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人の恋路を邪魔する者では無い

作者: 白玉大盛

良くある設定なので、最初の流れはダイジェストでお送りします。

ソレは私の婚約者

第二皇子の卒業パーティーで事は起った

いやっ皇子自ら起こしたのだ


皆が歓談している最中高々と婚約破棄を宣言し、側にいるしがない令嬢との婚約を高々に宣言した

更にはその令嬢が嫌がらせにあっていたと告発

下位の貴族令嬢、令息達が証言者となって出てきて首謀者は私だと発言


が、しかし首謀者は姉と高位貴族達

自らが名乗り出るのであった


「何故っお前達が…」

「殿下騙されてはいけません」

騙すも何も本人達がやったっと言っているのに…


何故姉を含め高位貴族等が此の様な事を起こしたか

それはこの婚約は当たり前だが政治的、派閥的な意味合いしかないから


姉の想い人は対立派閥の子息

姉達は今のままでは幾ら想いあっていても自分達が結ばれる事は無い


両親を説得する事数年

姉の懇願に折れた父親

我儘を言わない優秀な息子の唯一の願いを叶えてやりたい父親

二人を一緒にさせる事は出来ないかと両家は考えた


そして目を付けられたのは第二皇子

貴方ですよ

第二皇子は側室の子

しかも側室は対立派閥の重鎮の家の出

そこで私と婚約する事により世間的に両派閥の融和

王家としては公爵家の後ろ盾

そして姉達は派閥の垣根を越えた新しい風を吹き入れた象徴

他にも上層部の色々な思惑があり、それらが丸っと治るとして私達の婚約が速やかに決まったのだった


「殿下は良き友をお持ちで」

「嘘だ…」


因み令嬢達が忠告したのも、私と第二皇子の婚約が無くなれば、自分達の婚約にも影響が出てくる。

ソレばかりか下位の貴族、社会情勢にも影響が


それ故皆が手を替え品を替えあなた方を引き離そうとしたのですよ

ある令息は身を捨て貴女に甘い言葉を吐き誘惑し

ある令息は贈答品で説得出来ないかと贈り物をし

ある令嬢は遠回しに私の婚約の経緯を説明し

ある令嬢は茶会に呼ばない事で立場を理解させようとしたが

まーったく無意味で、終いには豪を煮やして強行手段に出てしまった訳なんですが


皆様が行った事は、許される事ではありません。しかし此処までさせたのは貴女方が理解力が乏しから

甘い意見ばかりに耳を傾けていたからに他ならない


下位の貴族が

「騙されるな」

「全部貴女の指示だろう」

と暴言を吐いているが


「皆様は貴方方の為に行動したのよ」

でも余計なお世話だったようね


良かったわね。子爵の次男

「貴方はこの婚約が破談すれば、今の子爵の御令嬢との婚約が白紙

伯爵の婿入りが決まりますものね」

「えっ…どう言う事」

「あらだって貴方の婚約者元々は伯爵令嬢との婚約間近だったのが、私共の婚約の煽りを受け破談したのでしょ」


出世は遠のき差して裕福でも無い子爵の娘との婚約


「でも私達互いに思い合って」

「おめでたい事

彼にしたら不満しか無いに決まってるじゃ無い」

「ねぇ違うわよね!ねぇ!!」


「あらあらこんな場で声を荒げる何て淑女としてどうかしらね」

そう思うでしょう

そこの貴女

「貴女もこの婚約が破談して喜んでるでしょ」

「どう言う事だ」

「御免なさい。彼知らなかったのかしらね。此の方は思い合う殿方と婚約までしていたのに白紙。

そして貴方の御家と政略結婚」


愛のある結婚からの政略結婚

不満が無い訳無いじゃない


「なぁ嘘だろ…出鱈目だよな…何と言えよ!」


あらあら女性を怒鳴る何て紳士失格じゃなくて


あら貴女。口元が緩んでいますわ

「貴女も嬉しいでしょ

婚約者を厭ってましたものね」

「何だと!」

「気性の荒さや、粗野な発言など聞くに耐えないっと」

「巫山戯るな!!お前そんな事言い振らしてたのか」


「彼女を責めないであげてね」

その気性女性なら誰でも耐えられなのよ。

彼女が特別弱いのでは無いの、寧ろよく耐えできたわ

その気性は皆が無理なの。そこの所は理解して下さいね


「この女!黙って聴いていればぁ!」


そして貴方を含め私に暴言を吐き侮蔑を含んだ目で観ている者達

何か勘違いしてません


「私婚約は破棄されましたが、公爵令嬢に変わりないのよ」


ソレこそ私の一言で名もなき貴族の未来など如何とでも出来る事、御理解出来てます


