異世界逆トリップ
何でこんなの書いたのか自分でも分かりません
偶々思いついて書きたくなったというだけである
「ハァ・・・」
この世界に来て何回目か分からないため息をつく
今俺が居る部屋、そこは家賃月4万、1Kでトイレ、風呂付という結構優良物件のアパートの一室
とは言っても俺が以前まで暮らしていた家とは天と地どころか太陽と海底ほどの差があると言ってもいいと思う
詳しく言えば城である
この世界の高層ビルなんて目じゃない程の城
数々の部下と共にまぁ色々やって来た
「魔王様~、今日の夕飯は何にしますか~?」
「カレーライス」
まぁ俺の部下が余計な事を言った性で俺の正体がバレた
俺が何者かというと、ハッキリ言おう
魔王である
とは言っても『元』がつくだけで一気に格が下がるな、うん
ご察しの通り、俺はとある世界で世界を制服しようとしていた魔王
それが何があったのか、勇者との戦いの時いきなり次元が歪み見知らぬ世界に放り出された
そのあとは大変だった
車とか言う鉄の馬に轢かれそうになったりドウブツエンとか言う所に行ってみたらライオンとか言う生き物に食べられそうに・・・あ、涙出てきたよおとーさん
ぶっちゃけ、先ほど俺に話しかけてきた部下、シェリルが居なければ俺の心はとっくに折れてたと思う
いやまぁ魔王に心があるのかって話だけどさ
魔法さえ使えればこの世界も簡単に掌握出来たのに・・・今では魔法どころか体も縮み子供になってしまっている
多分この世界の中学生ぐらい
これでは働けない
なので基本シェリルに養って貰っている
今では頭が上がらない
別に俺を見捨ててくれても良かったはずなのにこんな世界に来てまでついて来てくれた唯一の部下・・・っつーか一緒にここへ来たのはこいつともう一人だけなんだけど・・・
まぁそのもう一人っつーのが・・・
「魔王、お茶」
「出ねーよ」
「滅ぼすぞ?」
「すいませんでした」
俺はお茶を献上する
そう、こいつは俺がもっとも忌み嫌う存在、勇者である
なぜこんな所に居るのか
それはまぁまとめてトリップして来たっていう事なんだけど
こいつはなぜか魔法が使える
装備も勇者の剣に勇者の服、勇者の靴、勇者の帽子である
勇者の服は環境に応じて姿を変えるという力を有しているためこの世界ではじーんずとてぃーしゃつという服となっている
剣は刀という片刃の業物
切れ味は・・・一回腕切られて分かった
とんでもねーわ
魔王の再生能力が消えてたら死んでたわ・・・
俺に残っているのは最早絞りかすと言っていい程度の能力で再生能力と夜間よく見える程度の能力
それから動物の声が聞け話が出来るという能力のみ
それ以外は皆無、精々魔王の衣という装備のみ
この装備は魔法が使えない限り無意味であったりする
「うぅ・・・なんで俺がこんな目に」
「それは僕の台詞だ。お前が世界制服なんて企まなければ僕も勇者としてお前と戦う必要も無かった。ということはつまりここに来ることも無かったわけだ」
「ふざけんなー!!ちゃっかり俺の家に居座って日々コキ使ってるくせにッ!!」
「お前だってニート生活しかして無いだろう?基本働いて僕らを養ってくれてるのはシェリルさんじゃないか。お前に威張る理由なんて無い」
「いやッ!シェリルは俺の部下だ・・・った奴だっ!だがお前とは敵同士だろう!?」
するとシェリルは
「魔王様、私は今でもあなたの部下ですよ」
と言ってくれた
エエ奴や・・・
過去、あんなにコキを使ってやったにも関わらずついてきてくれるシェリルは俺にとって最早恩人のような者である
「でもこのままだと夕食が出せないので喧嘩は止めて貰えますか?魔王様、それと勇者の」
シェリルは勇者の名を呼ぶ
「リーラちゃん」
そう、勇者は女である
それも今の俺とほとんど歳が変わらないような
「はい、すみませんでした」
「ごめん」
上が勇者で下が俺
はぁ・・・
そんな訳で今日の夕食はカレーである
シェリルの作る夕飯はおいしかったりする
かなり
それはシェりルが俺の世話役、兼城の料理長をやっていたからで、最初こそ元の世界とは違う料理に苦戦していたが1週間もしないうちに大抵の料理は作れるようになり1ヶ月経った今では店を出しても恥ずかしく無いほどである
というわけでシェリルはとあるフランス料理店でコックをやっている
まだ1ヶ月経って居ないので修行中扱いだが近いうちに戦力として扱われるだろう
魔法は・・・使えない
現時点で魔法が使えるのは勇者のみ
なので怪我をした時は勇者を頼るしかない
まぁ俺も再生能力あるけどさ・・・限度ってもんがある
そんな訳でこの奇妙な異世界での共同生活はまだ年単位で続きそうで
帰れるのかは分からないしもしかすると一生この世界でというのも有り得る
別にこの科学の世界で一生を終えるのも悪く無いとは思っているのだが・・・
勇者とずっと共に暮らすというのは勘弁願いたい所である
ちなみにシェリルは男です
こんなくだらない短編書いてすみません