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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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驚きは続く

今ではすっかりこの世界というか、このイリーリニムという国に受け入れられている日本人。

じゃあ他の国は?


夕飯をご馳走になりながら、アランさんとカターニャさんをさらに質問攻めにしようとしたその時。


ドンドンッ


「アラン、居るかーい?」


「今行くよー」


夜にも薬局のお客さんが来るのかな?

台所からは見えないが、アランさんとお客さんは何やら話している。


「すまないが少し出てくる」


アランさんはジャケットっぽい上着を着ながら、カターニャさんに言った。そして私に向けて、


「ゆっくり疲れを取ってくれ。」


「ありがとうございます。お気をつけて。」


台所でアランさんを見送り、アランさんはお客さんと外へ出て行った。


「慌ただしくってごめんね~。寝るところは娘の部屋を使っていいから!」


助かります。このまま放り出されたらどうしようかと思ってました。

ダメだったらお金を借りて宿を教えてもらわなきゃいけないところだった。


「ミサオ、お風呂入るでしょ?」


カターニャさんのその言葉に、文字通り私は飛び上がって喜んだのだった。



────────────────────



「お風呂」とはいえ、ワイン樽と味噌樽の中間みたいな樽を立てて、水を入れて焼き石を入れて温める原始的なお風呂。

でもシャワーもあるし、体も洗える。

一体どんな仕組みなんだろうか。

そういえば、怒涛の1日だったなぁ。

湯船に浸かってうとうとしていたら、風呂の外からカターニャさんが「着替え置いとくよー!」と去って行った。


ありがたや。


お風呂上がりでホカホカして、台所のカターニャさん「お風呂いただきました~」って伝えたら、


「お風呂も『いただきます』なの?」


と興味津々。語源とか由来とか知らない私は曖昧に笑うしかない。


そうだ、アランさんの居ない間に訊いておかなきゃいけないことがある。


「あの、カターニャさん、教えてほしいことがあるんですけど・・・」


私が知りたかったこと、それは女性なら分かる、月に1度のアレだ。

生々しいかもしれないけど、生きていくなら準備はしておかないと。


私の質問にカターニャさんは、


「えっ今なの!?」


「いや、まだ先ですけど、この世界の物がどんな物かも分からないし、知っておきたくて・・・」


カターニャさんは背伸びして私の頭をポンポンする。

いや、子供じゃないんで。


「ミサオはさ、心配症だね。でも時々 人の話を聞いてても全然違うこと考えてたりするから、大人なのに子供だね!」


えぇぇ

褒められているのか、貶されているのか、どっちなんだーい!




──────────────────────



私の心配は、カターニャさんが実物の商品を見せてくれたので解決した。

布製だし、日本製よりは機能的に劣っているかもしれないけど、まずは安心。


だってラノベにはそんな事 書いてないもんね。いや必要ないから書いてないんだろうけど。


それから私は、カターニャさんにこの世界の化粧品や洋服のことなんかも教わった。

下着のパンツは、元々は女性もトランクスだったのだそう。

でも日本人が、「元の世界の下着が履きたい」と服飾屋で頑張り、スポーツブラみたいなものも作ったのだという。

日本人、侵食してるなぁ。でも先達に感謝。


「アランさんが夜に出かけることって多いんですか?」


まだ帰らないアランさん。


「時々かな。前の仕事の関係で、相談されることが多いんだよね~」


「元々 薬師じゃないんですか?」


「アランは、前王室医局長だよ」


何でもないことのようにカターニャさんは言うけど、「ぜんおうしついきょくちょう」を脳内で漢字変換するのに私は時間がかかった。


偉い人じゃん!!


やはり異世界。驚くことばかり。





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