第26話「角生えてた系妹」
前回のあらすじ
リビコッコ撃破
なんかよくわからない杖入手
研究所に戻った一同は、一晩休んだ後謎の杖に関することが載ってそうな資料を手当たり次第探した。
ラプター「いくら探してもそれっぽい資料がねえ!どう考えてもこれが『秘龍十二神器』で間違いはずなんだが。」
どう見ても怪しい杖なのに資料が一つも見つからなかったようだ。
レガイン「だったら全部集めれば何かわかるかもよ?」
ラプター「あのなぁ、奴らはそう簡単に見つかるもんじゃねえんだよ。姿どころか場所も一切わからねえんだ。仕方ねえ、見つかるまで待つしかなさそうだな。」
とその時、慌てて研究員が入ってきた。
研究員「所長!海の奥深くに未知の生物が出現したとの情報が入りました!」
ラプター「いいタイミングで来てくれたな。話してくれ。」
研究員「発見された生物は言葉では表現し難いほどの異形の姿だそうです。属性は恐らく水です。調査員は生きておりますが情報を聞き出そうにも、気絶しています。どうやら、潜水艦が一撃で粉砕されたようです。」
以前の研究所の調査では、それほどの被害が出るほどの強さをもつ生物は全く発見されていなかったようだ。
ラプター「ふーん、面白ぇじゃん。あいつらを集めるか。」
すぐに3階のモニタールームに向かった。
研究所中に放送が流された。
ラプター「レガインたちは直ちに1階の兵器庫に来い。『十三ノ龍達』と思われる生物が発見された。」
数分後、レガインたちは指定された場所へ集まった。
だが。
レガイン「ごめんラプター、灯は遅くなるらしいよ。なんか急に頭がおかしくなったからしばらく白夫さんが看病するって言って医務室に行ったよ。」
ラプター「なっ!今そいつらがいないと…いや、そんなことより作戦が先だな。」
先程の個体について話した。
一同は期待したが、それよりも困ることが多かったようだ。
レガイン「いくら私たちが人工細胞で強化されてると言っても海底はさすがに無理だよ。」
F・S「そうだよ」
シャドナ「潜水艦で行こうにも、攻撃を避けようと思った時に時間を止めたら水も固まって潜水艦が動かなくなるのよ?」
海の生き物と同様の器官を持つ仲間はいないため生身では行けない。
シャドナでは海まで固めてしまう。
ラプター「どうせそういうだろうと思ったよ。おい、あんた。」
F・S「どうした?」
ラプター「『あれ』の暗証番号、覚えてるか?」
F・S「『あれ』だと!?君にも教えてなかったのになぜわかるんだ?」
謎の生物の攻撃を耐える可能性が高い兵器があるらしいのだ。
だが研究所内でそれを知るのはごくわずかの人間だけ。
灯「そりゃあれだけ堂々と置いてれば隠しようがないでしょ?」
そう言って指差したのは、「暗証番号がわからなければ操縦禁止」「DENGER」などといった張り紙が大量に貼ってあり、ロケットランチャーの弾を易々と弾きそうなほどに丈夫そうなコンテナだった。
遅れて集まった白田兄妹。
当然注意された。
ラプター「灯!お前遅いじゃね…え?それ…」
なんと、灯の頭には、包帯が巻かれてあったのである。
しかも頭部の左側には角らしき突起物が見える。
白夫「頼む、何も言うな。こんな姿になろうと、僕の実の妹、灯に変わりはないんだ。」
灯「朝起きたらなぜかこんな角があったの。あたしは人工細胞は打ってないはずなのにな…」
ラプター「そうか。なら、角については今はあえて聞かない。それで、だ。」
F・S「わかったよ。シャドナは僕と来てくれ。」
コンテナの前にあるボタンが大量にある機械の前に立った。
F・S「君にこの秘密を教える時がくるとはね。」
シャドナ「あの、なぜ私を連れたのです?私にも秘密にしていたほどの重要機密だというのに。」
F・S「この腕でボタンは押せないでしょ?だからだよ。」
シャドナ「…ッ…ッッ…りょうかい…です…フッ…」
いくらシャドナでも笑いを堪えきれないほどくだらない理由だった。
数分後、コンテナが開き始めると同時に、兵器庫全体にサイレンが響いた。
ラプター「こんなにやかましくするほどの代物なのかよ。」
完全に開いた時にはサイレンも収まった。
レガイン「鳥…?」
そこにあったのは、鳥のような形をした巨大な兵器だった。
F・S「見よ!これが長年の間秘密にしていた兵器、『始祖鳥』だ!」
ラプター「まんまじゃねえか。とにかく、これが『十三ノ龍達』と思われる謎の生物への対抗策になるんだな?」
F・S「ああ。万が一そういう生物が出た時のために作ったものだしな。これなら何があっても大丈夫だ。」
レガイン「じゃあ早速乗ろう。」
F・S「あー待て待て。これ機能を積みまくったせいで操縦室がせまくなりすぎたから操縦者含む4人までしか乗れないんだよ。」
ラプター「そうか。なら操作のマニュアルをよこせ。」
F・S「君が操縦するの?マニュアルなら機内にあるよ。」
ラプター「あと三人だ。白夫、お前のあの剣術なら水中戦でも大丈夫だ。そのうえ雷属性の技も使える。」
白夫「灯も同様の理由で連れて行け。あいつも決してあなどれない。」
ラプター「そうか。」
灯「ンモーそんなこと言っちゃって~、ほんとは私から離れたくないんでしょ?」
そんなことを言われた白夫は当然すぐに気絶した。
ラプター「あと一人だ。とは言っても戦えそうなやつはいないしな…」
レガイン「私が行く。魔法で援護くらいはできるからさ。」
ラプター「これで四人決まったな。」
F・S「僕とシャドナは引き続き謎の杖についての調査を進めるよ。それじゃ後は頼んだ。」
深海にいる謎の生物討伐メンバーは、すぐに始祖鳥に乗り込んだ。
ラプター「これを押せば動くらしいな。」
大量にボタンやレバーがあるなかひときわ目立つ大きめのボタンを押した。
少しずつ、始祖鳥が深海を目指して動き出した。
今までは魔法や銃火器ばかりの戦いばかりだったが、今回は龍と巨大兵器の戦いに。
始祖鳥はどれほどの強さなのやら…