領都編⑫ まさかの
昨日 更新できなかったので、本日もう1話更新です。
読んでいただき、本当に本当にありがとうございます。
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感謝をこめて。
窓は二重の鎧戸になっている。
内側の鎧戸は内開き、外側は外開き。勿論どちらも部屋の中から錠を外して開けねばならない。
なのに、どうやって?
この部屋にバルコニーはない。
窓枠に片足を掛け、もう片方はぶらんと部屋の中へ入れている。
「ここ3階だけど。」
緊急事態なら通信機かピリッカさんへ連絡が来るだろう。
「3階だけど、来ちゃった。」
彼女か。
この心のツッコミ何度目?
だから答えになってないんですけど!
「何かあったの?」
「へへへ、ミサオに会いたくてさ~。」
よっ、と掛け声の割には足音も立てずにサマヤは窓から部屋に入り、私のベッドに寝転がる。
オイオイ。
「私がアレッシオを発ってからまだ1日だよ?何言ってんの。」
暫しの沈黙。
「?」
「ミサオが襲われたって訊いて、心配したんだよ!」
あらま。
それで転移魔法を使える人に領都まで飛ばしてもらったのかな?
「耳が早いわね~。誰に聞いたか知らないけど、怪我はないし犯人は捕まったし、大丈夫よ。ありがと。」
じろりとサマヤに睨まれる。
「護衛いたでしょ?未然に防げっつーの。」
「いやいや、護衛さん達が居てくれたから生きてるんですぅ。」
私は軽口で応酬するが、サマヤは何でこんなに拗ねているんだろうか。
あ、貰った酔い止めをどれくらい飲めばいいか聞いておこう。
1回につき1瓶丸飲みするもんなのかね。
バックの中に仕舞って、割れていなかったはず・・・
手元に鞄を引き寄せ がさごそ。
ふと鏡を見ると、化粧台の椅子に座っていた私の背後にサマヤが立っている。
「ミサオ、石鹸の香りをさせて 無防備過ぎる。」
え?
サマヤの手が私の首筋に触れた。
想像していたより冷たい。
もっと熱い手をしているのかと思ってた。
そうじゃなくて!
これは、私は、今何をされようとしている?
鏡に映るサマヤを見たまま、私は振り返ることも、振り払うことも出来ずにいた。
コンコンコン
部屋のドアのノックで、ハッとして我に返る。
ガタッと椅子から立ち上がり、ドア越しに誰何する。
「山崎ですー」
青年の声。
山崎って誰だ。
「護衛ですー」
護衛のジミー!
私は部屋のドアを開けた。
そこには地味な日本人のジミー。
しかしジミーは私ではなく、部屋の中のサマヤを見ていた。
もしかして見られないほうが良かった?
いやでも疚しい事はないし。疚しくなくても男を部屋に招き入れるの不味いか。
瞬時にあれこれ考えたけれど、時既に遅し。
しかしその後のジミーの発言は、私の杞憂だった。
「やっぱりここに居ましたね、隊長。」
ここまで読んでくださったことに土下座。
週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!




