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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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王都編⑪ 女子のお喋りは長い

国名を間違えるという大変なミスを犯していたことに気がつき、訂正していたら遅くなってしまいました。

もし待っていてくれている方がいたのなら本当にすみません!


ヒカリからミルクの代用品の質問を受け、ご令嬢が部屋の入り口に控えていた侍女さんに目配(めくば)せする。

部屋を出て行った侍女さんは5分も()たずにメモを片手に戻ってきた。


子育て経験者に聞いてきてくれたんだって。仕事が早い。

ヒカリに連絡し、代用品を用意するように指示し、ママさんも赤ちゃんも命に別状はないと確認。

やれやれと安堵したのも(つか)の間、ヒカリの報告には驚きを隠せない。


「ミサオさん、やっぱ私の前で電話に出るの不味(まず)かったんちゃいますー?」


「んー、別室で電話しようかと思ったんだけど、日本人ギルドから機密連絡があるとは思えないし。そもそも秘密にしておけないでしょ。」


ここはご令嬢のお屋敷。盗聴しようとすればいくらでもできる。

だから無駄だと思った。


「せやけど~、面倒なこっちゃ。」


私とご令嬢は、日本人としての感覚から魔道具通信のことを「電話」と呼んでいる。慣れ親しんだ言い方のほうがお互い通じやすい。

高そうなソファに向かい合って座り、(ひじ)掛けで頬杖を付く私とご令嬢。

すっかり気を許した友人のようになってしまった。

ちょっと嬉しい。


「ヒカリのスキルは他の日本人には問題なく使えてるって電話で言ってたし、原因はママさんと赤ちゃんなのはほぼ確定。異常スキル?加護?でもママさん、戦闘要員じゃないっぽいんだよねぇ。」


大きな窓からは外が見える。

空はどんより曇っている。雨が降るかもしれない。

先行き不安ななことを表してるのか?やめてよー。

私はもう1つの可能性をご令嬢に確認する。


「ねぇ、もしかして『聖女』っている?」


私の問いに納得したかのようなご令嬢。

頭の回転は早い。


「昔は『聖女』も『聖人』もおった。」


「昔?今は?」


「この国では ひと昔に偽聖女や偽聖人が横行したんや。悪徳やでぇ。

だから教会も国も、生きてる間に『聖女』『聖人』の称号は送らんことにしたんや。」


死んでからその称号に(あたい)するなら会議で決めて贈る、と。

バチカン方式か。多分だけど。


「でもヒカリは『聖女召喚に巻き込まれた』って言ってたわよ?」


「それは他所(よそ)の国や。」


ご令嬢の説明はこうだった。


1、この国、イリーリニウムではわざわざ召喚しなくても日本人が転移転生してくる

2、イリーリニウムは聖女などに頼らなくても魔物は大丈夫

3、異世界から「聖女召喚」や「勇者召喚」する国は、魔物退治を異世界人に押し付けようとしている、プラス イリーリウニムになんとか対抗しようとする野心もある


なるほど。こうして聞くとイリーリニウムしっかりしてるなぁ。


確かに「自分の国がマズイから異世界から伝説の勇者召喚して救ってもらおうぜ!」は都合が良過ぎる。

でも「勇者」として召喚されたら・・・拒否する人もいるだろうけど自尊心を(くすぐ)られるし正義感とか人助けとか、「分かりました」って言っちゃうんだろうな。

「魔王を倒さないと元の世界に帰れないよ☆」ってパターンもあるか。


話が()れたがこれでママさんと赤ちゃんがイリーリニウムが召喚したという線は消えた。

しかし他国が召喚した聖女の可能性はゼロではない、と。


それにしても・・・今までヒカリの「日本人探索スキル」が外れたことはない。百発百中だったのだ。

もしかしてヒカリって他国から狙われる可能性あるよね。

この世界では日本人は喉から手が出るほど求められている。

能力や技術、知識があればある者ほど重宝(ちょうほう)されるからだ。


「なんにせよ、宰相はんに言わんとな。」


宰相はん、てアンタね・・・

その辺のおっちゃんみたいに言うな。


「大問題に発展しそう?」


「今んとこなんとも言えんなぁ。万が一、そのママさんに『最強レベルの隠密スキル』があったとしても、この国に害を()すとは限らへんからなぁ。」


「宰相サマに報告して、ヒカリの警護も強化してもらって、そのママさんと面会して詳しく転移の状況も確認しなきゃだし・・・」


ん?どんどん仕事増えてないか?


私の心を読んだかのように、


「ミサオさん、昇給を要求したほうがええなぁ」


とカラカラご令嬢は笑うのだった。



───────────────



宰相サマに電話で連絡すると、案の定 不機嫌な声になった。

出勤して職場だったせいもあるかな?

そうであってほしい。


(でも仕事が増えたのはこっちだって同じですよーだ)


心の中であかんべーをしつつ、口先では謝っておいた。

我ながら日本人根性が染み付いてるわ。

しかし宰相サマにお世話になっているのも事実。

悪態をついたことを反省。


「長々お喋りしてしもたけど、そろそろ役所へ行かなアカンな。」


ご令嬢も忙しい身。

そもそも私が王都へ来た目的は「転移門設置の申請書を役所へ提出する為」なのだ。



初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!

感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。

感謝をこめて。

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