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勇者だったのかもしれない  作者: ぷっくん
召喚者with俺
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世界樹の武器

 皆様こんにちは。俺のあざ名が決まりました。

 どうも、ニルフです。


『ちなみに・・・由来は?』

「はい! わたくしが あなたの周りに常に2匹のシルフがくっついていることに気付きまして、それを元にピンキーさんが考えました!」


 若葉はいい笑顔で答える。シルフが2匹ついてるからニルフ。へぇ。


「ニルフさんも僕達の元に仲間入りですね」

「早くこっちにおいでよ・・・ニルフ君」


 やめて手招きしないで黒蹴さんとピンキーさん。

 結局銀だけ、まともなあざ名になった。


 *


 木の根元に座り空を見上げて黄昏る俺たちに、じいさんが近寄ってきた。

 なんだジジィ。慰めなんていらないぞ。


「なぐさめる気も無いわい。すっかり太陽も高くなってきたからの。

 そろそろ おぬしらに世界樹の武器を与えようかと思っての」


 一瞬で元気になる俺たち。単純だな!


「単純じゃの!」

『うるせえわ!』


 じいさんは俺たち4人を泉に連れて行った。さっきピンキーが水浴びしてた所だ。泉の真ん中には石碑が立っている。水の中なのに風化していない。きっと強い魔法だな。


「この泉にの、枝を突き刺してみるのじゃ」

「突き刺すとどうなるんだい?」

「聞くより実際やって見るとええわい」


 ピンキーの質問にじいさんが答える。俺たちは泉のふちに立ち、水に枝を突き刺した。


 ピカァー!


 輝きだす枝。俺達の手を離れ、目の前に浮いたまま光の玉になり・・・。

 光がはじけた瞬間、それぞれの目の前に木刀が現れた。え?木刀!?


 戸惑いながら目の前に現れた木刀を手に取る俺達。色は薄い茶色。枝と同じ色だ。

 手に取った瞬間、木刀が変化をする。うねうねと動きだし、形が変化して別の武器になった。

 変化する間、2人がぼそぼそと何かつぶやいている。シルフが伝えてきた。


 黒蹴「サッカーに関するものサッカーに関するものサッカーサッカーサッカー

 ピンキー「ピンキーちゃんの片手剣ピンキーちゃんの片手剣片手剣かたてかた


 かなり怖い。

 しばらくすると3人の武器の変化が収まった。俺のはまだ、うねうね中。


 銀の武器はでかい両手剣。片手で軽く振り、うなずく。


 ピンキーは変化するときに大きく「片手けぇぇーん! 」と叫んだが・・・。ちゃんと片手剣になってる!ほおずりして泣くピンキー。泣きすぎだ。


 黒蹴の武器はしばらくうねうねしていたが・・・急に2つに分かれた!

 そのまま両手に収まり、形が整う。手に収まっていたのは、2丁の銃剣だった。


「え? サッカーは? 銃って・・・ハンドじゃないですかぁー!」


 黒蹴の、よく分からないたとえの絶叫が響き渡った。

 呆然とする黒蹴から目をそらし、俺は自分の武器を見る。うねうねが収まって・・・。


 木刀に戻った。


 サッと3人に目を向ける俺。サッと逸らすピンキー。武器を振り続ける銀。泉に銃を投げ捨てようとする黒蹴。

 俺も投げ捨ててみる。てぃっ!

 ジジィに殴られた。


「なにやっとるんじゃい!」

「もう一度!もう一度試してみるんです!!!他の枝で!!!」

『止めるなジジィ!』

「バカモンが!何度やっても一緒じゃい!枝を持つ者に一番適した形になるんじゃからな!」


 がっくりする俺達。


『俺もっと強そうな武器が良かった・・・』

「うぅぅ。サッカー・・・」


 お前まだ強そうな武器でいいじゃん。


 *


 それぞれの武器を観察してみる。

 全ての武器の表面に 綺麗な蔦の模様が刻まれている。色はさっきと同じで 枝と同じ薄い茶色。

 見た目は精巧な木の模造品。攻撃したらすぐ痛みそうだ。


 銀の両手剣:全長は銀の足元から首元辺りまで。横幅は40~50cmと言った所。

 ピンキーの片手剣:一般的なロングソード風の形と大きさ。

 黒蹴の双銃剣:短銃タイプ。トリガーガードの前にもう一つ、手を守るようなフレームが付いている。ここが刃になっているようで、殴っても強そう。見た感じ木だけど大丈夫なのか?

 ニルフ(俺)の木刀:表面に蔦の模様がある以外は、一般的な木刀。剣術の稽古に使われる奴。泣いていい?



 俺達の武器を確認した後、じいさんが咳払いして俺達に言う。


「その武器はな、成長するんじゃ。

 この世界には精霊の力が強い場所がいくつもある。そこには此処のような泉と石碑があってな。その場所に今のように武器を刺してみるとよい。

 精霊の力を受け取れるじゃろう。ワシらはこれを≪登録≫と呼んでおる」

「登録すると、オレ達に何か変化はあるのか?」


 銀が質問する。


「うむ。まず魔力が上がる。属性を持つ大精霊から力を受け取れれば、中級の魔法が使えるようにもなる。

 後な、これはあまり知られておらぬのじゃが・・・おぬしら人族にも属性があっての。

 その属性に見合った精霊から力を受け取るとな、その属性の大魔法が使えるようになる。さらに武器の強化も見込めるのじゃ」


 俺達の顔を見て、じいさんは一旦話を区切る。少し考えて、じいさんは続けた。


「まず、この世界の精霊の定義について話した方がよさそうじゃのう」


 *


 じいさんの話は難しかったが、要約するとこういうことだった。


 1.世界の各地には精霊の集まっている場所がある。そこには泉と石碑がある。

 2.精霊には 力の弱い小精霊 属性の力を強く持つ大精霊がいる

 3.世界のほとんどの泉と石碑には小精霊達が住んでいる。登録すると魔力が上がる。

 4.属性の強い場所には大精霊が住んでいる。登録するとその属性の中級魔法が使えるようになる。自分の属性と合えば、大魔法取得と 武器の成長が出来る。

 5.≪登録≫した場所には 武器の力でいつでも転移できる。≪登録≫した場所以外には転移できない。


 きっと簡単に教えてくれたんだろう。


「大精霊の居る場所にはの、世界樹が生えておるんじゃ。ここよりずいぶんとちっちょいがのぅ」


 じいさんは自慢げだ。


「大精霊以外の泉と石碑は どんな場所にあるんですか?」

「その辺の森や、洞窟の中、町の横の花畑や山の山頂。さまざまな所にあるぞい。もちろん、街中にもの。まぁすべての町ではないがな。他に質問はあるかの?」

「ハイ!!! 先生!」


 ピンキーが勢いよく手をあげる。


「ステータスはどこで見れますか!」


次回のメモ:言葉


読んでいただき、ありがとうございます!

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