第11話:コラボダンジョンとウェディングケーキゴーレム
スイーツ工房の中は、まだざわついていた。
プレイヤーたちがひそひそ話している。
「タローだ」
「配信者コラボだ」
私は少し緊張していた。
目の前にいるのは、有名配信者のタロー。
でもタローは気軽な調子で言った。
「そんな固くならなくていいよ」
「ただのゲーム仲間だ」
コメント欄が流れる。
「いい人」
「神配信」
ソウタは腕を組んで聞いた。
「行き先は?」
タローが答える。
「さっき君たちが見つけたスイーツダンジョン」
「奥にボスがいるらしい」
私は目を輝かせた。
「行きたい!」
コメント欄
「決定w」
タローは笑う。
「じゃあ出発」
⸻
三人は街の外へ出た。
ミユの肩には
ぷるぷるプリン。
ラズベリーゴースト。
ショートケーキフェアリー。
そして背後には
マカロンナイト。
タローがそれを見て笑う。
「スイーツ軍団だな」
私は誇らしげに言う。
「仲間です!」
コメント欄
「かわいいパーティー」
ダンジョンへ入る。
甘い香りが漂う洞窟。
前に来たときよりも、奥の道が開いていた。
「イベント進行してるな」
タローが言う。
ソウタがうなずく。
「ボス確定だ」
コメント欄
「くるぞ」
⸻
奥の扉。
巨大なホール。
中央にあるのは――
巨大なケーキ。
三段のウェディングケーキ。
白いクリーム。
いちご。
チョコ飾り。
私は思わず言った。
「きれい……」
その瞬間。
ケーキが揺れた。
ズズズ……
クリームの腕が伸びる。
巨大な体が動く。
ウェディングケーキゴーレム
コメント欄
「でたw」
「でかい!」
タローが剣を抜く。
「ボス戦だ」
戦闘開始。
⸻
ウェディングケーキゴーレムが腕を振るう。
ドン!!
クリームが飛び散る。
タローが前に出る。
素早い剣撃。
シュン!
ケーキの側面が削れる。
「うまい!」
コメント欄
「さすが」
ソウタも動く。
剣を低く構える。
一閃。
スポンジ部分にダメージ。
私は後ろから応援。
「がんばれ!」
コメント
「実況w」
モンスターたちも動く。
ぷるぷるプリンが跳ねる。
ラズベリーゴーストが光る。
ショートケーキフェアリーが舞う。
マカロンナイトが盾で攻撃を防ぐ。
タローが笑う。
「この騎士すごいな」
ソウタが言う。
「ミユの仲間だ」
ウェディングケーキゴーレムが怒る。
巨大なクリーム砲。
ドーン!
部屋が白く染まる。
「うわ!」
私は転びそうになる。
そのとき――
ショートケーキフェアリーが光る。
バリアが展開。
コメント欄
「ナイス!」
タローが叫ぶ。
「今だ!」
ソウタが飛び込む。
剣が光る。
タローも同時に攻撃。
二人の剣が交差する。
ザン!!
巨大なケーキが割れる。
ボスHPゼロ。
ドォン!!
ウェディングケーキゴーレムが崩れた。
大量の素材が落ちる。
コメント欄が爆発する。
「撃破!」
「神回!」
私は飛び跳ねた。
「やったー!」
システム表示。
【ウェディングケーキレシピ解放】
コメント
「新料理!」
私は配信画面を見る。
視聴者数。
104,000人
「10万人!」
私はびっくりした。
コメント欄
「おめでとう!」
「伝説の配信」
タローが笑った。
「人気出たな」
ソウタも少し笑う。
「だな」
私は仲間たちを見る。
プリン。
ゴースト。
フェアリー。
マカロンナイト。
そして二人の仲間。
私は配信カメラに向かって言った。
「これからもスイーツ冒険します!」
コメント欄が一斉に流れる。
その日――
ミユの配信は
トップ人気配信の一つ
になった。




