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勇者だったのかもしれない  作者: ぷっくん
戦闘開始!
25/187

シルバーランク

 というわけで出発から2か月後、俺達はシルバーランクになりました。

 そしてさらに2か月経ち、俺達は今、大陸一番東の海辺の港街に来ています。


 ここまで長かった。後ろに引いた馬車も、かなり傷んでいるし。


 飯は倒した魔物食えばいいやって思っていたら草原はスライムしか出ないし、目が無いから夜でも襲ってくるし、スライム有毒だから食えないし、食糧探して森に入ったら入ったで新生物(森スライム)の住処だったりで。


 スライム倒してシルバーランク。

 しかしスライムと馬鹿にする無かれ。図鑑に載ってるスライムの説明はこれだ。


≪東の国・草原

 スライム:ゼリー状の体の内側に青い核が一個。顔は無い。仲間を呼ぶことが多い。雑食性。相手の呼吸を奪おうとする。

 核にゼリー部が残っていると復活する。核をとってゼリー部だけを残しておくと、他のスライムが吸収して巨大化する。核は宝石として使われる。綺麗な核が欲しい場合は、ゼリー部分をきれいに洗い流せば復活しない。ただしゼリー部がくっつけば復活する。核が砕けてもゼリー部に包まれていれば時間はかかるが復活する。

 核部分がゼリー部に触れており、さらに核が欠けてなければ、ゼリー部は核から離れていても自走可能。千切れてはくっつき、くっついてはちぎれ、いずれ相手を包み込んで消化する。この性質により東の大陸の草原の覇者となった。

 リラックス時はデロデロ、戦闘態勢は半球体のゼリー状。≫


 あ、最後の一行は俺が書き加えたやつね。

 スライム、実は草原の覇者だった。昔は獰猛な魔物も草原に多々いたが、スライムによってすべて駆逐されたと聞いた。


 俺達が初めて戦った魔物、スライム。とんでもない魔物(文字通り)だった。


 最初に戦う敵じゃないだろ!ってたまたまその日に俺達の護衛担当だった隊長に言うと

「まさか倒すとは思わなかった。」と言われた。新人への洗礼みたいなもんだったらしい。


 そしてギルドでは第一有害魔物として、スライムの核にはかなりのギルドポイントをかけていた。


 森スライムは、そんな平原のスライムが森に対応しだした奴。

 俺達が初発見だったらしく、その時は大事件になった。このままでは大陸中の生物がスライムの餌食になってしまう、と。


 それの発見とボスの個体を倒したって事で、以前から街を渡り歩きながらコツコツ貯めていたギルドポイントを合わせて、見事≪シルバー・ふたば≫に昇進したってわけだ。


 あの時は大変だった。森に入ってようやく動物系の魔物倒して飯にしようとした時に、全長5mの緑色の森スライムボスがデロデロしながら木の上からズッバーンと襲いかかってきて。


 何か首の後ろがピリっとしたなって、ふと上を見たら緑のゼリーが降ってくるんだもん。もうパニックだわ。


 銀もケモラーさん(本日の護衛担当)も敵の気配に気づかない事なんて初めてだったし。

 森スライムボスの中には鎧を着た(ちょっと身の残ってる)白骨になりかけ死体がぷよぷよ浮かんでて。黒蹴は吐くし、ピンキーは襲われた時に取り込まれるし。


 白骨死体と一緒に溺れるピンキーを助けようと俺が魔弾、銀と黒蹴が雷と水の魔法を合わせて貫通させようとするもゼリー部分が厚すぎて核に届かなくて。


 ウワーダメだこれピンキー死んだって思った瞬間に、ケモラーさん(本日の護衛担当)が木に巻いたロープを自分にも巻きつつ森スライムボスに飛び込んで。そのままピンキーに抱き着いたから、皆で引っ張り出した。


