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勇者だったのかもしれない  作者: ぷっくん
地面に向かって突き刺され!!
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久々の戦い

 廃村の入り口にあるのは、3つの人影。ゆっくりとこちらに、近寄ってくる。

 1つは、身長100cmくらい。目と髪は黒く、カールした髪をおかっぱにしている女の子。

 何故かメイド服を着て胸を張ってる。

 この子はジジと言うらしい。

 さっき自分で言ってた。


 そのジジは今、一人だけ飛び出して俺たちに向かって疾風のように走ってきていた。

 と、懐に手を突っ込んで一対の棒を取り出す。

 あれは・・・?


ピ「ヌンチャクだ! 接近を許さないで!」


 ピンキーの言葉で俺はピンキー達の後ろにジャンプ! そのまま走って後ろでハープ持って待機!

 前衛は任せたぜ!


 と、同時にポニーさんがデカい斧を持ってジジに肉薄し、ピンキーが狼になって、ジジを飛び越して後ろの二人へと突き進む!

 瞬間!

 突風が、俺たちを吹き飛ばした!


 吹き飛ぶピンキー!

 突風の中心はジジ!

 その前で斧で応戦したのはポニーさん!

 背中に流れるポニーテールがフワンと揺れる!

 しかし背が低いうえに素早いジジに、なかなか当たらない!   


ポ「ちょこまかと!」


 舌打ちしつつもジジの攻撃をいなしてる!

 と、ジジの顔がキリッとする!


ジ「ふぉぉぉお! あ し も と こ う げ き」


 言うなり。

 さらに激しくヌンチャクを振り回し始めたジジ!

 早すぎてヌンチャクが見にくい!


ポ「ぐっ、この!」


 なんとその速度のヌンチャクにすら対応したポニーさん!

 でも、下半身を中心に小さくない傷が増えていく!

 さっきは重い斧のお陰で突風でも吹き飛ばされなかったポニーさんだったが、その分しっかりと地面に重心を置いているからか、ジジの足下の攻撃に弱いっぽい。


 呻きつつも致命傷を負わぬよう、なんとかジジを押さえ込むポニーさん。でも、時間がたてばたつほどポニーさんには不利だ!

 それでも必死に食いつくポニーさんを、ジジはかわいらしい見た目とそぐわぬヌンチャク裁きで容赦なく追い詰める!

 追い詰めてるけど実はこっそり後ろから、俺が魔法ハープで回復させてる。

 ジジがキョトンと首をかしげた。


ジ「おかしい。

  けが してない」

ポ「・・・この速度程度なら、慣れれば簡単にいなせます」

ジ「いや ちがう

  ・・・えいっ」

ポ「!!!」


 また一瞬、ジジが大きくヌンチャクを振るった。ように見えたと思ったら。    

 浮遊感と共に魔界のてんじょうが岩に激突してた。目の前が一瞬暗くなる。


若〔・・・ルフさん!ニルフさん!〕


 暗闇の中から、若葉の声がした。

 とたんに、目の前に光が戻る。


ニ『う、いてて。あれ、若葉。今何が。あ、俺、気を失っ』

若〔天井に岩が衝突したんではなく、ニルフさんが浮いて岩に吹っ飛んでったんですわよ〕

ニ『あ、はい』


 丁寧な説明をありがとう。できればもうちょっと心配してほしかったな。


 ちょっとグチりつつハープを持ち直して風の魔法を乗せる。

 頭を中心に全身ズキズキしてたのが、スッと収まっていった。


若〔大丈夫ですの?〕

ニ『なんとか!』


 最初に空から岩飛んできた時に全身強化魔法かけてたけど、それのお陰で深刻なケガはしてないっぽい。

 え、そんな描写無かった? なんかね、無意識でかけてたっぽい。無意識ばんざい。

 

 

 ホッとしてポニーさんに目を向けると、竜巻と戦ってた。

 え、竜巻?!

 しかも全身から血をダラダラ落としつつ歯を食いしばって斧で竜巻を殴ってる。

 なんで飛ばされないんだ?


ニ『なんだか前より足が短くなってるような』

若〔上!避けて!ください!〕


 若葉が叫ぶ。

 反射的に右へ跳ぶ。

 今立ってた場所に、竜巻から岩が飛んできてめり込んだ。


ハ「ぽにー!イクゾ!」


 ハーピーの声が降ってきた。

 上を見ると、ハーピーが岩を落としてた。

 その岩は竜巻に当たると弾かれて加速して、あっちこっちへ吹っ飛んでく。

 弾丸のように。


 ってアブねえ!


若〔ハーピーさん!こっちに飛んできますわよ!〕

ハ「にるふ。若葉守レ!」

ニ『え、ちょ。無理』


 っていうか何で石落としてるの!?

 竜巻の突風にあおられて気を抜いたら降っとんで、空からは周りに落ちてた岩がハーピーによって弾丸のように飛んでくる。

 歩くだけで血だらけになるんだけど!

 これ自己全身強化魔法使ってる俺がこの状態って、他の仲間が食らったら結構やばいんじゃないか?


 あ、だからポニーさんあんなに血だらけだったんだ!

 って、それだったら早く回復しないとポニーさん死んじゃう!

 体を低くして岩に隠れ、右腕でハープを庇い、左手で顔を庇い、それでも体をふっとばされつつ必死に目を開けた。

 なんとポニーさん、足をスネまで地面に埋めて竜巻の風に耐えてる!?


若〔どうやって埋めたんですかね〕

ニ『知らん!』


 体中に切り傷を負い、足を埋めてまで力強く斧を振るっているが、竜巻を倒せない。

 それよりジジって敵が居ないんだけど!


ニ『若葉! ジジどこいった!?』

若〔探してみますわ!〕

ハ「中ダ!」


 ハーピーの声が小さく聞こえた。

 中!?

次回メモ:け


いつも読んでいただき、ありがとうございます!!!

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