第7話:スイーツダンジョン発見!
翌日。
私はログインするとすぐに街の広場にいた。
朝の光が石畳を照らしていて、街はいつもより賑やかだ。
肩の上では、ぷるぷるプリンがぷるぷる揺れている。
ラズベリーゴーストはふわふわ漂い、ショートケーキフェアリーは私の髪の周りをくるくる飛んでいた。
「おはよー」
私は伸びをする。
ソウタも隣にログインした。
「早いな」
「今日は配信するからね!」
私はメニューを開く。
通知がたくさん来ていた。
「……あれ?」
フォロワー数。
昨日まで
12人
今は――
3,842人
「ええ!?」
私は思わず叫んだ。
「ソウタ!」
「なんだ」
「フォロワー増えてる!!」
ソウタは画面を見る。
「……増えすぎだろ」
私は昨日の配信ログを確認する。
コメント。
クリップ。
おすすめ動画。
どうやら――
「ボス横レア素材少女」
として拡散されていたらしい。
「そんな名前なの!?」
ソウタは小さく笑った。
「お前らしい」
私は頬を膨らませる。
「普通に素材取りに行っただけなのに」
そのとき、ショートケーキフェアリーがぴょんと飛び上がった。
「?」
フェアリーは街の外へ向かって飛ぶ。
「またどこか行くの?」
私は追いかけた。
ソウタも後ろからついてくる。
⸻
街の門を出て少し歩く。
森の奥とは違う方向。
岩場の多い場所だった。
すると――
フェアリーが止まった。
そこには洞窟がある。
入り口の上には看板。
???ダンジョン
私は首をかしげた。
「こんなの昨日なかったよね?」
ソウタは周囲を見る。
「イベントかもしれない」
そのとき、システムメッセージ。
【新エリア発見】
【スイーツダンジョン】
私は目を輝かせた。
「スイーツ!?」
ソウタが苦笑する。
「お前のためにあるみたいだな」
私はすぐに配信を開始した。
【配信スタート】
タイトル。
「新ダンジョン発見!?スイーツダンジョン行ってみる!」
コメント欄がすぐに流れ始める。
「きた」
「例の子」
「スイーツ配信者」
私は笑った。
「今日はダンジョン探索します!」
洞窟の中へ入る。
中は甘い香りがした。
壁はクッキーみたいな色。
床には粉砂糖のような白い粒。
「すごい……」
コメント
「テーマ全振りw」
「お腹空く」
奥から音がする。
ドン。
ドン。
「……?」
暗闇から巨大な影が現れた。
丸い体。
中央に穴。
チョコレート色。
ドーナツゴーレム
コメント欄
「でかい」
「ドーナツw」
私は思わず言った。
「美味しそう」
ソウタが即ツッコむ。
「敵だ」
ドーナツゴーレムが腕を振り上げる。
ドン!!
地面が揺れた。
私は後ろに下がる。
「ソウタ!」
「任せろ」
ソウタは剣を抜く。
戦闘開始。
ゴーレムのパンチをかわす。
剣が光る。
ガン!
ドーナツの表面に傷が入る。
コメント
「剣士強い」
「職人剣士」
ぷるぷるプリンが跳ねる。
ラズベリーゴーストが光る。
ショートケーキフェアリーも飛び回る。
モンスターたちがソウタをサポートしている。
ソウタは静かに言った。
「今だ」
私は気づく。
ゴーレムの体から何か落ちた。
キラキラ光るアイテム。
「素材!」
私は走った。
コメント欄
「また行ったw」
「素材優先w」
ソウタは苦笑する。
「本当にブレないな」
私はアイテムを拾う。
【シュガードーナツ生地】
「新素材!」
その瞬間。
ソウタの剣が最後の一撃を入れた。
ドーナツゴーレムが崩れる。
ドン!!
光になって消える。
コメント欄が盛り上がる。
「倒した!」
「素材ゲット」
私は嬉しそうに言った。
「これで新しいスイーツ作れるよ!」
そのとき――
ダンジョンの奥が光った。
まだ続きがあるらしい。
コメント欄
「奥あるぞ」
「ボス?」
私は振り向く。
ソウタも奥を見る。
「行くか?」
私は笑った。
「もちろん!」
スイーツダンジョンの奥には、
まだ誰も見たことのない
甘くて危険な冒険が待っていた。




