王都編⑦ あなたが落としたのはブラですか?
だんだんラブコメ風味に(?)なってきました。
感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。
感謝をこめて。
「日本人の作る料理って、和洋折衷で地球上の食べ物の良いとこ取りよねぇ。」
リョウくんの料理を食べながら、キャメロンさんがうっとりとした溜め息をつく。
高価な食材ではなく、この異世界ではありふれた野菜や肉、調味料を使ってリョウくんは調理した。
出される一皿一皿の見た目も香りも食欲をそそるけれど、何よりも口に入れた瞬間に、「あぁ、幸せ」と思わせてくれる美味しさなのだ。
グラタン皿にデミグラスソースのような色の液体、その液体に漂うオムレツと太麺、という変わり種(?)料理もあったけれど、味は抜群。
ソースの名前や、何の卵なのか尋ねたけれど、私には聞き覚えのない名前だった。
「こんなに素晴らしい料理が作れるなら、ギルドのシェフにしておくのは勿体ないね。」
私がそう言うと、
「えっ」
「はぁっ!?」
リョウくんとキャメロンさんが同時に驚く。
私、そんな変なこと言ったかな?
「ミサオ、あんたね、何の為にリョウが今ここで料理を振る舞ってると思ってんの!?」
キャメロンさんの剣幕が凄い。
「え、えーと キャメロンさんに王都ギルドのギルド長になってもらう為・・・?」
「ということは?」
「美味しい料理を食べてもらう。」
「私がこの料理を『定期的に食べるのが条件』だと言ったら?」
「リョウくんにはギルドで料理を作ってもらわなきゃ・・・あっ!なるほど!」
「はぁ・・・」
残念そうな顔で見つめられても。
「リョウくん、ごめんね。別にクビにしたかった訳じゃなくて、」
「いやミサオさん、分かってます!分かってますから。」
リョウくん、泣いてるわ。
そんなリョウくんの肩にポンと手を乗せ、同情の顔をする宰相サマ。
ごめん、ごめん、と私は何度も謝りながら、沢山の料理に舌鼓を打ったのだった。
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キャメロンさんは料理と共に大量のワインを空け、宰相サマの顔が若干引き攣っていた。
私は食事の最後に出されたデザートにキャッキャして、インスタントコーヒーを飲んで大満足。
お腹いっぱいになって、胸が苦しい。
この異世界のブラジャー、転生日本人のおかげでかなり現代ブラに似ているが、伸縮性があまりない。
改良を望む。自分で作ったほうが早いか?
今度 商人のミーナガさんや、ご婦人に伝手がないか確認してみよう。
宰相サマが用意してくれた客室で服を着たままブラを外す。
背中ホック式じゃないから助かる。
はー楽になった。
私は胸が大きくないから、ブラなんているかなぁと思うんだけど、「加齢と共に垂れてくるから垂れ防止の為に付けた方がいい」とカターニャさんに注意されてしまった。
寝る時くらいは外したい。
でも寝る前にシャワー浴びなきゃ。面倒だなぁ。
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
私はベッドに座ったまま、
「どうぞー」
扉を開けて入ってきたのは、リョウくんだった。
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どうしたの?まぁお座んなさいよ、と私は己の腰かけているベッドの横をポンポンと叩いた。
おずおずと座ったリョウくん。
「ミサオさん、俺、他の職場に行きたくて料理のスキルを上げた訳じゃないんです。」
うん。
「ミサオさんに喜んで欲しくて、だから頑張ったんです。」
うん。
「だから、ギルドで働かせてください。」
う、これは。
ちゃんと言わなければ伝わらない。
「リョウくん、誤解させてしまってごめんね。
さっきも言ったけど、私はリョウくんを追い出したいなんて思ってないよ。
あまりにもリョウくんの料理が美味しくて、王宮からスカウトが来ちゃうんじゃないかと、心配になるくらい最高に美味しかったんだから!」
リョウくんがホッとした顔になる。
「ありがとう。ご馳走さま。また食べさせてくれる?」
リョウくんの手の上に私の手を重ねる。
「はい!もちろん!」
私の手の上に更にリョウくんの手が置かれ、私の手はリョウくんに縦にサンドイッチされてしまった。
笑顔になったリョウくんだったが、ある1点を凝視して固まってしまった。
「?」
何だろう。
リョウくんの視線の先には、私がさっき器用に脱いだ、ブラが放置されていた。
(ぎょへぇええええ)
いくら異世界ブラとはいえ、前ヒモ式ブラとはいえ、誰が見たってブラって分かる。
(あわわ、なんと恥ずかしいことを)
とにかく取り繕わねば。
「あの、えっと、さっき苦しくてさ、あははー」
途端にリョウくんは驚いた顔になり、真っ直ぐに私を見た。
「ミサオさん、俺、」
え?
そう言ってリョウくんは、私を抱き締めたのだった。
ここまで読んでくださったことに土下座。
週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!




