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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
65/68

盛者必衰

前回よりさらに無駄に長く・・・。

そしてオネェさんの1人語り?

話の整合性が取れているか心配です。すみません。

サクルムラポニア


かつて南大陸に、マンクス帝国という国があった。

文明は繁栄していたが、魔物は増加の一途を辿(たど)り、その原因が南大陸の魔王にあると考えた帝国は、魔王討伐の為に勇者を召喚した。

召喚されたのは日本人の若者11人。

彼らは魔王を討伐後、全員が帝国から爵位と領地を与えられたが、その後帝国からの独立を宣言。

帝国は独立を認めず、日本人勇者達の領地に軍を進め、日本人の若者達は迎え討った。

内乱は苛烈を極め、日本人達は仲間を3人失うも結果は勝利に終わる。

そしてマンクス帝国を倒し、サクルムラポニアという名の国を建国。

国土は戦いにより荒れ果てていたが、日本人達は短期間に復興を成し遂げる。

文明は以前のマンクス帝国の時よりも発展し、魔法も研究によりさらに高度になった。

人々の記憶から 内乱の出来事が薄れようとしていた頃、 サクルムラポニアは近隣諸国の連合軍に侵略され、滅亡した。



キャメロンさんが教師のように滔々(とうとう)とサクルムラポニアの歴史について語る。


滅亡した、と言い終えると キャメロンさんは私を見た。


「どうせミサオのことだから、質問いっぱいあるんでしょうねっ。」


うんうん、ありまくりですよ。


キャメロンさんは脚を組み替える。


「じゃあ質問される前に説明していくわ。」


テーブルにカチャリと皿ごとティーカップを置いてから話し始めた。


「まず、召喚された日本人達11人。彼らは帰る(すべ)がなかったの。

だから生活の保証と引き換えに、魔王討伐を引き受けた。

討伐を終え、帝都に帰還後、爵位も領地も求めなかった者もいたけれど、強制的に受け取らされたわ。

『拒否すれば叛意(はんい)ありとみなす』って言われてね。」


はんい?謀叛(むほん)てこと?なんじゃそりゃ。


「冒険者になりたい者や、学者になりたい者もいたけれど、帝国は勇者達を管理しておきたかったの。臣下としてね。」


勝手に召喚して 勝手に臣下にしておきたいとか、ずいぶん身勝手だわ。


「渋々 爵位と領地を受け取ったけれど、帝国はいずれ勇者達を始末するつもりだったの。」


は!? 使い捨て!?

臣下にしておきながら何なの!?


「勇者たちって、国民から圧倒的な人気があってね。皇帝よりも支持されるようになったら、国の根幹を揺るがすことになるから、って感じ。」


もう理解が追い付かない・・・。疑心暗鬼が跋扈(ばっこ)するローマ帝国ですか。


「でも勇者達はその情報を知り、このまま殺されるならその前に戦うことになったのよ。」


なるほど。


でも勇者達って、魔王を倒すほど強かったんですよね?

それなのに帝国軍と熾烈(しれつ)な戦いをしたのは不思議です。


「彼らは対魔物に特化してたし、勇者達は11人。領地に軍隊はいない。帝国軍は約7万。」


え、それってまさか・・・。


「そう、11 対 7万 だったのよ。

そして『人間』を殺すことをためらった勇者がまず1人死に、次に『自分達が守ったはずの帝国民』を殺すことに悩んだ1人が死んだ。もう1人は、自ら。」


・・・なんてこと。

でも自分達で国を建国するところまでいったんだもんね。


「でもキャメロンさん、まるで見てきたかのように言いますね。」


ふふふ、と私が笑うと、


「見てたのよ。」


と、遠い目をした。


「どのくらい前ので出来事なんですか?」


「たった60年くらい前のことよぉ。」


それはちょっぴり悲しい笑顔だった。



───────────



「サクルムラポニアって、なんで近隣の連合軍に負けたんですか?」


「その時は私はもうサクルムラポニアには居なかったんだけどね、裏切りと腐敗で弱体化してたみたいだし、勇者も病気で何人か減ってたみたいだし、複合的な原因ね。」


「サクルムラポニアがあった土地はどうなってるんです?」


「連合国のそれぞれに割譲(かつじょう)されて、別々の国になったわ。」


国というホールケーキを切り分けて、ケーキのピースを各々 手に入れました、ってか。


「勇者たちは皆さんその戦いで?」


「戦死、暗殺、でも生き残った者もいたわよ。」


「えっ 殺されてないってことは、物凄く強い人だったんですか?」


ハッとキャメロンさんは鼻で笑って言った。


「何言ってんのミサオ。

生き残ったヤツこそ、裏切り者よ。」


ここまで読んでくださったことに土下座。

週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!

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