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対人戦闘

 

【ギガタウロス】を討伐した事で名が広がったためか、はたまた元から【冒険者狩り】の手の物だったのか、


 迷宮で出会ったのは以前(一話)の追い剥ぎ達だ。


 今回も先手とって睡眠魔術を叩き込めば問題無い。そう思っていたが奴らの装備していたのは【耐睡のペンダント】、高価な高価な、睡眠魔術を防ぐアクセサリーだ。


 赤魔術師が詠唱を始める。


 唱えるのは

【異常系統第四位階 石化魔術】

 成功率、範囲、詠唱速度、耐性獲得難度、ありとあらゆる点で

【異常系統第一位階 睡眠魔術】の劣化とも言える魔術だ。


 しかし今回は劣化にはならなかった

 睡眠魔術は強すぎて、石化魔術は弱すぎたからだ。


 睡眠魔術は、あまりの凶悪さ故、人を殺す魔術(ネルトラーク)とも呼ばれ、世界中の魔術師が一致団結し対抗策を練った結果耐性装備も対抗策も充実している。それに対し石化魔術は睡眠魔術で良くねの一言で終わる上、睡眠耐性を考慮しても麻痺魔術とかの方がよっぽど汎用性に優れるため、石化魔術を使うやつ等ほぼいない。それ故、対人戦のみを考慮した場合石化耐性をつけようとするやつ等ほぼいない。ちょうど今六人中四人が石化したクズ共の様に。


 欠陥品の石化魔術でここまであっさり無力化出来たのは順応が進んでいるのもあるだろう。また、異種族を殺すと順応は進むが、同族を殺しても順応はほぼ進まないという自然の摂理、これにより、魔物を狩っていた私達と、人間狩り専門の追い剥ぎの間に差が開いたのも原因だろう。


 石化魔術の効果時間である15秒、この間に私は無力化された奴にトドメを刺していかなくてはならない。


 他の、甘い連中に殺しをさせて、メンタルを害されたら間接的に私が困るからだ。


「俺は長男だから死ぬわけには行かない」

 と叫び、手首まで石化した腕で必死で短剣を振り回す追い剥ぎは懐に潜り込みその心臓を短剣で突き殺す。手が腐りそうだ。246。


「喋れる様になったばかりの娘がいるんだ」

 と涙目で命乞いするクズは眼窩に短剣をねじ込み殺す

 断末魔が耳に入り込み、脳を侵す。247。


「もう悪い事はしない」

 と泣き喚く巨漢を腸を裂き殺す。

 吹き出す鮮血と共に吐き気が襲ってくる。248。


「この期に及んで命乞いなんかするかよ!」

 と叫んだ巨漢を頭から【周断(あまねだち)】で両断する。何度も何度も味わった最悪の感覚が手に伝わる。249。


 クズ、クズ、クズ。こいつらは平気で他人を踏みつけにして命を踏み躙って奪い取る、私よりはマシな程度のクズ共だ、それなのに人間らしく死ぬな、やめろ、やめてくれ、お願いだ。


 私がトドメを刺している間も残りの連中と生き残り達の戦いは続いていた。生き残りのうち一人は金髪戦士。最後の一人は僧侶がトドメを刺した。どちらも吐いていた。


 ■■■■



 次の日も探索は特に危険もなく終わったのだが死ぬほど重い雰囲気になってしまっていた。


 重くなった雰囲気を消すのとここ来てから全員働き詰めであったため休息と宴会を提案した。


 黒魔術師の宿泊している宿が一番良いところだったので色々持ち込んで宴会開始


 戦士、僧侶、傭兵の持ってきた手料理はどれもかなり出来が良かった。


 なんであんなしみったれた酒場で毎食飯食ってるのか理由が分からない程度には。


 黒魔術師が持ち込んだ飯も高いのか普通に美味かったが赤魔術師がカツカレーチャーハンラーメンとかいう豚の餌を持ち込んだときはうっかりキレそうになった。こいつ本当に人間か?


 酒飲んで悪酔いした戦士は昨日のアレは正当防衛だと何度伝えても罪悪感に苦しんで、もっと良い方法を取れば殺さずに済んだんじゃないかとかそんな簡単に殺しが正当化されて良いはずがないとかうるせえ。


 マジ面倒くせえなこいつ。


 アプローチを変えて、殺しちまった物は仕方ない、自分が死ぬその時まで罪悪感を忘れずに苦しむことが唯一の供養だ、私も一緒に死ぬまで苦しむからとか言って誤魔化した。なんか琴線に触れたらしく泣いてた、ウケる。


 酒で僧侶も鬱モードに入って死ぬほどウザい。


 大体戦士と似たような事言って懐柔出来たが


 そんなこんなしている内に宴会はお開きになった


 この1日である程度の心の傷は消え再び迷宮に挑む活力は湧いたようだ。


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