘職があればいいと思ってるわ。それもなければ、確実にありそうな狩人かな?しばらくはその日の糧を狩りして野宿でも何でもして生きていくわ。あと私が得られそうな職は骨と革の細工師がありそうだけれど職人はまず見習いにならないといけないし村から逃げる私には難しいと思う。」


 私の希望と現実の話を母は時折相槌を打ちながらも聞いてくれた。


 そしてステラがギフトを得る前に説明したいと言ってたそれを聴いて私はすぐに得るのか、ギリギリまで待つのかものすごく悩む事になった。










『ギフトは授かってすぐには役に立たない。』



 ステラから説明されて私がものすごく悩む理由となった原因だ。

 そういえばニークも狩人のギフトを授かったはずが特に変わった所はなかった。

 母の説明によるとギフトは授かってその職に適した行動を取ることで研鑽されていく、たとえば狩人ならば獲物を狩り罠を張り狡猾に円滑に追い詰めるほど得られる経験が増えていき、そうして得た経験を己の中に貯めて新たな道具や技術や知識を与えてくれるということだった。


 3ヶ月でどの程度経験が貯まるかもわからないがまるっきりゼロよりは旅に役に立つはずだ、どうせリスクを負うならばこの際たった3カ月前倒しぶん増えたってなんて事はないはずだ、そう思い込むくらいじゃないと踏み切れない。

 自分のベットにゴロゴロしながら夜更けまで考えて、結局私は開き直って神託紙をすぐに使うを決意し朝になったら母にその事を話すと決めて眠りについた。








4/14 改訂

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