王都編④ お名前を
初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当ありがとうございます!
感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。
感謝をこめて。
私、佐々木ミサオ。
異世界で目標が出来ました。
“ 老後はのんびりスローライフ ”
です!
だってもう色々あり過ぎて、仕事があるなら異世界で骨を埋めようと仕事を見つけたまでは良かったけど、全然のんびりする暇がないんですよ。
目の前の吸血オネェさんは、長い脚を組んでテーブルに肘をついた。
大柄だから椅子が小さく見えるね。
「アタシはヴォルガノ・D・グライフ。」
ふむふむ。
「キャメロンと呼んでね。」
なんでや。
「まぁ名前なんてどうでもいいんだけれど。」
どっちやねん。
呆気に取られる私を前に、宰相サマが紹介する。
「ヴォルガノ、こちらが今回料理を作るシェフ、リョウ・ニッタだ。
リョウ、早速取りかかってくれ。材料はこちらだ。」
「あっ、はい。」
リョウくんが隣の間のキッチンへ連れて行かれ、案内の宰相サマも食堂から姿が見えなくなる。
残されたキャメロンさんと私。
間が持つのか?
「まぁ座んなさいよ。」
「はぁ。」
他にすることもないので向かいに座る。
「アタシね、日本人に興味があって研究してるの。」
「解剖とか?」
アハハ!と今度は豪快に笑うキャメロンさん。
「ミサオって、思ったことをすぐ口に出しちゃうタイプなのねぇ。」
「あー、日本では結構我慢してたんですけど、異世界に来たら箍が外れちゃったみたいで。」
吸血種という先入観から緊張していたのに、会ってみたらオネェさんで安心したせいもある。
「ふぅん。まぁいいわ。
ミサオは、何で日本人が沢山異世界に来るようになったと思う?」
何でなのか?
「異世界モノのラノベが流行ったせい、ですかね。」
「じゃあ何で異世界モノのラノベが流行ったの?」
間髪入れずに質問される。
「それは・・・突き詰めれば『チート能力を与えられて、日本で生きた記憶を持ったまま異世界で新たな人生を歩みたい』という現実社会からの逃避願望が共感を呼んだから、ですかね?」
「しかも死因は『交通事故』や『過労死』が多い!」
フフフと2人で笑い合う。
この人めっちゃ詳しい。
「でもね、ミサオ。それが『情報操作されたもの』だとしたら、どう思う?」
キャメロンさんは、それはそれは蠱惑的に笑みを浮かべた。
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「『情報操作』って、どういうことですか?」
私は少し前のめりになる。
「定期的に異世界を繋ぐ扉が開いて、人間がこちらの世界へ多数移動しなければならない。
その都度 いちいち『神様』が一人ずつに異世界が存在することを説明して、納得して、新たに前向きに生きてもらわなくちゃいけない。
それはめんどくさいわよねぇ?
で、現代の地球ではゲームも普及して、ファンタジーも想像しやすくなった。それなら『異世界転生』も受け入れやすいのでは?」
なるほど。
「っていうのは あくまでも可能性だし、私の考えの一説だけどね。」
「ちなみに他の説は?」
「『異世界人』である日本人、つまり外来種を入れることによりこの世界の生物を淘汰させる。」
外来種・・・なんか害虫みたな響きで嫌だな。
私が複雑な顔をしていると、宰相サマが戻って来た。
「ミサオ、気を付けないとヴォルガノは何でも食おうとするぞ。」
「失礼ねぇ。美味しい物を食べたいという探求心ゆえよ。」
「貴様 そう言ってミカを食おうとしていただろうが!」
「今はもう思ってないわよ!」
ミカって人間?
血を吸うんじゃなくて食べる吸血種?
私が椅子ごと距離を取ったのを見て、キャメロンさんが訂正する。
「ミサオ、違うのよ、『ミカ』っていうのは」
続きを宰相サマが引き取る。
「さっき会っただろう。日本人ギルドにいた亀の獣人だ。」
えぇ!
「亀くんの名前、『ミカ』なんですか!!」
私の驚きに、キャメロンさんと宰相サマは微妙な顔をしていた。
解せぬ。
ここまで読んでくださったことに土下座。
週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!




