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センターライン  作者: 佐久間みほ
始まり(1年春)
4/20

スタートライン-3

私立丸川高校は郊外にあるため、敷地が恐ろしいほど広い。

校舎は勿論のこと、それ以外にも部活棟3つに体育館が3つ、グラウンドが3つに野球場が1つ、武道館と弓道場と室内プールが完備されている。


第1体育館は入学式や部活動紹介などが行われただだっ広い体育館で、主にバスケ部が使用しているらしい。

第2体育館は2階建てで1階にバレー部、2階にバトミントン部。それぞれフルコートが2面と4面ずつ取れるらしい。

第3体育館は体操部専用。機材とかあのちょっと跳ねる床とかあん馬とか吊り輪とかも全部設置されてるらしい。

部活をやってる人以外はまず入れない場所。


第1グラウンドは普段の体育などで使用されるほか、陸上部が主に使っている。

第2グラウンドはサッカー部専用、第3グラウンドはテニスコートが12面占めている。

野球場は公式として試合ができるほどの大きさで、8割野球部、2割ソフトボール部が使っているらしい。

武道館は地下1階の3階建て。地下に卓球場、1階に柔道場、2階に剣道場がある。

室内プールは50mのものが2つ。


そして驚いたのは、部活棟3棟全ての地下にトレーニングルームとシャワールームと洗濯室がついていること。

どこまで至れり尽くせりなのだろうか…。


それに、少し歩くけれど、学校が設置した寮もある。

私立、というだけあって、全国各地から部活をするためだけに集まってきた生徒が居るからだ。

勿論男女別寮。

といっても、食堂が真ん中にあって、左右に分かれており、敷地は同じ寮だ。


そう、校外の人たちには「スポーツ訓練校」なんていわれていたりするほど、スポーツで上を目指す人たちにとっては堪らない学校だ。

しかし、文武両道をモットーとする教育理念は勉学の道に対しても同じ位の環境を用意している。

部活をしているからといって、免れないのは成績基準だ。

クラスも科別とされているが、普通科と体育科は基準は同じ。

その上を行くのが特進科。

これは2年の時点で選択されるから1年の私にはまだ分からない。

それでも、日々の授業態度や提出物、テストの順位などが蓄積されるという。

どんなに部活で期待されていても、勉強が一定のラインを下回った時点で部活は強制的に休まされ、補講が組まれる。

そして、部活の時間に関しても厳しい。

19時には必ず終わらせること。それを超える場合は事前申請が必要になる。


私も実は寮生。

通えない距離ではないが、部活をやることを前提に考えると、片道1時間半は流石につらいし、帰りが遅くなることは分かっている。

自宅からの通学をするならば部活はあきらめる。それが嫌なら寮生活しなさい。

親が出した条件は寮生活をすることだけだったのだ。

不安はないといったら嘘になる。

それでも、これまで頑張ってきた勉強をおろそかにはできないし、なにより目的として入った部活をあきらめるなんて到底無理だ。

マネージャーになれるか分からないのに、先に寮生活をするというある種ギャンブルみたいな選択だけれど、後悔はない。


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