第22話「天使様」
前回のあらすじ
起きて早々F・Sが下ネタ発言
十三ノ龍達に力を借りよう!
だが手がかりが全くつかめない。
そんなときラプターに無線が!
注意
今回は一部ショッキングな表現を含みます。
心臓が弱い方やグロ耐性がない方はご注意ください。
全員はヘリコプターで研究所に向かっている。
灯はラプターの発言がやはり気になるらしく、ラプターに質問をした。
灯「ねえラプターさん、手がかりをつかんだって本当?」
ラプター「ああ。俺の部下は馬鹿じゃねえぞ。現在調査している『原子竜』だが、今回発見した個体は事前に聞いた情報とは特徴が一致しないらしいが、どこが一致しないかは俺に直接話したいそうだ。」
F・S「『原子竜プルトレス』の生態調査はラプターの代になってもまだ完了してなかったのか。だがそんなことよりも、その何かがおかしい個体の話が先だな。」
レガイン「原子竜って?」
ラプター「お前のような子供は知る必要なんかねえよ。」
レガイン「そんなに重要なことなんだ。」
そんなわけで、研究所に着いた。
全員が降りたその時、ラプターはある異変に気づいた。
ラプター「お前ら、どうしたんだよ?そんな暗い顔して。」
研究員「今は何も言いたくありません…」
よほど辛いことがあったのか、全員悲しげな表情をしていた。
F・S「なら、今はそっとしよう。一刻でも早く十三の龍達から力を借りるためにもね。」
ラプター「だな。」
よくわからないものが大量に置いてある研究室に着いたら、突然F・Sとシャドナが笑いだした。
F・S「ここはひさしぶりに来るな!レガインはわからないだろうけど、僕はここで例のものを作ったんだよ。」
シャドナ「懐かしいですね。専属メイドだった時代が。」
ラプター「おいあんたら、俺もここにはあんたらとの思い出があるが、今はそんなことを語る暇なんかねえだろ。ということで、お前は『例の個体』について話してくれ。」
そうしてたまたま研究室にいた研究員に例の個体のことを話せと命じた。
研究員「すいません、やはり無理です!あの悲劇は、語れないです。まさか『天使様』が犠牲になるなんて!もう出ていきます!」
ラプター「!なに、『クレール』がやられただと?そりゃ非常事態だ。」
レガイン「いや、誰!?」
「天使様」と呼ばれる研究員がいるらしく、その研究員が例の個体に怪我を負わされたようだ。
ラプター「お前らにはまだ話してなかったな。つい最近この研究所にきた『クレール・バルキリエ』という俺の部下だ。その容姿からなのか数少ない女性研究員だからなのかは知らねえが、男の研究員からは『天使様』なんて呼ばれてる。人工細胞の実験台にはなってないごく普通の人間だ。原子竜の調査に行ったはずだが、そいつが言うからには運悪く例の個体に出くわして言いたくないほど酷い大怪我を負わされたらしいな。」
レガイン「そのクレールって人からなら情報を引き出せるんじゃないの?」
ラプター「怪我の具合にもよるな。特に両耳と両目がやられてたら会話はできないから情報は引き出せない。」
研究員「それならなんとか大丈夫だそうです。しかし今は休ませてるはずですよ。」
ラプター「なら、動けるようになったらでいいからあいつから情報を引き出すか。」
F・S「しばらくは、十三ノ龍達とは戦えないってわけだ。」
クレールなる研究員が目覚めるまで、研究所で休息をとることに決めた一同。
だが数時間後…突然灯が何かに驚いて叫んだ。
灯「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」
白夫「ど、どうしたんだ灯?そんな大声出して。」
驚きすぎてすぐには発言できなかったが、少し間を空けて語りだした。
灯「あの人右腕と右目が…!」
ラプターもその研究員を見て驚いた。
ラプター「クレール!?お前の身に何が…?」
しかしその女性は笑顔でラプターに語りかけた。
クレール「ラプター所長はご無事なんですね。」
その女性こそがクレールなる研究員だったのである。
レガイン「あなたがクレールさん?酷い怪我ですね…」
クレール「お客さんも何人か来ているようですね。そう、私がクレールです。」
大怪我を負っているはずなのに痛くなさそうにしているのはあまりにも不自然だった。
不死身の体をもつF・Sでさえもさすがにその様子には驚いた。
F・S「私はラプターの先代に努めた所長だ。ラプターも部下をもつようになったか…と言いたいところだが、君の治療が先だ。」
ラプター「ああ、あんたの言う通りだな。」
そうしてラプターが治療に必要な道具を持ってこようとした。
だが研究室を出ようとするとクレールに肩をつかまれた。
クレール「治療ならもう済ませてありますよ。だからこうして動けるんです。」
ラプター「そうは見えねえが…お前がそう言うなら信じるとするか。」
灯「いやいや、いくら無事って言ってもそれはないでしょラプターさん!」
クレール「いいんです。『再生する薬』を打ったので。心配なさらずに。」
ラプターはその言葉を聞いて不審に思った。
ラプター「ん?そんな薬あったか…?まあいい、そんな小さいことより、こいつから聞くべきことのほうが先だ。」
傷を負った箇所が再生する「薬」はないのである。
つまり…
クレール「そうそう、ラプター所長。伝えたいことがあるからここに来たんです。例の個体についてです。」
ラプター「俺もそれが気になったからここに戻ってきたんだ。聞かせてくれ。」
第2章、開幕!
基本的には研究所に「謎の龍」の発見情報が入る→交戦
という流れが続きます。