11.さて、南に行きますか
突進して来たドラゴンと向かい合い、どう倒すか考える。
「ゴォォォォ」
カミスがいた場所は炭と化した。
カミスはさらにドラゴンから離れた場所は移動した。
ドラゴンがカミスに突進して来た。
魔力を左手に纏わせると、こちらからドラゴンの目の前に移動した。
「もう一匹は何処へ逃げた?」
どうせ答えなど返ってこないと分かってる。
「ドゴン」
魔力を解放し目の前で大爆発が起こった。
ドラゴンには全く効いていないが目眩しにはなった。
瞬時に2回移動しドラゴンの顔の後ろに回り込んだ。
「うんとこしょ」
ドラゴンの首を横薙ぎに斬った。
ドラゴンの頭と体がバラバラに地面に落ちていく。
カミスは誰かいないか村を隈無く探して周った。
家だったらしき瓦礫の下もあるのは炭らしき物だけだった。
「なんでだよー」
淡い期待は叶わなかった。
カミスの家が有ったであろう場所に一晩中座り込んだ。どのくらい経ったのか辺りはうっすらと朝日で明るくなっていた。
カミスは漸く口を開いた。
「親父、お袋・・・・ごめんよ。俺が村にいたらみんな助けられたかもしれない。なのに俺は・・・」
「これから俺はどうすればいいの?ねぇ・・・教えてよ」
誰も答えてくれない。
「望まないと思うけど敵を取るよ。あいつを見つけ出してやる。悪ガキだったけど、何も恩返し出来なかったけど、俺それしか思い浮かばないんだ」
カミスは立ち上がると剣を拾い投げ捨てた鞘を探した。
鞘に剣を収めて倒したドラゴン近付き右手をかざすとドラゴンが消えた。ドラゴンの頭も同じように消す。これはカミスが使える魔法で、物とかを収納できる。魔法の名前は知らない。不思議と入れた物の時間は止まっているがカミスにはどうでも良かった。
もう一匹のドラゴンが逃げた南の空を見上げた。
「さて、南に行きますか」