 その後は倒す作戦見つからないまま逃げ回っていたら、急にボスが死んだ。

 どうやらピンキーが塩の袋を持ったまま食われたらしく、袋が溶けて中の塩のせいで脱水症状になったらしい。


 平原スライムならそんな事は無いんだけど、森に適応するために水分の吸収&保水能力が下がっていたっぽい。

 平原より水気多いもんな、森。


 そして森スライムボスの核と出現場所を最寄りの町の派遣ギルドに通報し、調査の結果が新種だったという訳だ。塩に弱いって弱点が無ければ、森の生物が死に絶えていただろうと言われた。


 その功績が認められて、通常より早くシルバーになったらしい。(ちなみに銀はシルバー・わかぎに昇進)


 こんなところだ。

 そういえば港街に着く2週間ほど前に、世界樹島での冬祭りがあった。

 召喚されてから6か月。半年よくがんばったなー。


 え?話が飛びすぎててよく分からない?

 じゃあ俺達が城下町を出発した時からザッと話そう。


 *


 俺達はギルドで簡単なクエストをいくつか受け、城下町から旅立った。

 今回の旅、俺達は1つのルールを設けていた。


≪緊急時以外、転移魔法は使わない≫


 普通、転移魔法なんて使えない。もしもこの能力が失われてしまったら、俺達は逃げることも出来ないただの一般冒険者だ。


(ちなみに≪転移≫するには、武器から地図を出して目的地を思い浮かべなければならない為、本当の緊急時には役にたたなさそう)


 という訳で俺達は旅に必要な物を詰め、大荷物を持って城下町の門をくぐる!この重さにも慣れなければならない!


 門を出た所で本日の護衛・ポニーさんが待っていた。馬車と一緒に。

 王様のしわざ(?)でした。移動が楽になりました。あ、馬車を引くのはポニーさんじゃなくて馬だったよ!当たり前か。


 この馬車見た目は普通だったが、スゲーでかかった。

「5人で乗って街道を爆走しなされ」っていう王の言葉が聞こえてくるような大きさだった。行商でもするの?

 俺達は、徒歩で移動した。


 そして道すがら魔物を倒し、植物や鉱石を採取し、見つけた町でギルドに報告をする。

 多少でも大きい街には派遣されたギルド職員が居た。

 さすが田舎のギルド職員、全員腕っぷしが強そうだ!

 あと女性職員は居なかった。血の気が多いギルドは危ないかららしい。

 残念、手のひらからにじみ出るヒールで癒そうと思ったのに。


 王都の女性ギルド職員さんは、元々冒険者だったらしいよ。


 大陸の西にある王都から街道ぞいに進み、大きな町にたどり着く。ここは王都と港街を繋ぐ中間地点だ。


 城下町ほど派手ではなく、かといって質素でもない、丁度お金持ちの別荘地のような感じだった。

 実際にそうなのかもしれないね、とピンキーが言っていた。


 途中森や山や湖、地図にも載っていない小さな村などに寄り道しつつだったので、付いた頃には2か月たっていた。


 そして≪ブロンズ・たいぼく≫に上がるまでここを拠点にしばらくクエスト。


 昇進したので出発し、近くの森に寄ったら森スライム事件。すぐにさっきの大きな町にとんぼ返りし、派遣ギルドに報告。

 ランクが上がり、そのまま港町まで石碑を探しつつ徒歩(+馬車)で旅を続けた。


 ちなみにシルバーランクになった時に、兵士の護衛は無しでも良いと許可が出た。

 皆、一人前と認められてうれしい顔をしていた(が、貴重な女性成分が消えたため落胆した表情もしていた)。俺も悲しかった。隊長と会えなくなるのは別に良かった。


 そして冒頭に戻る、という訳だ。

 旅をしていた合計4か月の間、銀の簡単な体術や斥候の技術など、もろもろの事を学んだ。


 俺はシルフに頼んで音と臭いを消せるので、かなり向いていたようだ。


 *


 俺達は東の国の港町のギルドに居た。

 皆で一つのクエストを受ける。

 4人で一緒にクエストをするのも、今後しばらくは無いだろう。

 俺達はギルドを出る。


 町は白い石灰で彩られていて、真っ赤な屋根と白い壁と青い海のコントラストがとてもきれいだ。ニホンの二人は、地中海のようだと言っていたな。


 俺達は街を出て、近くの森に向かう。

 今日受けたクエストは、薬草採取。4人で初めて町の外に出た、あの日と同じクエストだ。


 ・・・俺達は、しばらく行動を別にすることになった。



 ====================

 ここで4か月での成長を書こう

 ・合計石碑≪登録≫数:20個(世界樹島と城の枝は除く)


