第19話「龍剣」
前回のあらすじ
陰龍ノ国へ到着
シャドナ左足負傷
白夫がNo.7に一騎討ちを仕掛ける
白夫とNo.7の一騎討ちが始まった。
後ろでその他の四人が見守っている。
だが、白夫は剣を抜いただけで構えるどころか余裕そうな表情だった。
No.7「ふざけた真似を…!」ヒュン
上から攻撃を仕掛けた。
だが着地する寸前、白夫が立ち上がった。
白夫「ふざけてんのはどっちだろうね?」カチャ
その後白夫は攻撃をかわし、何事もなかったようにNo.7が着地した。
が、しかし。
No.7「…!左足が!!!」
激痛が走った。
左足全体が大きく切り裂かれており、出血していたのだ。
ラプター「恐ろしく速い斬撃だ。俺でなきゃ見逃しちまうぜ。俺には左足を切り裂いたのがしっかり見えたぞ。」
白夫「これでもうお前も彼女と同様歩けないだろ?次は彼女を傷付けたその両腕を切断してやろうか。」
その時白夫の背後に黒い塊が近づいてきた。
No.7「調子にのるんじゃない…!」
白夫「ほう。お前は影を操れるのか、さすがは陰龍の国の住人なだけはあるね。」
笑いながら剣を腰に構えた。
その影が白夫の足に伸び、両足を折ろうとしたその時だった。
白夫「はっ!」スパァン!
灯「危ない!」ガキィン
居合い切りで周囲一帯を両断した。
白夫に伸びていた影は斬られ、無力化した。
門や城壁はひびが入っただけで済んだが、灯が防いでいなければ他の3人に被害が及んでいた。
灯「危ないでしょ兄ちゃん!」
白夫「悪い悪い。」
No.7「!両腕が…!」
斬れてはいなかったものの、衝撃波で両腕が折れた。
白夫「ちっ、斬れなかったか。まあいい、両腕が使えないならそれでいいや。さあ、それでどうやって攻撃するの?」
No.7「これが最後だ!」
喉元目掛けて音もなく後ろから影がナイフを刺そうとした。
だが白夫は剣を下ろし、
白夫「諦めな。」
そう言って剣を鞘に納め、振り返り四人のもとへ向かった。
ラプター「残念だが、お前の負けだ門番。」
少し震え声で言った。
No.7「何を言ってる…ッ!?ガハッ!」
ナイフごと影が一刀両断されていたうえ、No.7はもはや動けないくらいに体じゅうが切り裂かれていた。
No.7「…」
白夫「あれほど言ったのにな、『僕には傷一つつけられない』と。僕の首を土産になどできやしないよ。じゃあここを通してもらうね。」
ラプター「まさか無傷でそいつを圧倒するとは思わなかったぜ。」
シャドナ「ねえ、『通してもらうよ』って言っても、どうやってこの門を開けるのよ?鍵なんか白夫が切り裂いたじゃない。」
灯「そうだよ(便乗)」
白夫「この鉄の棒、鍵だったのか…」
灯「いつも通りの兄ちゃんで安心したよ。」
レガイン「なら、私が破壊するよ、みんな離れて!」ガチャン
シャドナ「避難よ!」ブゥン…
時空剣で円を描き、異空間の入り口を作った。
四人は異空間に逃げた。
レガイン「おらぁ!」カチッ
爆音が響いた。
シャドナ「収まったようね。」
ラプター「全くもって便利なもんだな、時空を操れる力は。」
レガイン「じゃ、行こうか。」
灯「父さんに会いにね。」
今回おわかりの通り、「龍剣」と白夫の剣術がある限り近距離戦ではまず負けません。