表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あるぇ⁈異世界に転生したの?  作者: ヘルニアチョッパー
15/36

15.洒落にならんって

カミスが転移して来た場所では目的のドラゴンと4人の男女が戦っている場面だった。


4人といっても既に1人は生きていない。姫と呼ばれた女とその横にすがる女、片腕を喪い立っているのがやっとの男と、ドラゴンと対峙しているボロボロの男がいた。



ドラゴンは目の前の男との戦闘をしているにもかかわらず、急に現れたカミスを睨んでいる。



約3年も追い続けたドラゴンを目にしたカミスは、うるさい婆さんの人前では魔法を使うなという言葉は既に頭の中にはなかった。


カミスは近くにいた片腕を喪った男の近付き回復魔法を使いながら声をかけた。


「あいつやっつけていいか?」

「えっ。あ、あ・・」


喪った腕が再生し体の傷が癒えた男は、いきなり現れた青年と自分の体に言葉が出ない。


「大丈夫か?まだどこか痛いか?」

「あ、いや・・・頼む。助けてくれ」

「分かった。後から横取りしたとか言うなよ」


カミスがドラゴンに向かうとドラゴンが逃げようと羽ばたいた。


対峙していた男は、ドラゴンの急変に何もできなかった。


ボロボロの男に近いて回復魔法を使い、先ほどの男と同じこと言った。


「あいつやっつけていいか?」


同じく体が癒えた男は何が起こってるのか理解できていなそうだった。


ドラゴンはカミスに背を向け逃げようとしている。


「あいつやっつけていいか?」


さらに同じこと言った。


「ああ、頼む」

「分かった」


カミスはドラゴンの目の前に転移し、最強の剣をアイテムボックスから取り出して鞘から抜き取った。


「もう逃げられないぜ」


ドラゴンは炎を吐いて攻撃を仕掛けてくる。

結界の魔法を使い攻撃を防ぐ。

カミスは剣を横薙ぎに振り抜く。


以前のドラゴン同様に頭と体が離れ崩れ落ちていく。


「意外と呆気ないな」


カミスは地面に降り立ち、自分でやっつけたドラゴンを見つめた。





親父やお袋、村のみんな・・・敵は取ったぜ。





急現れドラゴンをいとも簡単にやっつけたカミスに男の1人が話かけてきた。


「助かったよ。君はなにものなんだい?あんなに簡単にブラックドラゴンを仕留めたり、回復魔法だって無唱和で、今まで見たことも聞いたことない」


カミスは男の質問にどう答えればいいか悩む。


「ただの通りすがりです」

やばいこの後がかなり面倒くさそうだ。


「どこかの王宮に使える方では?」

王宮ってなんだよ。ここは話しをそらすか。


「なあ。あの姫とか言ってた女、助けるから見なかったことにしてくれないか?」

「助けるとはどうやってだ?既に姫様は生きておられない」

「生き返らすと言ったら」

「そんなことできる分けがない」


やはりそんな魔法は俺以外使えないんだ。

さらに面倒になりそうだ。


「まだ死んでないよ」

「そんな馬鹿な。確かに胸をドラゴンの爪に貫かれたはずだ」


死んでない作戦失敗。


「たぶん大丈夫?」

「それが本当ならこちらからお願いしたい」

「よし。絶対だかんな」


カミスは姫と呼んでいた女に近付き回復魔法を使う。


「ちょと退いてくれ」

「お前、姫様に何をする?」

「助けてやる」


女を退け姫と呼ばれた女を観察する。まずは外傷から治さないと生き返らしてもまた死ぬ。ただの拷問だね。


それにしてもボロボロだよ。

姫に戦闘なんてさせんなよ。


回復魔法でまずは外傷を何をしていく。

次に胸に空いた穴を治すため鎧を外し、服も剥ぎ取り治した。


さてと。魔力を全開にし、両手に魔力を集める。

魔力を放った瞬間に女が有り得ない行動をとった。


「姫様に何をする」

とか言いながら剣を振り上げた。


やばい。今動いたら失敗する。結界魔法も使えないしするとこいつは助からない。


仲間の男が慌てて叫ぶ。

「おい止めるんだ」




絶対遅いよ。洒落にならんって。


剣が肩に食い込む。

痛い。めっちゃ痛い。


「姫様にそんなことして死罪に値する」


マジかよ。死罪ってなんだよ。

先に言えよ。

おい。そこの男、約束したよね。



まあ。みんなの敵も取れたし別にいいか。



痛みで意識が飛ぶのを我慢しながら魔法を続けた。

体の力が抜けていく。どうやらうまくいったようだ。

意識も薄れていく。


「どうせ・・殺す・なら・・・意識・が・無い・・・うちに・・やって・・・・くれ」





カミスは、薄れいく意識の中で親父とお袋のこと考えていた。



あの世でなんて言われるかな。






もうすぐ会えるよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