求む!真☆逆ハ―レム
GLと乙女ゲーム設定が好きです。もっと増えればいいのに、という想いをこめて書きました。ネタです。短いです。
前世、って知ってる?
そう大方の諸君ご存じのアレです。輪廻転生・リインカーネーション呼び名はどうでもいいけど、つまりアレ。いわゆる中二病患者御用達な感じのヤツのこと。
信じなくてもいいけどね、私の前世は喪女だったの。喪女がわからない?んーっと、年齢=彼氏いない歴の人の事で、三十路超えようが四十代になろうが独身で二次元に萌え萌えしちゃってる人のことね。つまり今のままだと私の未来図ですね。
で、話を戻すけど喪女だった私は死んだ時、かみさまに「モテたい!」って願ったの。もちろん男性によ?来世も人に生まれ変わるのなら、美女になってありとあらゆる男をたぶらかしてイケメンハーレムつくりたいなって。忘れずに「美女、美女で!」とも言っておいたわ。より正確にいうと「乙女ゲームみたいな世界で、美女!」って。
心優しいかみさまは私を憐れんでくれたのか、「いいだろう」って了承してくれた。
そしたら・・・その、こんな結果になったってワケ。どうだろう、私ってかわいそうだと思わない?
「・・・良かったじゃない。願いが叶って。」
「叶ってないよ!むしろ検討はずれの方向いってるよ!」
ちゅーっと紙パックのいちごミルクを飲み干した芽衣子は、呆れたようにそう云い放った。
ぐしゃりとつぶされた紙パックが私自身の夢を潰されたように感じて泣きたくなる。
ああ、被害妄想だってわかってる。でもどうしてこうなったのかと泣き言を聞いてほしい!
「芽衣子ぉ!」
「はいはい。そんな妄想垂れ流すなら私じゃなくてあんたの信者にしてよね。泣くなうっとおしい。」
信者って・・・
ちらりと横をみる。正確にいうと隣の四人がけのテーブル席を。
すると今まで大人しく食事をしていた彼女達は皆潤んだ目で私を見つめ返した。
「どうしました、真弓様!」
「まゆまゆのおはなしなら何時間でもきいてあげるよ~」
「なななにいってんの!抜け駆け禁止!」
「あぁん真弓様だいてぇ!」
「・・・・・・いえ、結構です。」
色んな意味で。特に最後。
ちなみに今さっきの台詞を口にしたのは上から真面目系黒髪美少女の委員長、活発体育会系美少女のオレンジ頭と天然ツンデレ系のクラスメート、そして最後がフェロモン癒し系の痴女だ。名前?知りません。覚えたくありません。特に最後。
彼女達はこの学園の王子様、別名「Ices」(アイスズ)の親衛隊幹部でありながら、同時に私・麻生真弓の親衛隊幹部であるという・・・よくわからない主張をして私に付きまとう四人組である。
「これ以上ないくらいわかりやすいじゃん。つまり信者でしょ?」
「だからそれがわからないんだってばぁ!なんで私なの、私のどこがいいの!」
芽衣子にそう泣きつけながら、内心私は気付いている。
つまり、そういうことだ。
前世モテなかった私は「モテたい。乙女ゲームの世界で、美女」と願った。そしてかみさま(笑)はこたえた。「乙女ゲームの世界にて美女にモテる」という形で。・・・私のスペックはそのまま。
願いは半分叶った。「Ices」という名の近づこうと思えば、近づける二次元でしかみたことないようなイケメンがこの学園にはいる。しかし私は喪女である。まごうかたなき喪女である。顔は三白眼にそばかす面、ろくな化粧も知らず、話術も財力もなく、友人といえば幼馴染でくされ縁の芽衣子のみという・・・とても残念なスペックな喪女である。ちなみに運動神経は皆無に等しく、成績は中の中だ。
ああ、どうしてこうなった!頭をかかえて悩みこみたい。しかしそうすると将来の美女たる美少女達が私を取り囲むのだ。「どうしたの?悩みをきかせて」といわんばかりに。
今もほら、いつの間にか席をたちあがった委員長が私の頭を撫で、オレンジ頭がひざまずいて右手を握り、クラスメートはおろおろしている。―そして背にはふにゃりと胸の感触が。
・・・何度でもいってやる。
どうしてこうなった!
そのうち美少女な乙女ゲームヒロインがやってきて主人公の美女ハーレムにわりこんできます。イケメン嫉妬→主人公死亡フラグ\(^o^)/まで書こうと思いましたが妄想で力尽きました。