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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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領都編④ 甘さ控え目

初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当ありがとうございます!

感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。

感謝をこめて。

なんで?


応接室のドアを開ける前に 「ミサオ・ササキ、入ります」と言ったので、私は入り口に立ったまま呆然。


苦々しい表情のまま、宰相サマが紹介する。


「ミサオ・ササキ支部長、こちらはグリードヴィット領主、マスミン・ハナリシュ殿だ。」


領主!?

驚愕でご婦人を見る。


「今朝ぶりね。マスミン・ハナリシュよ。どうぞお掛けになって。」


私は下座(しもざ)である宰相側のソファに座った。

宰相はだんまり。

ご婦人が領主ということに驚きを隠せないままの私に、


「そんなにびっくりしなくてもいいじゃない。フフ。」


「いえ、宰相とは『教師と生徒』と仰っていたので てっきり・・・」


「臨時講師として教鞭を取っていたのは間違いないのよ?」


臨時講師かー。あれ?


「その教育機関って、領主様が私財を投じて設立なさったんですよね?そこで自ら教鞭を?」


「そうよ。だって人手不足だったんですもの。」


そんな あっけらかんと・・・。


ようやく宰相が口を開く。


「ミサオ、気をつけろ。この人の講師時代のあだ名は『鬼教官』だぞ。」


えぇぇ・・・

こんな優雅でお茶目な所もあるご婦人が「鬼」の「教官」とは。


「ジュリアス、余計なことは言わなくともよろしい。」


途端にキリッとする両者。


「は。」


「ミサオさん、ジュリアス達ったら昔からこずるい事ばっかり思いついてね、」


「それこそ余計なことなのでは。」


宰相サマ、ギルド長、アランさんのことだろうな。

学生時代の頃って どんなのだったんだろう。

今とさほど変わってないような気もする。


「マーカストが冒険者になると聞いた時は、王都の近衛隊長の悔しがる顔が目に浮かんだわ。」


マーカストとはギルド長。

確かに国一番と噂の剣豪ならばスカウトもされよう。


ご婦人の話が進むにつれ、宰相の眉間の(しわ)が深くなる。


「あの、もしよければリオリオパイ 召し上がりません?」


刹那、宰相の目がキランと光った。



──────────────────



リョウくんが「旅のおともに」と持たせてくれた、この世界ではリオリオと呼ばれるブルーベリーのパイ。

実はショルダーバッグに忍ばせて来たのだ。

役所へ申請した後、食べようとしていたのだけど。


「宰相、先に言っておきますが甘さは控えめですからね。」


ご婦人がお茶と皿の手配を部下に指示している間にこっそり宰相サマに伝えておく。


「分かっている。」


そこへご婦人が声をかける。


「ミサオさんはコーヒーがお好きだと聞いたから、ミサオさんはコーヒーにするわね。」


コーヒー!

やったー!!


「ありがとうございます!!!」


跳ねるほど嬉しがっていたら、


「そんなに喜んでくれるなら、コーヒー栽培を広げなきゃいけないわね。」


「ぜひとも!」


ご婦人と宰相は紅茶だったが、宰相は紅茶の砂糖も控え目だった。

ご婦人に注意されたくないんだろうな。

ちなみにこのお茶代、ご婦人の自腹。

この異世界の役所に、「接待費」などない。

「来客にお茶を出す慣習がない」文化は、分かりやすい。


パイを皿に移し変え、それぞれの前へ。


「旨いな」

「美味しいですわね」

「んんー」


最後の感想は私である。


ブルーベリーパイは持ち運びしやすいように切り分け、崩れないように小分けに箱に入れ、魔法の使える日本人ギルド職員に頼んで「時間停止」と「冷蔵」、「防衝」の魔法をかけてもらった。「防衝」とは衝撃を跳ね返す魔法。

モリーが「お菓子にそんな高等魔法をかけるなんて・・・」とドン引きしていた。

魔法をかけてくれたのは日本人だからね。チートだから本人も ちょちょい、だったからね。


そこへ役所の方が、


「新たな植物が発見されました。」


と届けに来た。

布を(めく)るとそこには、

竹があった。





ここまで読んでくださったことに土下座。

週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!

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