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-美しき世界の果てを見てみたい-  作者: アンナトルテ
2/2

揺り籠

此処は、《ハウンズ》養成所又の名を《クレイブル》は、ガラス張り100階の高層ビルである。


ポーンッ


高音の電子音が廊下に鳴り響く


[C13,E3直ちに34階会議室へ]


ポーンッ


[D9,D7直ちに47階会議室へ]


ポーンッ


[A7,A5直ちに87階会議室へ]






「ふわぁ!今日はNo.Aまで呼ばれてるね〜!」

水色のふわふわと揺れるショートボブにクリっとした丸く大きい瞳がらんらんと光り、高めのアルトが楽しそうな声色を発する。


「A2、静かにしろ」

クリーム色のセミロングの髪をした前髪を横に留めた、切れ長の瞳をした小柄な少女が、A2と呼ばれる少女に向かいキツめの声色で注意した


「むむ〜、A1は短期だなぁ〜」

ぷくっと頬を膨らませ、A1と呼ばれる少女を見た









この二人、水色の髪をした少女をA2、クリーム色の髪をした少女をA1、二人とも《ハウンズ》の中では一番と二番の実力者である。








ポーンッ


[A1,A2直ちに99階会議室へ]


「うえっ!?まっじぃ!?」


「…行くぞ」


「久しぶりのしっごと〜」


はしゃぐA2と冷静なA1

《ハウンズ》のトップ二人が出動するのは極希である。












99階会議室に到着し、頑固なドアを叩いた


「入れ」

しゃがれた声が応えた


「「失礼します」」


「No.A1只今参りました」

「No.A2!只今参りました!」


冷静に言うA1とは対照的にハキハキと喋るA2


「君らに集まって貰ったのは他でもない…仕事だ」


しゃがれた声の男が席を立つ

逆光で見えなかったしゃがれた声の男の顔が明らかになる


白髪混じりの黒髪をワックスで後ろに撫で付けた40代前半の目つきの鋭い頬がこけた男の姿だった。



「総督…それで、今回はどのような任務なのでしょうか」


静かにA1は訪ねた


「私達で仕事なんてどんだけヤバイのですか!?」


どことなく嬉しそうに訪ねたA2に、総督と呼ばれた男は厳しい視線を投げかける


「A2…君は言葉の使い方を学ばなかったのか?もう少しトップ2としての自覚を持って欲しいものだ」


「ごめ、すみません」

A2は、シュンとして肩を落とした



「まぁいい、それでは本題に移ろう

君たちにやって欲しい任務は…」



















「ぶ〜、また怒られちゃった」

唇を突き出しながら項垂れるA2に、A1は応えた


「確かに、総督はいつも温厚なのにお前に対しては厳しいな」


「でしょでしょ〜!!嫌われてるのが丸分かりだよ〜」


「…にしても、妙だな」


「ん〜何が?」


「今回の任務だ、無力な障害者を一方的に殺すのだろう?」

苦い顔をしてA1は言う


「だよね〜そんなの下っ端に殺らせとけだよね!」

ニコニコとして言うA2に、A1は顔を歪ませた


「そうではない、お前はおかしいと思わないのか?抵抗出来ない一般人を殺すのだぞ?」


「だぁって一般人っていっても障害者でしょ〜?社会のゴミでしょ〜?生きてても価値ないじゃぁん」


「っ!もういい」


A1はA2を睨みつけ、踵を返し歩き去っていった



狂ってる…A1がA2に抱いた感情だった

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