1話
「ここは??」
目覚めた俺の前には、一台のデスクトップ型パソコンがあった。
辺りにはコーヒーのいい香りが漂っている。
俺は状況を理解できないまま、取りあえず手元にある熱いコーヒーをすすった。
「あー、やっぱコーヒーは砂糖ミルク多めに限る」
のんきに1人満足のため息をつくと、俺は辺りを見渡した。
「この部屋は…」
そこは、薄暗い小さな部屋で、このパソコンテーブル、本棚、小さな冷蔵庫、この部屋には不釣り合いな大型の液晶テレビ、カジュアルラックが備え付けられていた。
本棚には大量の漫画がびっしりと並べられ、カジュアルラックには厳ついフィギュア、アダルトなフィギュア、モザイクをかけなければ放送出来ないようなDVD,ブルーレイディスクが並べられていた。
この薄暗い部屋で、パソコンのモニターだけが煌々と、光を放っていた。
「おいおい、何なんだこの部屋は…」
困惑していると、突然パッとテレビがついた。
「うおっ!」
唐突なポルターガイスト現象に思わず手にもっていたコーヒーを自分の太ももにこぼしてしまう。
「あちい!熱熱あつー!」
突然、天井の電気がつき、部屋が明るくなる。
太ももの処置に夢中の、混乱気味の俺に突然声が聞こえた。
「やあやあ、君が来るのを待ってたんだ、しかし何だかそそっかしい奴だなあ」
目の前には、小学生高学年くらいの、とてつもなく可愛い顔の少女が、立ってこちらを見つめていた。
「な、君、ゆ、幽霊…!?」
慌てふためく俺に、その女の子はほっぺたを膨らませて、腕を組み不満げに
「こんなカワイイ女子に幽霊とは失礼ねっ!」
と否定した。
「じゃあ君、何なんだよ…。不法侵入じゃん…」
至って正論な俺に女の子は
「全く、常識に支配された大人と会話すると疲れるわぁ」
と、ため息をついた。
少女は目をつむり、コホンと軽く咳払いすると
「アタシの名前はハナビ!この部屋の管理者であり、この世とあの世を繋ぐものよ!」
そのハナビと名乗る少女は、胸を張り満面のドヤ顔で、俺に自己紹介した。
「あ、ああ、ハナビちゃんか…。えと、この部屋の大家さんの娘さんかな?出来ればお父さんかお母さんとお話ししたいけど…」
「違う!マンションのオーナーとかじゃないし!!」
ハナビは顔を真っ赤にしてツッコんだ。