20.お約束だよ
異世界に来てから初めてのベッドで寝たため、昼ごろまで寝ていた。メイドさんに起こされた。
その後豪華な食事を食べ、そしてなんとか大臣とやらに白金貨100枚もらった。なんでお前なんかにと、心の声がだだ漏れだった。口に出すなよ。
最後にもう一度国王に会いお礼を言われた。念願の身分証ももらった。街の他にこの城の出入りもできるようだ。暫くは王都にいるので家を買ったらまた来ると伝えた。
所見を終えて城の門の前に来たところ、セリーナがいた。
「カミスさん、この度は本当にありがとうございました」
「もうお礼でお腹いっぱいだ」
「一つだけ質問いいですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます。私のことはお嫌いですか?」
「別に嫌いじゃないぜ」
「ならなぜ、結婚を断ったのですか?」
質問一つじゃなかったっけ?
「セリーナは俺と結婚したかったのか?」
「そういう訳では・・・」
何が言いたいのかさっぱり分からん。
「しかしカミスさんが望めば私は断りません」
「正直もったいないとは思うよ。国の役職なんて面倒だからいらないが、セリーナは俺が今まで女で断トツで綺麗だ」
「ならなぜ?」
「あのときも言ったが、そこにセリーナの意思がないからだ。どうせ王族や貴族の女には結婚相手も自分で選べないのだろう?」
「はい。だからこそ知らない国に嫁ぐよりカミスさんとならと」
駄目だこりゃ。
「本当に断っといて良かったよ。まだマシとか思われて結婚していたなんて後で知ったら、悩んでハゲるとこだったよ。質問終わりね。もう会わないと思うけどお幸せにね〜」
「カミスさん待って・・・」
待ちませんよ。さようなら〜。
危うく若ハゲになるとこだったよ。
あぶないあぶない。
気をとり直して王都散策。
貴族街は参考にならないから、市民街をお散歩。
まずは宿を探そう。夜になって満室ですとか洒落にならないからね。
暫く歩くと一軒の宿屋があった。
中に入り今晩空いているか聞いたら、泊まれるとのことで5日間お願いした。そこで問題発生。
一泊大銅貨5枚とのことで、手持ちの白金貨を一枚出したら怒られた。
「そんな大金お釣りがあるわけないだろ」
「手持ちがこれしかないので」
「ここは貴族様の泊まるとこではないで帰ってくれ」
ここは大人しく帰るか。いったいどれくらいの価値なんだよ。なんとか大臣め国王にチクってやる。
暫く歩くと出店がありパンが銅貨2枚で売っていた。肉の串焼きが銅貨5枚だ。だいたい銅貨は100円くらいか。
その後適当なお店に入り白金貨が使えるか聞いたらダメだった。どこか使えるとこを聞いたら貴族街か商業ギルドならとのことで、戻るのも面倒なので商業ギルドに行った。
受付のお姉さんに両替を頼み、待っている間にお金については聞いた。きっとどこかのお坊ちゃんと思っているのだろう。
初めてのお使いだよ。異世界で。
お金は銅貨10枚で大銅貨、その後10毎に銀貨・大銀貨・金貨・大金貨そして白金貨とのこと。
銅貨を100円と仮定して白金貨で1億円。
俺が店員でも5000円ですと言って、はい1億円。
怒るわ。めっちゃ怒るわ。
そういえば毎年100億円っていいのか?
なんとか両替してもらい、代わりにギルドの会員になった。白金貨5枚預けて、そこから会費を払うことでまた両替もしてくれるとのこと。
会員証という名の身分証もくれた。こっちを使おう。
宿屋は悪いことしたのでさっきのとこに後で行こう。
出店でいろいろ買っては食べを繰り返しているとスラム街に来てしまった。お約束だよ。
はい。囲まれています。
「兄いちゃん、ケガしたくなかったら全部置いていきな」
あっさり倒して兄貴とか面倒だし、このままもきっと良くない。
「やめときな」
カッケー俺。
「野郎共」
お約束だよ。
その後斬ったり殴ったり回復して斬ったりを繰り返していたら、全員で泣きながら平伏している。
「か弱い市民をもう虐めない?」
「「「どこがだよ」」」
冗談なのに。
「お前ら全員明日から一カ月ゴミ拾いな。サボったら次はないぜ」
「「「はい。兄貴」」」
兄貴だよ。やっぱり。
聞いたら仲間が20人くらいいるとのことで1人月大銀貨3枚もあればいいだろう。せっかく両替したのに大銀貨60枚を先に渡す。
疲れたから宿屋に行こう。
宿屋の親父にまた来たのかと言われが、5日分を丁度で支払ったらニコニコしながら案内された。
現金な奴め。
寝よ。




