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2、入学式

今回は少し長いですが最後まで読んでいただけると幸いです。

アイリスは五大貴族であるフォンデゥー家の娘だ。

幼い頃からすでに王族である第二王子、ノアと婚約を結び、一般よりもはるかに高い教育を長年受けてきた。

けれどパーティーには参加したことない。だから礼儀作法を実際に使う機会などないし、もちろん友達もいない。

だからノアとは友達のような関係だった。





「お嬢様。今日はどのような髪にいたしますか?」

アンネは今日も満面の笑みを隠さず言った。

ノアと同じ馬車で登校する決まりを両親につくられてしまったため、今日からノアと登校する。

彼女にとってこのことが何よりも嬉しいらしい。

「そうねえ。初めてだし、見た目が良くなるものをお願い。」

すると彼女は不満そうに

「お嬢様は充分、もう、充分すぎるほどに美しいですよ。信じてください!アンナが嘘をつくはずがございません!」

そうは言われても。私はぼーっとしているだけで睨んでると勘違いされがちなのだ。

お母様はふんわりした髪、垂れ目がちな瞳を持っているため、美しい、よりもかわいいが似合う。

私はそんなところは似なかった。目はキュルンとかではなくギロっていう音がつきそうな私は友達が出来なさそうで不安なのだ。

だからだろう、今日の私はすごく、ものすごく緊張している。この目のせいで友達が出来なかったら、、、街で人気の、いわゆる「悪役令嬢」と勘違いされたら。

今、街では「悪役令嬢から〇〇を救う」というシリーズ本が人気だ。〇〇にはさまざまな悪役令嬢に虐められていたものが入る。王子様や義弟、義妹、帝国、魔法犬(あんなに可愛い生き物を虐める人は少ない)など。

ストーリーは王子の婚約者である悪役令嬢から、美しく、優しい主人公が王子を救う物語だ。悪役令嬢は2人に意地悪をしたり主人公を陥れようとする。2人はそんな困難を乗り越えて、最後は王子と結ばれて主人公と王子は結婚式を挙げる。悪役令嬢はというと、数々の悪事が表に出たため、処刑される。

悪役令嬢の説明は『目が恐ろしく、いつも肌の露出が多い、派手なドレスを着て色々な人を虐めている』

だそうだ。私は肌の露出ドレスは苦手だけれど、今時その本の影響でそのような見た目をしていると陰口を言われる世の中だから、街でも、王都でもかれこれ一ヶ月は着ている人を見ていない。

「生きづらい世の中になってきたものねえ。」と姉もよく言う。

姉はとにかくドレスを着る、買う、売る、デザインすることが大好きだから苦に感じるらしい。

まあ、私も苦ではある。この物語を読んだ人が王子の婚約者の座を狙う、「悪役令嬢」の主人公のような人が現れそうだからだ。これは兄からも忠告を受けている。実は兄は隣国のお姫様と婚約している。2人は両思いでとても仲がいいのだけれどそんな2人を引き裂こうと働く人がいるらしい。

兄は言った。「だからお前も気をつけろ。変な弱み握られたら終わりだと思え。」

我が家はすでに王家に弱みを握られているが、幸いノアにも知られていないようだ。王はどうやら約束を破るつもりはないみたいだ。

知られたしまったら私は終わりだ。きっと、失望される。

今日からもそのことにも気を張らないとなる。さて、どうしようかな。ばれてしまえば

ふと頬をぷにっとされた。

「そんなに気を張らないでください。お嬢様。大丈夫です。」

アンナがゆっくり、はっきりと言って、手を握ってくれた。暖かい。

そうだ、私にはアンナがいる。

アンナはアンナ特製の三つ編みに青色の花の髪飾りを多すぎないくらいにつけてくれた。


外ではもうノアが待っていた。

「遅れてしまい、申し訳ございません。ノア様。」

魔法学校の制服を着た彼は入学式があるめでたい日だというのにむすっとしている。

「あ、あの?」

何か怒られることしたかな。うん?したかもしれない。

「アイリス。今日からもう[ノア様]とかやめない?」

「え?」

「昔みたいにさあ、言いたいことお互い言っていい関係に戻ろうよ。」

さっきのむすっとした顔が一瞬で真剣な顔になった。

確かに。いつからか私は「ノア様」と呼ぶようになっていた。言いたいことは心の中でだけで、いや、それはきっとノアも同じなのだろうけれども。昔みたいに喧嘩するような関係ではなくなっていた。

「わかった。の、、、ノアでいいでしょ?」

いざ口にすると少しこそばゆいような感じがした。

それを聞いてノアはうれしそうに笑った。ああ、そうだった。笑うことも減っていた。


入学式代表はノアの双子である第一王子のアルドヘルム様。ノアと同じ金髪だけれど瞳の色は2人とも違う。

アルドヘルム様は赤色。ノアは青色。

アンドヘルム様は王に似てノアは王妃様に似た。

そんなアンドヘルム様の婚約者は実は私でも会ったことがない。とても美しい方だと聞いたことはあるが。そんなことより私は彼女と友達になってみたい。幼い頃からずっと思っていたけれど。

「いっ、、、」

ノアに靴を踏まれた。

「何すんのよ!(小声)」

「。。。やっぱ心の中では言いたいこと言ってたんだな。てか兄貴がかっこいいからってぼーっとすんなよ!(小声)俺だって、、、(さらに小声)」

「はあ?聞こえないんだけど!ウジウジしてるからアルドヘルム様に代表を取られてしまんでしょ!(小声)」

「うるせえ。それはお前がぼーっとしてたことと関係ねえだろ!!(小声)」


アンドヘルムは代表としてスピーチする中弟といつか妹になるアイリスを見た。2人はコソコソ喋っていると思っているが周りからは丸聞こえだった。遠くで先生が顔を真っ赤にして笑っている。あとで何を言われるやら。

まあ、周りから見て仲が良さそうなのは誰が見てもわかった。常に無表情か、怒っているような顔をしているアイリスと、氷の花のような王子(綺麗だが触れると危ないという意味だそうだ)と呼ばれている2人が喧嘩しつつも笑いながら喧嘩している姿は「仲良し」意外にない。



いいなあ。仲が良くて。

ありがとうございました!まだまだですが、感想やアドバイスなどお待ちしております!

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