領都編⑨ 観光しよう そうしよう
昨日更新できなかったので、本日は短いですが2話投稿します。
感謝をこめて。
ふふふ、領都での仕事が終わったー!
転移門設置の許可証を王都へ提出する仕事が残ってはいるけど、王都で侯爵令嬢が手ぐすね引いて待っている気がするけど、今は領都を満喫するんだもんね。
別名「水の都」とも呼ばれるグリードヴィット領の領都ネイデルテレス。
これは観光するしかないでしょ。
イタリアのベニスのような船が水路を行き交う。ベニスよりも川幅が広い。
「ピリッカさん、船に乗りましょうよ!」
途端にピリッカさんが うへぇ みたいな顔になる。
「もしかして船苦手?」
「苦手というか、地に足が付いてないのが不安になるんです。」
それを苦手というのでは。
いやアンタ転移魔方は平気じゃん。
ツッコミどころは多々あれど。
「じゃあ私だけで乗ってくるね。」
「ダメです!宰相に怒られます。」
「じゃあ乗ろうよ。あ、でも護衛の人が大変かな?」
周囲を見渡すと地味な顔の日本人が親指をグッジョブしていた。
護衛さん達は船に乗ってもオッケー、ということだろう。よしよし。
渋るピリッカさんを観光客向けの船着き場に連行し、値段と所要時間を確認する。
「1人40分で4,000イエル?2人で6,000イエルにならない?」
1イエルで1円換算だから楽だ。
そして値引き交渉しないと損。
日本だったらやらなかっただろう。でもこの異世界、日本のように看板に「〇〇は△△イエル」と親切表示がないから、相手は人を見て値段を吹っ掛けてくる場合がある。
「参ったな、ねーちゃんには負けたよ。2人で6,000イエルな。」
「まぁまぁ、2人とも美人だからいいじゃねぇか。」
係の人と船頭さんのやり取りがこそばゆい。
お世辞でも嬉しいもんだね。
ピリッカさんと視線が合う。
え、なんで「当然だ」みたいなドヤ顔?
おかしいな、ピリッカさんて初対面の時はあまり表情が出ない人だったのに。
───────────────
船頭さんの観光案内付きで船に揺られる。
あの建物が有名人が住んでるとか、泉の湧く山の話、古い遺跡のこと。
ふと水面に何か映る。
「何か泳いでる!」
「そりゃ魚くらいいるさ。」
「まさか魔物とか?」
ハッハッハ、と船頭さんは笑った。
「魔物はいねぇが、時たまデケェのがいるから気を付けな。」
その瞬間ぐらりと船が揺れた。
大きな影が目線の先にあり、ざぱーんとまた水中へと戻っていった。
船頭さんを含め、私はもちろんピリッカさんもずぶ濡れになったのだった。
ここまで読んでくださったことに土下座。
週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!