 技術

 ・ニルフ

≪剣と魔法の世界から召喚・シルバーふたば≫

 剣術

 魔弾

 身体強化(魔力を纏わせる)

 シルフに頼んで音を拾う

 シルフ石で話す(連続使用可能時間10分)

 読み書き

 薬草学・動植物の見分け方、調理法

 手のひらからじんわり漏れ出るヒール

 厨房のおばちゃん達のコネ(城のうわさが集まる)

 隠密行動・斥候技術

 軽い体術

 シルフのお供(シー君・フーちゃん)


 ・銀

≪魔法が存在する傭兵の世界から召喚・シルバーたいぼく≫

 剣術

 魔弾

 初級魔法(弱)(火、風、水、雷、氷、土)

 身体強化(魔力を纏わせる)

 武器強度強化(魔力を纏わせる)

 斥候技術

 投げナイフ

 格闘

 毒の知識

 読み書き

 薬草学、動植物の見分け方

 スライムのお供


 ・黒蹴

≪魔法の無いニホンから召喚・シルバーふたば≫

 魔弾

 銃術

 格闘(双銃剣で殴る)

 初級魔法(火、風、水、雷、氷、土)

 読み書き

 軽い体術

 サッカー


 ・ピンキー

≪魔法の無いニホンから召喚・シルバーふたば≫

 剣術

 格闘

 初級魔法(火、風、水、雷、氷、土)

 料理

 薬草学・動植物の見分け方、調理法

 読み書き

 軽い体術

 行商術

 異世界ハザード


 次に魔法だ!


 黒蹴:サッカーボール台の炎弾8発→27発

 ピンキー:直径50cmほどの雷の柱3発→22発

 銀:サッカーボール台の水弾3発→12.5発(最後は半分ほどの大きさだった)

 ニルフ:こぶし大の魔弾10発→25発


 ちなみに最初の数字が≪初めて測定した分≫で、2つ目が≪4か月後の測定分≫だ。

 俺の魔弾の増加数がおかしかったためギルドマスターに聞いてみたら


「魔弾で魔力を測るのは無理だぞ?体調の良しあしがモロに出るからな。」


 と言われた。というわけで俺の魔力は測定不可能だ!(こう言うとちょっとかっこいい!)


 最後に、ギルドのランクの大体の目安を教えてもらったので書いておく!

 ブロンズ・ふたば:かけだし冒険者

 ブロンズ・わかぎ:喧嘩が強めの人程度

 ブロンズ・たいぼく:狭い村で≪腕が立つ≫と言われる程度


 シルバー・ふたば:兵士教育受けた一般兵士程度

 シルバー・わかぎ:腕の立つ兵士程度

 シルバー・たいぼく:隊長レベルの兵士程度


 ゴールド・ふたば:大きな街の英雄程度

 ゴールド・わかぎ:王都にも名前を知られる英雄程度

 ゴールド・たいぼく:誰もが知ってる英雄程度


 ギルドマスター、ゴールド辺りになって説明に飽き始めてたな・・・。

銀は4人の中では飛びぬけて強く見えますが、兵の中では≪ちょっと気配に鋭めの少し腕の立つ兵士くらい≫の強さです。

そろそろ物語が動き始めます。長かった?


次回メモ:転移

読んでいただきありがとうございます!

同じシリーズで、短編書いてみました。3話です。

思いついたのをそのままズバーっと書きました。

良ければどうぞ!

ユニークアクセスって所を初めて見た所、30名ほどの方に見ていただいていました!がんばって完結まで持っていきます!(先は長い)

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