1.転生・・・?
「伯爵様!伯爵様!」
俺が目を開けるとそこには見知らぬ天井とともに医師やメイドと思われる人々がいた。
「知らない天井だ・・・」
俺はどうやら自分は一命を取り留めたらしいと判断してそう呟くと側にいた年若いメイドが泣きじゃくりながら抱きついてきた。
ん、メイド・・・?なんでメイドがこんなところにいるんだ?
「伯爵様が倒れられてさっき呼吸が止まったときなど自分はこれからどうすれば良いのかと思ってしまったではありませんか・・・
とにかく意識が戻られて本当に良かったです。」
と涙を目に一杯に貯めながらそのメイドは言う。
一体どういうこっちゃ、と思っていると医師と思われる年老いた男が進み出てきて口を開いた。
「伯爵様は先週より謎の高熱と身体の節々の痛みを伴う病に罹られ、先程など心臓まで止まっておられたのです。その状態より回復されるとはさすがは伯爵様でございます。」
などと言う。
ますます訳が分からなくなった俺が部屋を見渡すと、そこには電灯もないのか油を燃やしていると思われる古くさいランプと開け放たれた窓越しに広大な畑が広がっていた。
「なにが起こってるんじゃぁぁぁぁぁぁぁ」
街の郊外にある館に男の悲鳴が響き渡った。