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【番外編】獅子の牙②

「クソがッ……新人冒険者じゃねーんだぞ!  

 長々と説教しやかって、俺達は——この街一番の冒険者だってのに……」


 ブレインは、そんな文句を言いながらクエストを受注する為にクエストボードを見ながら……受付のミリヤに話しかける。


「ミリヤ——ッ! なんか報酬の良いクエストは無いのか?」


「これなんてどうでしょう?」


 そう言って、ミリヤが渡して来たのは——大蛇が進化した。

 蛇型のバジリスクの討伐——。


「硬い鱗に覆われていて、毒と高い攻撃力を誇りますが空は飛べないので、ランク的にはBプラスと言ったところでしょうか……。中型のワイバーンよりは簡単に討伐出来ると思いますよ」


「まあ、ドラゴン退治ぐらいのクエストが本当は良かったのだが……

 報酬もなかなか悪くないな……とりあえず、これにするか……ね」


「俺は、良いぜ!」

「私もかまわない」

「私も……」


 そして、全員一致でバジリスクの討伐に向かう事になった。


 それから森を抜け大蛇の群生地である湿地地帯に到着すると……


「バジリスクは、何処だよ……!?」


「そんな事より。何だ!? この大蛇の数は……」


「何だよ。バジリスクだけが居るんじゃねーのかよ……」


「文句を言って、もしょうがないでしょ!

 もともと、バジリスクは大蛇が進化してバジリスクになったんだから。その周りには、大蛇が居るのは、当たり前でしよ!

 こんなに居るとは思わなかったけど……」


「でも、大蛇の方は——わりかし小さな個体も多いですから。ブレイン達の障害には、さほど影響は無いと思いますよ」


「まあ、いい。大蛇を倒しながらバジリスクを探そう……」


 そう言うと、ブレイン達は順調に大蛇を倒しながらバジリスクを探していた。

 しかし、誰も口には出さなかったが……皆んな、使っている武器に少し違和感を感じていた。


 そして、一番奥にトグロを巻いた大きなバジリスクを見つけるとブレイン達の本当の戦いは——ここから始まるのであった。



「見つけた……起こさないように、ゆっくり近づこう」


 ブレインが、そう言い。指でGOサインを出すと——みんなは黙って指示に従った。

 そして、全員が配置につくと……クミンによる氷結魔法で、バジリスクの足元を固めると体温低下により動きが鈍くなったバジリスクにブレインとラルフが同時に襲いかかった。


「おりゃーーーッ!!!」

「オラーーーッ!!!」


 そして、二人の渾身の一撃がバジリスクに直撃すると……二人の武器は、簡単に砕けちった。


「「はぁ!? どなってやがる——ッ!!!」」


「ちょっと、二人とも——来るわよ!」


 バジリスクが氷結魔法を砕き! 暴れ出す。


「プロテクション——ッ!」


 間一髪、レインのプロテクションによって守られたブレイン達は、一度——魔法攻撃を与えてバジリスクと距離を取ると……


「確かに、高位のバジリスクの中にはワイバーン並みに硬い鱗を持つモノも居ると言われているけど……

 それにしても、二人の武器を同時に砕くなんて——いったいどれだけ硬いのよ。あのバジリスクは……

 それと、二人とも他に武器は用意しているの?」


「俺は、これだけだ……」

「俺もだ……」


「どうするの? アタッカーの二人が居ないんじゃ話にならないわよ」


「ここは、いったん引きましょう。引く事も……また勇気です」


「しかし、クエストを失敗したなんてギルドの皆んなに知れたら……」


「俺達の面子が丸潰れだろ……」


「だから、引く事も——また勇気だと申しているのです!」


「なあ、クミンの魔法だけで倒せないのか?」


「無理よ! 弱らせる事は出来ても、決定打にかけるわ……」


「何だよ! 使えない奴だな。

 なら、今回の失敗は……お前のせいだな」


「はぁ……? 何、その言い草——。

 言っておくけど……今回の敗因は、あんたら二人が武器の手入れをしてなかったのが原因だからね。

 それを勘違いして、私に罪をなすりつけないで——ッ!!!」


 その間にもバジリスクは、激しくレインのプロテクションを攻撃してくる。


「揉めてる場合では、ありません。

 急いで、撤退の決断を……」


「はぁ!? 何で、撤退する事が決まってるんだよ! お前が決めるんじゃねーよ!」


「分かりました。では、指示を……」


 すると、バジリスクの毒の攻撃によりプロテクションが溶け出すと……

ポタリ……と落ちた。その雫が……レインのローブを溶かすと綺麗な肌を火傷の様に溶かした。


 そして、その毒の攻撃にレインが悲鳴を上げた。


「ぎゃあぁぁぁーーー!!! 私の……私の肌が……………」


 すると、レインはプロテクションを解くと自分にヒールをかけた。


「おいッ! レイン——プロテクション!!!」


 自分の綺麗な肌の怪我の回復に集中するレインには、皆んなの言葉は入って来なかった。

 しかし、火傷の様な傷はヒールにより。みるみる回復して行ったのだが、防御がお留守になった冒険者をバジリスクは見逃さなかった。

 そして、バジリスクの尻尾の攻撃により四人は吹き飛ばされてしまった。


読んで頂き! ありがとうございます。(*⁰▿⁰*)


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