領都編②
初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当ありがとうございます!
感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。
感謝をこめて。
まさかこの歳にして「お嬢ちゃん」と呼ばれるとはね・・・
でもダン○ルドア先生からしたら、ほとんどが年下のひよっこだろうなぁ。
「ミサオさん、何かあったらこの店の中に入れば安全です。」
『何か』って何。
ダン○ルドア先生に辞去し、一旦宿へ向かうこととなった道すがら。
「さっきのおじいちゃん魔法使いさんは、何ていうお名前なんですか?」
この異世界、初対面で名乗りあったりしないな。
「おじいちゃん・・・バッファろうのことですね。」
バッファローさん!おじいちゃん、強そうな名前だ。
ピリッカさんは「おじいちゃん」がツボにはまったらしく、何度も「おじいちゃん・・・」と呟いている。
私のお願いで、宿まで迂回して市場を通ってもらう。
見えない護衛さん、寄り道してごめんよ。でもせっかく領都に来たんだから行きたいんです!
日本では見たことのない形や色の野菜、果物。
乳製品やお肉。
屋台の軒先に蚊取り線香があるのは笑った。
ベビーカステラも懐かしい。
手作りのアクセサリーが並んでいて、ピリッカさんに似合いそうな髪飾りを見つけて、2人できゃっきゃしたり笑い合って。
ホットドッグを買って、ベンチでピリッカさんと食べる。
曇り空で風もなく丁度いい。
マスタードにはしゃいでいたら、ピリッカさんが私に言った。
「ミサオさんは、私が会ってきた日本人と違います。」
「みんなそれぞれ事情がちがうからじゃない?」
伏し目になったピリッカさんは続ける。
「いえ、『転移者』は一様に『どうやったら日本に帰れるか』を大なり小なり探していました。そして日本に帰れた人、帰れない事が分かり諦めた人、帰る希望を捨てていない人がいます。
一度日本に帰って、また異世界に来た方もいますが。
でもミサオさんは、そのどれでもないような気がするんです。」
「そうねぇ、『日本』への望郷の気持ちはあるけど、執着はそんなにないかも。でも私と同じような気持ちの日本人は他にもいるでしょ?」
「日本に未練がなくて、かつ特筆すべき能力・魔力・技術・加護があるのならばこの世界は魅力的でしょうが、ミサオさんとってには生きづらいのでは?なぜ1度も『日本に帰れる方法はあるか』と訊かないんです?」
あぁ、この人なりに私を心配してくれているのだ。
寂しくはないか、会いたい人が日本にいるのではないかと。
「あのね、他の人には些細なことでも、当事者にとっては重大なことってあるでしょ?」
ええ、とピリッカさんが相槌を打つ。
「私は『日本』が生きづらい場所だったの。」
「文明が発達して技術が素晴らしい世界なのに?」
そう言われるとそうなのだが。
「社会から強いられる状況に、自分自身が耐えられない、っていうのかな。」
首を傾げるピリッカさん。
「この年齢だと結婚して子供がいて当たり前。でも結婚適齢期を過ぎて、そろそろ子供を産める歳も過ぎそうな自分。両親からは『一生独身でいるのか』と訊かれるし。
転職しようと会社を辞めたはいいけど、年齢のせいなのか なかなか転職先が見つからない。面接しても採用されない、鬱々と落ち込む毎日だったわけ。独身でも生きていけるけど、働かないと食べていけない。
だから異世界で「求められて働ける」っていうのは、私にとっては ありがたいことなの。」
「そういうものですか・・・。」
納得いったようないってないような面持ちのピリッカさん。
会いたい友達はいるけれど、きっとその友達は、私のこの体験を喜んでくれるだろう。こんな体験、滅多に出来ないもんね。
「なによりここは気候が素晴らしい。」
そう、イリーリニウムは春夏秋冬があるとはいえ、日本ほどの寒暖の差がない。つまり夏は汗だくにならないし、冬は凍えない。
秋に紅葉がなくとも、夏のクーラーが苦手な私はとても体が楽なのだ。
「クーラー不要の日々よ、バンザーイ!」
突然立ち上がり叫んだ私に、ピリッカさんがぎょっとする。
「クーラーって、暑い気候の時に室内を機械で冷やす機械なんだけど、その風で体調崩したことがあってね。職場で『クーラー弱めてよ派』は少数派でさ~」
弱めるとすぐ”強”にされちゃうんだよ~ たはは、と笑うと、ピリッカさんは私の手をそっと取った。
「私は 一介の魔術師に過ぎませんが、ミサオさんのこれからの日々に、安寧がありますように。」
安寧、それは心穏やかに過ごしたい私にはとてもありがたい言葉だった。
「ピリッカさん、ありがとう。」
そうだ、忘れないうちに。
「これ、護衛の皆さんで食べてください。でも甘いもののほうが良かったですか?それなら今からダッシュで買い直してきます!」
そう言ってピリッカさんに、先ほど買ったホットドッグ10個を紙袋ごと渡すと、
「ミサオさんて、やっぱり変わってますね。」
え?
「数が足りませんか?」
って確認したら笑われた。
なんで?
バッファ”ろう”さんのことは今後書くので誤字ではありません、と先に言っておきます(^_^;)
独り語りが長くなってしまいました…。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!