お顔が真っ赤

「そこの貴方騎士団入りを志願していて何故悠長に見てますの

彼を止めないと」

「はっ何故俺が」

目の前で公爵令嬢が襲われ傷者になって居るにも関わらずその場居て何もしなかった。

私が騎士団長ならその様な者入隊の許可などしませわ


「騎士はお前みたいな悪女誰が守るか」

個人の価値観だけで守護の有無を決める等と貴方騎士には向いて居ないわね

高位貴族達が私を守る様に前に出

男を捕らえる

「あら有難う」


さてさて収集も付かなくなってきましたが

「殿下一つ宜しいでしょうか

何故私が名も知らぬ令嬢に嫌がらせをしたとお考えになったのでしょう」

「やめて…」

あらお姉様顔色が

「ソレは貴様が嫉妬して」

「やめて…やめて…」

「ですから何故私が嫉妬したと思い至ったのですか?」


殿下に好意を寄せていますと言った覚えも記した覚えも、増してはその様な目で見た事もないのに?


「貴様望んで婚約者になったと皆が進言してきたのだ」

コレは…

本当殿下は良いお友達をお持ちだわ


「やめて!!!お願い!

言わないで!申し訳ありません。数々の嫌がらせは私共が画策した事。

妹は一切関与しておりません

どうか、どうかお許しください」


「殿下、申し訳ありません

私達はこの婚約を維持すべく此の様な手立てをとり申し開きもありません

どうかご容赦を」


「「「殿下申し訳ありません」」」」

「「「殿下申し訳ございません」」」

殿下…

殿下…


ソレは異様な光景だった

虐めに加担して居ない貴族を含め上位の貴族達は皆頭を下げのだから


「何なのだ……分かった…分かった…

面を挙げよ

この事は追って沙汰を「酷いっ公爵家の力を使って皆に罪を擦り付けて!

よくそんな事出来ますね」

「何だと!ではやはり貴様の仕業」

「違います」

「違わ無いわ」

この令嬢何のかしら?

それに殿下は何故この令嬢の言葉を鵜呑みにするのかしら?


「白々しい。やはり首謀者は貴様に違いない

嫉妬に狂いった女は見苦しぞ」

「嫉妬ですか?何に嫉妬するんですか?

私は」


「駄目っやめてぇぇ」

あらお姉様お顔が真っ青だわ


「とても暇だから貴女の婚約者になったのですよ」

「ふざけた事を」

悲しいかな事実です

「私コレっと言った趣味も無く、好いた相手も無く、更には幼き頃よりショートスリーパーで只々時間を持て余し参りました

そんな時此の婚約の話しが舞い込んで来たのです」


義兄様は私に王妃教育を受ければ多種多様に学べ何かが趣味になるかもしれないと

お姉様は王妃教育は時間が、あっても足りない。時間を持て余してる貴方に打って付けだと

お父様からは教育の一環で視察に行く事も出来る。打ち込める何かが見つかるかもしれないと

お母様からは勉強の為なら夜遅くまで起きていても良いと

他の貴族方々からも素敵な助言を頂き私は婚約の打診を受ける事にしたのです


「婚約者となってからの日々は時間を持て余す事も無く、家族からも王家からも感謝され充実していました

殿下貴方との婚約は最高の暇潰しでした」

「暇潰し…私との婚約は…暇潰しだと」

「はい」

「王妃教育や私との茶会が」


いえ少し違います

「王妃教育は最高の暇潰しですが、殿下との茶会は最高に暇でした」

「え……」

「暇で暇で退屈で。そう真夜中眠れないにも関わらず布団に入れられ天井を眺めている以上に暇でした

ですから始めは1時間以上取ってあった時間も少しずつ減らし今では15分まで減らしたんですよ」

「退屈だと…」

「殿下も退屈でしたでしょ」

お顔にありありと書いてありましたから


「…嘘だ…お前の方から婚約者にと…」

立候補はしておりません

「推薦されたのでならばと」

「皆が…皆も…貴様が私を好いていると」

「そう言わざる得ないからです」


暇潰しでそこに好意は無いですよ。とは誰が言えましょう

もしもそんな事口にした日には頭と体がお別れに…

言われた殿下は人間不信になり兼ねませんからね


「故に彼等に責を負わせるのは御勘弁を

彼等は殿下の御心を傷つけまいとした嘘なのですから」

「嘘…はっ、嘘を申してたと」

お姉様達の苦労を水の泡に…御免なさい


「でも、私は見たのよ!3年のクラスから出て来る貴女の姿を…

私の教科書が無残に…ふっ…ふぇ〜ん…」

そう来ましたか

「いつ頃ですか?」

「しらばっくれるつもり!!

