領都編③ 地味は良いこと
初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当ありがとうございます!
感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。
感謝をこめて。
宿に着き手続きを済ませ、着替えなど「万が一盗られてもいいもの」だけを部屋に置いてゆく。
安宿ではないけれど、用心に越したとはない。
「緊張感を持て」とバッファローおじいちゃんに言われたばかりだし。
領都の役所へいざ出発。
ピリッカさんに街の案内をしてもらいつつ、向かう。
あの、と領都の街の住民に話しかけられたのだと思ったが、顔が日本人だった。黒髪。そしてとても地味。
「どうも山崎といいます。ホットドッグありがとうございます。」
地味過ぎてホットドッグと言われてようやく彼が護衛の人なのだと気付く。
「こちらこそありがとうございます。片手で食べられるものにしたんですけど、足りなかったら言ってくださいね。」
慌てて両手を降り、
「とんでもない!充分です。以降お気遣い無用です。仕事ですし、宰相に怒られちゃいます。」
確かに宰相サマ、怒りそうだなぁ。
ピリッカさんも含め、3人で苦笑。
「分かりました。他の方にもよろしくお伝えくださいね。」
彼はペコリと会釈して行った。
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「山崎さんが出てくるなんて珍しいです。」
ピリッカさんが言うには彼は滅多に人前に出ないらしい。
「へぇ。」
「転生者なのに自ら志願して諜報局の実働部隊になった人です。」
「へ、へぇ。」
スキルを生かそうとしたのかな?
「山崎」と聞いて とある少年漫画の地味キャラを思い出す。
名前も同じだし、地味な所が似ている。
あの漫画、大好きだったな。
「ジミー。」
「もしかして山崎さんのことです?」
「うん。地味だから。」
ピリッカさんは笑いを堪えるのに必死だった。
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ようやく役所へ到着。領都の役所だけあって、かなりデカイ。
入り口でまずは列に並んで全員が順に受付してゆく。
受付の係の人が、どこへ行けばいいか振り分けるのだ。何度も役所へ来たことがある人でも必ず並ばなければならない。
間違った窓口へ行かないし、たらい回しにもされない。受付の係の人達は どの窓口が混雑するかを把握し、危険人物が来た場合は衛兵を呼ぶ。
なかなかスムーズなシステムなのではなかろうか。
私達が申請したい転移門は、色々な課に跨がるものなので、各課の課長が召集され検討し、その後 副領主、領主の裁可が下される。
日数かかるな~と思いきや、今から課長達の会議を始めるとのこと。
もしや宰相サマの言ってた「根回し」ってこれか。凄い。
明日には認可が下りて転移門設置の領の許可証を発行出来るという。
隣の領のハイレインと同時に王都へ申請する必要があるから、ハイレインの侯爵令嬢へ連絡する。
『私、今 王都におりますの。王都へいらしたら落ち合いましょう。』
分かってますよ~。
通信魔道具で短く会話を終了し、「ひと仕事終えたんだから領都の美味しいもの食べよー!」と張り切っていた私とピリッカさんの元へ、役所の人が近付いてきて告げた。
「領主様がお会いになるそうです。」
認可は明日って言ってたじゃん!
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そもそも、許可するのに領主サマが合う必要なくね?
しかしそれはあくまで日本の価値観。もしかしたらこの異世界では違うのかもしれない。
しかも「入国調査部門 アレッシオ支部 ミサオ・ササキ支部長と面会する」ということは、ピリッカさんは同行しない。
落ち着いて私。日本に置き換えてみよう。
市役所の部長が、県知事に会うと考えればいいのよ。
・・・やっぱり緊張する!
仕方がない、これも転移門の為、後々の国の発展の為。仕事ですもの。
ピリッカさんに応援され、係の人にドナドナと案内され、領主サマの応接室へ向かう。
領主サマって、役所にいるんだ~
お城でふんぞり返ってるわけじゃないのね~
現実逃避しながら応接室へ入ると、そこには苦虫を噛み潰したような顔の宰相サマと、今朝 会ったご婦人が椅子に座っていたのだった。
ここまで読んでくださったことに土下座。
週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!




