紙を使う魔法
短めです。
「あっ、君は…どうも。」
「はい。」
男はそう告げると、トイレのある方に歩いて行った。私はそれを見つめる。
「何事であろうか…」
私はそう呟く。
そして、トイレの方から男がまた戻ってきた。
「警部、これは魔法を使っています。何かはわかりません」
男が魔法などと述べているのを聞き、反応してしまう。私は男の話を集中して聞く事にした。
「紙が散らばっており、その紙によるものだと、考えました。」
「そうか…紙…か。
しかし紙では人を殺せないかと」
これは私の考えだが、トイレで人が殺された。それも魔法を使って。紙を使う魔法で。
私は仕事柄、紙を使う魔法は全部把握している。そして高等魔法だということも知っている。
「ちょっとすみません。」
私はもう我慢できなくなった。好奇心が騒ぎ出す。
「私、魔法の辞書などを監修している者ですが、何かお役に立てる事はございませんか?」
私は警部とやらに聞く。
「ならば、問おう。紙を使った魔法には何種類ある。」
警部が意地悪そうに聞いてくる。もちろん、私は即答であった。
「紙を使った魔法は100個近くあります。しかし系統で言うと2種類です。ほとんどが応用型などですね。」
私がそう言うと、警部は不快そうな顔をした。男は高らかに笑い出した。
「かなりの戦力になりそうですね。いやぁ。全然魔法についてわからないんすよ。」
男は笑いながら言った。
「ならば、仕方ない。
頼むぞ」
「はい!」