もう何回もやってるくせに!」

何回もね

「顔も見たのですか?」

「…ええ。そうよ

間違い無い!貴女よ!学園にも報告済みよ!

でも学園は貴女じゃないって」

「「「圧力を掛けやがって」」」

「「「横暴だ」」」

「要約するに、平日の人気の無い時間に私がこの学園の3年生の教室から何度も出て行ったと」

「そうよ!」

「えっ…」


成る程…あら殿下は気づいて頂いけたようで

腐っても婚約

私には無理だと分かって頂けたみたい


「妹には不可能ですわ」

「貴女は黙ってて!身内だから庇いたい気持ちは分かります。でも悪い事は悪いと教えるのか家族じゃないですか

さぁ本当の事を言って下さい」

「本当の事しか言っておりません。

私は何もしておりません」

「義妹は何もしていない。

少なくとも教科書どうこうは出来ない。殿下もお分かりですよね」

「ああ。彼女には不可能だ」

「えっ何で彼女を庇うの…?」

「肩を待つ訳じゃない。

この女はこの学園の生徒では無い」

「どう言う…」

「どうもこうも私まだこの学園に入れる年齢に達して無いので入れない。

それだけですわ」

「…嘘……」

よく勘違いされる方いるのよ

私年齢の割に長身でだからか、よく年齢より上に見られるのよね


「嘘よ!以前公爵令嬢は妹とは2歳違いだと仰っていたでは無いですか」

下位の貴族が騒ぎ立てる

「直ぐ下に2歳違いの妹が居るっとは言ったわ。

でもソレはこの子の事ではありません。

この子は3歳違いの三女で、入学すらして無いのよ」


「学園には今日のような行事に殿下の婚約者として、公爵家の家族として参する事はございます。

しかしそれ以外では門を潜る事さえ不可能かと」

「大方学園で義妹を見て生徒だと勘違いしたのだろう」


「行事のあった日よ!その日に嫌がらせがあったんだわ」

「では学園側に確認を取りましょう。

報告しているなら、日時も明記してあるはずですから」


彼女達の計画は私がこの学園の生徒ならば、通じたのだろう

嫌がらせは誰も居ない平日の放課後

学園側報告する事によって記録は残る

証言者もいる

私がいくら反論しても証拠は無い

アリバイだって普通の人なら的確な日時何て覚えてる訳はない

やってない事を証明する事は…不可能


「嘘をついていたのか…」

「ちっ違います!」

「では何故!!」


…この茶番いつまで続くのかしら…暇なのよね…もう帰りたいわ

あっ婚約破棄されたから王妃教育も無くなるのよね…明日から暇になるわ…どーしましょう……


「もう退出しても宜しいかしら」

「貴様!」

「酷いっ…皆が貴女の所為で傷付いているのに」

「皆様の思い込みがこの様な事態を招いたんでしょ。責任転嫁はおよしになって。ソレでも反論があるなら我家へ書状でも何でも送って下さいまし。

私は退屈なのでこの辺で失礼します。

では卒業生の皆様、本日はおめでとうございます」

皆が何か言ってますが、知りません

帰ったら次の暇潰しを探さねば



あの卒業パーティー後、私と殿下の婚約は正式に破棄された

その余波を受け何組もの婚約が解消されたと言う

殿下はと言うと、8つ年上の令嬢が居る侯爵家に婿入りが決まったらしい

因みその御令嬢、大変美しいが奪い癖が有り人の男なら使用人にすら手を出すとの噂


殿下と共に居たあの名前も知らない令嬢がどうなったかは存じません


姉と義兄は奔走し、予定通りとは行かないが、3年以内を目処に結婚する事が決まった


私はと言うと、隣国の貴族と婚約する運びとなった


何故かと言うと、私の下の妹がとある茶会に来ていた隣国の辺境伯の子息に一目惚れ

辺境伯の子息も妹に一目惚れ

2人は両想い

だが、2人が結ばれるには高い壁が


そこで私が担ぎ出された

2人の愛の為、国を跨いだ政治的思惑、そして私の暇潰しの為



今日も私は暇潰しをしている

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